産神問答(シマグチ)

概要

これは、姑から聞いた話だからね。漁師が満潮に浜で寝ていたらね、これは多分精霊か神様がおっしゃったかどうかは分からない。「二人の漁師の妻が妊娠したので、お互いに産まれた子供どちらが男であっても女であっても夫婦にしようね。」と話していたらしい。それで聞いていたら、「女の子が産まれると、ムヌイークラーということでとても秀才で徳のある子が産まれるよ。また男の子が産まれるとティールバーキーで何にもできない貧乏者が産まれるんだよ。」と話をした。そうしたら、この男の子を産んだお父さんは、「あれは、とても徳があって金持ちになるが、私が産んだ男の子はティールバーキーで何もできないということだが、相手もその話を聞いたんではないだろうな。」と思っていた。そして、「大きくなったら二人を夫婦にしようね。」という相談だったからね、その女を妻にしたら、女の徳でもって、この男は下男も使うほどの大変な大金持ちになった。そして年の晩になったら、「私達二人は、餅米御盆で年を越し、また下男達は硬い米で年越しさせなさい。」と、夫は自分の妻に言いつけた。しかし妻はとても良い人で下男達も同じように年越しをさせたいと思って、「ここは餅米だよ、ここは硬い米だよ。」と夫には見せて年を取らせた。そこで使われている下男達がね、「今日は金持ちの人達の心使いで餅米で年を取ったよ。」と言ったらね。それを夫が聞いて、「あんたは私が言ったとおりにはしないで、下男にも餅米をやったのか。」と、年の晩にその妻は妊娠しているのに家を追い出されてしまった。そしてもう行くあてもなく、山の方に登って行った。すると昔は炭焼きということで炭焼き窯があった。そこで炭焼きをしている男の人がいたので、その男の人の前に行った。女の人が行って見るともうその炭焼窯の周囲に立っている石もすべて宝物になってしまった。宝になったので、「これは、全部宝だから担ぎなさい。」と炭焼きの男の人に言ってね、担いで山を下りて行った。そして二人は一緒に生活するようになり、身ごもっている子供も産まれ、大変な大金持ちになった。また、このティールバーキという何もできない者は、貧乏人になって、乞食にまでおちぶれてしまった。そうしてある日そこに来たら、自分の前の夫だと分かるものだから、着る物や食べ物も持たせたら、「金持ちの奥様は変わっている。」と言いながらもそこに来たりしていた。その男は、乞食であって、その子供は自分の親とも知らないんだが、その人に抱かれたりしていた。すると、「私は乞食なんだよ。坊や、私には抱かれないでくれ。」と言っても子供は幾度も抱かれていた。後はその妻が、「この子はあなたが年の晩に私を追い出した時に、身ごもっていた子ですよ。」と言ったら、この乞食の男はどんなふうにして死んだかは分からないが、その場で死んでしまった。そして妻は死んだのは自分の前の夫だから、夫のいない間に庭を掘りそこに埋め、もう朝夕涙を流していた。その昔、菜種の木というのがあるでしょう、菜の葉よ。あれは毎日涙を落としたところから芽がでたので、菜種ではなくてなだみだという名前をつけたんだよと私達の姑達が話してくれた。

再生時間:5:08

民話詳細DATA

レコード番号 47O374119
CD番号 47O37C179
決定題名 産神問答(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 阿波根カメ
話者名かな あはごんかめ
生年月日 19960206
性別
出身地 読谷村都屋
記録日 19770223
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村都屋T02B05
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集12 親志の民話 P241
キーワード 漁師,満潮,浜で寝ていた,精霊,神様,二人の漁師の妻が妊娠,夫婦,女の子が産まれるとムヌイークラー,秀才で徳のある子,男の子が産まれるとティールバーキー,何にもできない貧乏者,女の徳,大金持ち,餅米御盆,年越し,下男達,硬い米,家を追い出された,山,炭焼き,石もすべて宝物,、貧乏人,乞食,自分の親,その場で死んだ,前の夫,朝夕涙を流した,菜種の木
梗概(こうがい) これは、姑から聞いた話だからね。漁師が満潮に浜で寝ていたらね、これは多分精霊か神様がおっしゃったかどうかは分からない。「二人の漁師の妻が妊娠したので、お互いに産まれた子供どちらが男であっても女であっても夫婦にしようね。」と話していたらしい。それで聞いていたら、「女の子が産まれると、ムヌイークラーということでとても秀才で徳のある子が産まれるよ。また男の子が産まれるとティールバーキーで何にもできない貧乏者が産まれるんだよ。」と話をした。そうしたら、この男の子を産んだお父さんは、「あれは、とても徳があって金持ちになるが、私が産んだ男の子はティールバーキーで何もできないということだが、相手もその話を聞いたんではないだろうな。」と思っていた。そして、「大きくなったら二人を夫婦にしようね。」という相談だったからね、その女を妻にしたら、女の徳でもって、この男は下男も使うほどの大変な大金持ちになった。そして年の晩になったら、「私達二人は、餅米御盆で年を越し、また下男達は硬い米で年越しさせなさい。」と、夫は自分の妻に言いつけた。しかし妻はとても良い人で下男達も同じように年越しをさせたいと思って、「ここは餅米だよ、ここは硬い米だよ。」と夫には見せて年を取らせた。そこで使われている下男達がね、「今日は金持ちの人達の心使いで餅米で年を取ったよ。」と言ったらね。それを夫が聞いて、「あんたは私が言ったとおりにはしないで、下男にも餅米をやったのか。」と、年の晩にその妻は妊娠しているのに家を追い出されてしまった。そしてもう行くあてもなく、山の方に登って行った。すると昔は炭焼きということで炭焼き窯があった。そこで炭焼きをしている男の人がいたので、その男の人の前に行った。女の人が行って見るともうその炭焼窯の周囲に立っている石もすべて宝物になってしまった。宝になったので、「これは、全部宝だから担ぎなさい。」と炭焼きの男の人に言ってね、担いで山を下りて行った。そして二人は一緒に生活するようになり、身ごもっている子供も産まれ、大変な大金持ちになった。また、このティールバーキという何もできない者は、貧乏人になって、乞食にまでおちぶれてしまった。そうしてある日そこに来たら、自分の前の夫だと分かるものだから、着る物や食べ物も持たせたら、「金持ちの奥様は変わっている。」と言いながらもそこに来たりしていた。その男は、乞食であって、その子供は自分の親とも知らないんだが、その人に抱かれたりしていた。すると、「私は乞食なんだよ。坊や、私には抱かれないでくれ。」と言っても子供は幾度も抱かれていた。後はその妻が、「この子はあなたが年の晩に私を追い出した時に、身ごもっていた子ですよ。」と言ったら、この乞食の男はどんなふうにして死んだかは分からないが、その場で死んでしまった。そして妻は死んだのは自分の前の夫だから、夫のいない間に庭を掘りそこに埋め、もう朝夕涙を流していた。その昔、菜種の木というのがあるでしょう、菜の葉よ。あれは毎日涙を落としたところから芽がでたので、菜種ではなくてなだみだという名前をつけたんだよと私達の姑達が話してくれた。
全体の記録時間数 5:08
物語の時間数 5:08
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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