
あれは何百年、五百年前の話なのか、六百年なのか、また五百年このかた三、四百年経っているのか分からないが。そういうことで、大里村なのか、また某村だったのか分からないわけさあ。(多分大里村だったのか)大里村に按司がいらしたそうだが。その按司に、ウナイ・イキーが生まれたらしい。そして、この娘はりっぱに成人して、夫も持ち子も生まれたが。この息子は、按司の長男は性根が入らなくて、世間の状態も知らない。後は盗人をして暮らすようになった。この町会、自分の町会から牛を取って食べたりするようになった。もう泥棒をするようになったので、島の人では手に負えなかったって。町会の人達がも。ついには暴力を振るうようになったのか、大勢の人達にはかなわなくなり、崖の方に住まうようになったわけさあ。自分一人で、崖の方にね。山中の崖に住まったのだが、夜になると出て来ては取って食べたりしていたようだが。後は妹にも知れて。兄さんはどこに住んでいるのだろうかと、探しに行ったそうだ。話なども聞いてね。遠く離れた所の下にはチリが捨てられているような崖だったが。それの上にある岩下、雨が漏らない所に住まっていたようだ。そうして、妹は兄妹だからということで、子供も連れて会いに行ったらしい。話などもして、妹が用を足しに行っている間に、「ああ、この子供は何て美味しそうだ。」と、もう食べようとしたんだって。その時からもう恐ろしくなって、この妹は。「私は用を足して来ようね。」と言ったら、背中かどこかに糸を括られたようだね。もう兄は気が狂ってしまい、悪者になっているのだから、妹にさえも糸を括って行かせたようだ。それで妹はいろいろ考えて、その糸を岩に強く括って自分は逃げて行ったって。その後からもまた会ったのか、そうして「これはもう退治しなければ大変だ。」と。餅に、玉、ガラスを割って込めて。「餅を持って来たから食べなさい。」と兄にあげたようだ。 それを食べたら、もう飲み込むことができなかったんでしょうね。妹がすぐさま自分の下半身を開けて見せたら、「それは何か。」と、兄は聞いた。股ぐらに、「これは鬼食う口。」と言ったら、驚いて逃げたというわけさあ。股ぐらを見せて、「これは鬼を食う口、この口は餅を食べるものだよ。」と言うと、餅を食って逃げて行こうとしたのを、崖に突き落としたとか。もう、それから離れたわけさあ、それから崖から落ちて命を落としたということさあ。ウナイが突き落としたとか。そこまでは、ウナイが突き落としたというまでは分からないが、崖に落としたって。それは悪者だからと。
| レコード番号 | 47O374263 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C185 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 仲栄間三良 |
| 話者名かな | なかえまさんだ |
| 生年月日 | 18940720 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村大木 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村大木T03A01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P17 |
| キーワード | - |
| 梗概(こうがい) | あれは何百年、五百年前の話なのか、六百年なのか、また五百年このかた三、四百年経っているのか分からないが。そういうことで、大里村なのか、また某村だったのか分からないわけさあ。(多分大里村だったのか)大里村に按司がいらしたそうだが。その按司に、ウナイ・イキーが生まれたらしい。そして、この娘はりっぱに成人して、夫も持ち子も生まれたが。この息子は、按司の長男は性根が入らなくて、世間の状態も知らない。後は盗人をして暮らすようになった。この町会、自分の町会から牛を取って食べたりするようになった。もう泥棒をするようになったので、島の人では手に負えなかったって。町会の人達がも。ついには暴力を振るうようになったのか、大勢の人達にはかなわなくなり、崖の方に住まうようになったわけさあ。自分一人で、崖の方にね。山中の崖に住まったのだが、夜になると出て来ては取って食べたりしていたようだが。後は妹にも知れて。兄さんはどこに住んでいるのだろうかと、探しに行ったそうだ。話なども聞いてね。遠く離れた所の下にはチリが捨てられているような崖だったが。それの上にある岩下、雨が漏らない所に住まっていたようだ。そうして、妹は兄妹だからということで、子供も連れて会いに行ったらしい。話などもして、妹が用を足しに行っている間に、「ああ、この子供は何て美味しそうだ。」と、もう食べようとしたんだって。その時からもう恐ろしくなって、この妹は。「私は用を足して来ようね。」と言ったら、背中かどこかに糸を括られたようだね。もう兄は気が狂ってしまい、悪者になっているのだから、妹にさえも糸を括って行かせたようだ。それで妹はいろいろ考えて、その糸を岩に強く括って自分は逃げて行ったって。その後からもまた会ったのか、そうして「これはもう退治しなければ大変だ。」と。餅に、玉、ガラスを割って込めて。「餅を持って来たから食べなさい。」と兄にあげたようだ。 それを食べたら、もう飲み込むことができなかったんでしょうね。妹がすぐさま自分の下半身を開けて見せたら、「それは何か。」と、兄は聞いた。股ぐらに、「これは鬼食う口。」と言ったら、驚いて逃げたというわけさあ。股ぐらを見せて、「これは鬼を食う口、この口は餅を食べるものだよ。」と言うと、餅を食って逃げて行こうとしたのを、崖に突き落としたとか。もう、それから離れたわけさあ、それから崖から落ちて命を落としたということさあ。ウナイが突き落としたとか。そこまでは、ウナイが突き落としたというまでは分からないが、崖に落としたって。それは悪者だからと。 |
| 全体の記録時間数 | 5:01 |
| 物語の時間数 | 5:01 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |