
阿麻和利は七か月の未熟児で生まれたそうだ。それで七歳まで歩くこともできなかった。昔は薄情な世の中だったんでしょうね。親はこれが立派に成長することは出来ないと、山に捨てに行ったそうだよ。山に捨てられはしたものの七歳になっていたので、知恵はついていたらしく、七歳からは歯も生えているからね、這いずりまわりながら、サンチナの芋というのがあるでしょう、それは柔らかかったらしく、実をあさって食べて成長したという話だった。そして、後は蜜柑の木の下で寝そべったりしていたようだ。しかし、蜜柑はたわわに実っているのだが、体が弱いばかりに思うように取って食べることもできなかった。「ああ、ここにはこんなに蜜柑が実っているんだが、私の所に落ちるんだったら、たった一個でいいから食べてみたいものだ。」と足をトンとしたようだ。するとポンと蜜柑が落ちてきた。そうして、「これは食べてもよいということだな。」と。足をトンとたたいたおかげで、「こんな御馳走にもありつけた。」と言って食べた。そして蜘蛛は、あちこちに糸をかけながらするでしょう。「このような蜘蛛みたいな生物でも、こうして家を造るんだのに。」と思っていた。そういうふうにして、その蜘蛛を見て、網を作り出したら、近くに川があったようだね。魚が取れた。「ああ、これはもう食べるもんだね。」と、成長したので自分で食べ物を得るようになった。その後、成人したので護佐丸の娘を妻とした。すると、「勝連の按司が、今、悪いことを企んで戦を寄せてくるよ。注意しなさいよ。」と言った。護佐丸は、「勝連の按司がも悪いことを企むか。」と思っていた。そして、「人の手にかかって死ぬよりは自分で死んだ方がいい。」と言って、死んだそうだよ。
| レコード番号 | 47O373767 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C164 |
| 決定題名 | 阿麻和利(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 阿麻和利 |
| 話者名 | 比嘉カマド |
| 話者名かな | ひがかまど |
| 生年月日 | 19120524 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村楚辺 |
| 記録日 | 19890524 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村楚辺T15B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集11楚辺の民話 P189 |
| キーワード | 阿麻和利,七か月の未熟児,山に捨てた,知恵,サンチナの芋,蜜柑の木の下,蜘蛛,網,魚,護佐丸の娘を妻,勝連の按司 |
| 梗概(こうがい) | 阿麻和利は七か月の未熟児で生まれたそうだ。それで七歳まで歩くこともできなかった。昔は薄情な世の中だったんでしょうね。親はこれが立派に成長することは出来ないと、山に捨てに行ったそうだよ。山に捨てられはしたものの七歳になっていたので、知恵はついていたらしく、七歳からは歯も生えているからね、這いずりまわりながら、サンチナの芋というのがあるでしょう、それは柔らかかったらしく、実をあさって食べて成長したという話だった。そして、後は蜜柑の木の下で寝そべったりしていたようだ。しかし、蜜柑はたわわに実っているのだが、体が弱いばかりに思うように取って食べることもできなかった。「ああ、ここにはこんなに蜜柑が実っているんだが、私の所に落ちるんだったら、たった一個でいいから食べてみたいものだ。」と足をトンとしたようだ。するとポンと蜜柑が落ちてきた。そうして、「これは食べてもよいということだな。」と。足をトンとたたいたおかげで、「こんな御馳走にもありつけた。」と言って食べた。そして蜘蛛は、あちこちに糸をかけながらするでしょう。「このような蜘蛛みたいな生物でも、こうして家を造るんだのに。」と思っていた。そういうふうにして、その蜘蛛を見て、網を作り出したら、近くに川があったようだね。魚が取れた。「ああ、これはもう食べるもんだね。」と、成長したので自分で食べ物を得るようになった。その後、成人したので護佐丸の娘を妻とした。すると、「勝連の按司が、今、悪いことを企んで戦を寄せてくるよ。注意しなさいよ。」と言った。護佐丸は、「勝連の按司がも悪いことを企むか。」と思っていた。そして、「人の手にかかって死ぬよりは自分で死んだ方がいい。」と言って、死んだそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:50 |
| 物語の時間数 | 2:50 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |