
昔、ある所にお爺さんとお婆さんがいらしたそうだ。そして、そこはとても金持ちで、もう一方のお爺さんとお婆さんは貧乏だった。それで、貧乏人の夫婦は「今日は何もなく、年越しもできないよ、どうするお祖母さん。」と言った。「何も準備してないのでしたら、じゃあお祖父さん、もう火を燃やして、火正月でもしよう。年忘れして、もう私達は火を燃やして年越しをしようね。」と。そうしている時に、ある人が降りていらっしゃって、「どうしてお婆さん、あなた達は今日はこのようにしているのですか。」と言った。「今日の正月は私達は何もありません。子供もなく、こうして火正月をしているのですよ。」と、言った。「ああ、そうか。それなら、今日は私があなた達に褒美として良い物をあげるから、私の言う通りにしなさいよ、じゃあ大きな鍋に湯を沸かしなさい。」と、湯を沸かさせて、それから薬を入れたらしい。「さあ、これに浴びなさい。」と浴びせると、その人達は六十余になられる人達なのに、もう四、五十代に若返ってしまった。「貴方のおかげで、私達は若返ることができました。」と。それから、「あなた達は今日の正月はどうなさるのですか。」と聞かれたので、「私達は何もないので、炭と昆布をこのように結んで、夫婦二人で正月を迎えようと思っているのですよ。」と言った。それからお爺さんが炭を、お婆さんが昆布を持って来た。それで結婚式とか何かの祝いのある時には、昔から昆布を使った。それは昆布を結び昆布ということで、夫婦で作り出したということで、そういうふうにするらしい。それからこの夫婦は、心ももう大変若くなったそうだ。『新(あら)たまる年(とぅし)に 炭(たん)とぅ昆布(くーぶ)飾(かじゃ)てぃ〈新しい年に 炭と昆布を飾って聴取 心(くくる)から姿(しがた)若くなゆさ〈心も体も若くなるよ聴取』と、夫婦二人で歌を作られたということでね。今につけて、その夫婦は、私達は昔はこのように貧乏人だったけど、そうだからと力を落とすんじゃないよ。後は良い事が来るからと。それで以前に歌も作られているという話ですよ。
| レコード番号 | 47O374261 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C185 |
| 決定題名 | 大歳の客(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮城ヤス |
| 話者名かな | みやぎやす |
| 生年月日 | 19090425 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村大木 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村大木T02B08 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 酒に酔ったお父さんが、兄と二人に話をきかせてくれた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | お爺さんとお婆さん,金持ち,貧乏,年越しもできない,火正月,褒美として良い物をあげる,大きな鍋に湯,薬,浴びなさい,若返った,炭と昆布 |
| 梗概(こうがい) | 昔、ある所にお爺さんとお婆さんがいらしたそうだ。そして、そこはとても金持ちで、もう一方のお爺さんとお婆さんは貧乏だった。それで、貧乏人の夫婦は「今日は何もなく、年越しもできないよ、どうするお祖母さん。」と言った。「何も準備してないのでしたら、じゃあお祖父さん、もう火を燃やして、火正月でもしよう。年忘れして、もう私達は火を燃やして年越しをしようね。」と。そうしている時に、ある人が降りていらっしゃって、「どうしてお婆さん、あなた達は今日はこのようにしているのですか。」と言った。「今日の正月は私達は何もありません。子供もなく、こうして火正月をしているのですよ。」と、言った。「ああ、そうか。それなら、今日は私があなた達に褒美として良い物をあげるから、私の言う通りにしなさいよ、じゃあ大きな鍋に湯を沸かしなさい。」と、湯を沸かさせて、それから薬を入れたらしい。「さあ、これに浴びなさい。」と浴びせると、その人達は六十余になられる人達なのに、もう四、五十代に若返ってしまった。「貴方のおかげで、私達は若返ることができました。」と。それから、「あなた達は今日の正月はどうなさるのですか。」と聞かれたので、「私達は何もないので、炭と昆布をこのように結んで、夫婦二人で正月を迎えようと思っているのですよ。」と言った。それからお爺さんが炭を、お婆さんが昆布を持って来た。それで結婚式とか何かの祝いのある時には、昔から昆布を使った。それは昆布を結び昆布ということで、夫婦で作り出したということで、そういうふうにするらしい。それからこの夫婦は、心ももう大変若くなったそうだ。『新(あら)たまる年(とぅし)に 炭(たん)とぅ昆布(くーぶ)飾(かじゃ)てぃ〈新しい年に 炭と昆布を飾って聴取 心(くくる)から姿(しがた)若くなゆさ〈心も体も若くなるよ聴取』と、夫婦二人で歌を作られたということでね。今につけて、その夫婦は、私達は昔はこのように貧乏人だったけど、そうだからと力を落とすんじゃないよ。後は良い事が来るからと。それで以前に歌も作られているという話ですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 1:10 |
| 物語の時間数 | 1:10 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |