
山田ヌン殿内といって、昔はあったそうだがそれは何百年の話になるのか分からないが。昔は、国頭から那覇への往来も徒歩だった。那覇や島尻から国頭の用事も、また国頭から那覇や島尻への用事も全て徒歩だった。夜も更けて歩けなくなってしまったらしい。もう昔は道も小さかったからね。それでもう泊まって行こうということになったそうだ。ちょうど今で言う旅館と同じようなものでね。そこに夜になったら泊まっていたそうだ。那覇に用事で行く途中で遅くなったら、多幸山に追い剥ぎが出るとか何とかという話があった。それで山田ヌン殿内という所に泊まったって。それは言わば、夜になって入って行く人はいるが出て行く人はいなかったそうだ。それで、不思議なことだと、調べることになった。歌にもあったよ、子守歌にも『山田ヌン殿内(どぅんち) 入(い)る人(ひとぅ)や居(う)しが〔山田ヌン殿内に 入る人はいるが〕出(ん)じーる人(ちょ)ぉ全部(むる)居(う)らん〈出て行く人はいない〕』と。ちょうど昔の辻のようなものだったでしょうね。昔も今と同じようなもので、女がいてね。男の泊まり客が来たら、娘と寝かせてお金を取っていたらしい。お金を取ってそのまま行かせたら、捕らえられてしまうさあ。だから、娘と寝かせてお金を取った後は、旅人を殺して、家の後ろに穴を掘って埋めていたという話だった。それで政府から調べることになったって。告発があったと思うが。また、しまいには娘の着物を男に着せていたそうだ。だから娘の着物を被っているのは自分の娘だからと助けて、(反対側にいる)自分の娘を刺し殺したということさあ。それからもう、そういうこともなくなったそうだよ。昔は着物もなくて、男は着ている着物を被ったんだからね。百姓からお金を搾取している金持ちや侍が豊かだったからね。 今度は男の着物は女に被せて、また女の着物は旅人に着せてあるものだから、間違えて自分の娘を刺し殺したって。それで捕まえられてしまった。その男がね、泊まった男が申し出て、「こうこうでした。」と訴えた。そうして旅館も止めさせられたわけさあ。
| レコード番号 | 47O374267 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C185 |
| 決定題名 | 久良波スン殿内(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 仲栄間三良 |
| 話者名かな | なかえまさんだ |
| 生年月日 | 18940720 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村大木 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村大木T03A04 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P166 |
| キーワード | 山田ヌン殿内,国頭から那覇,島尻,用事も全て徒歩,旅館,多幸山に追い剥ぎ,山田ヌン殿内,子守歌,山田ヌン殿内入る人や居しが出じーる人ぉ全部居らん,女,男の泊まり客,娘と寝かせてお金を取っていた,旅人を殺した,家の後ろに穴を掘って埋めた,告発,娘の着物を男に着せていた,自分の娘を刺し殺した |
| 梗概(こうがい) | 山田ヌン殿内といって、昔はあったそうだがそれは何百年の話になるのか分からないが。昔は、国頭から那覇への往来も徒歩だった。那覇や島尻から国頭の用事も、また国頭から那覇や島尻への用事も全て徒歩だった。夜も更けて歩けなくなってしまったらしい。もう昔は道も小さかったからね。それでもう泊まって行こうということになったそうだ。ちょうど今で言う旅館と同じようなものでね。そこに夜になったら泊まっていたそうだ。那覇に用事で行く途中で遅くなったら、多幸山に追い剥ぎが出るとか何とかという話があった。それで山田ヌン殿内という所に泊まったって。それは言わば、夜になって入って行く人はいるが出て行く人はいなかったそうだ。それで、不思議なことだと、調べることになった。歌にもあったよ、子守歌にも『山田ヌン殿内(どぅんち) 入(い)る人(ひとぅ)や居(う)しが〔山田ヌン殿内に 入る人はいるが〕出(ん)じーる人(ちょ)ぉ全部(むる)居(う)らん〈出て行く人はいない〕』と。ちょうど昔の辻のようなものだったでしょうね。昔も今と同じようなもので、女がいてね。男の泊まり客が来たら、娘と寝かせてお金を取っていたらしい。お金を取ってそのまま行かせたら、捕らえられてしまうさあ。だから、娘と寝かせてお金を取った後は、旅人を殺して、家の後ろに穴を掘って埋めていたという話だった。それで政府から調べることになったって。告発があったと思うが。また、しまいには娘の着物を男に着せていたそうだ。だから娘の着物を被っているのは自分の娘だからと助けて、(反対側にいる)自分の娘を刺し殺したということさあ。それからもう、そういうこともなくなったそうだよ。昔は着物もなくて、男は着ている着物を被ったんだからね。百姓からお金を搾取している金持ちや侍が豊かだったからね。 今度は男の着物は女に被せて、また女の着物は旅人に着せてあるものだから、間違えて自分の娘を刺し殺したって。それで捕まえられてしまった。その男がね、泊まった男が申し出て、「こうこうでした。」と訴えた。そうして旅館も止めさせられたわけさあ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:18 |
| 物語の時間数 | 5:18 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |