
それはもうどういうことなのかはっきりは分からないが。キジムナー火というのは、私達も見たことがあった。製糖期になると、「あれはキジムナー火だよ。」と、よくキジムナー火が尾を引いて現れた。それはどこからどこまでというふうに、ちゃんとした道もあったよ。楚辺から見えるのは、だいたい楚辺のサーターヤー辺りから見ることが出来たが、ウルワシから出てミートゥジヌジに止まり、そこでは長いこと止まっていたよ。そこからは、もうどこにいったかは知らないがね。あれは本当にあったよ。キジムナー火というのは、今はないがね。昔の人の話によれば、当時は人間が少なくて勢力が弱かったので、昔のマジムンとかヤナムンに押されていたということである。しかし、その後人間の勢力が強くなって、そういうふうな化物もいなくなったという話。それはもうもっともだと思うよ。また昔は、死人と生きている人と相撲を取ったという話もあったよ。キジムナーというのはまた何かの精でもあったらしい。精があって勢力もあり、そのキジムナーと友達になると、毎日のように夜起こしに来て、海に連れて行ったそうだ。そしてある日、スビガニクで死人と生きている人が、盛んに相撲を取っていたそうだ。もう生きている人がは、相手が死人とは知らず、その人は相撲が好きだったのか、漁からの帰りに相撲を取っていた。そしてキジムナーが、「お前は、この人は生きている人間ではないが、お前と相撲を取っているのは死人だよ。早く家に帰りなさい。」と連れ帰り、キジムナーに助けられたという話を聞いた。キジムナーは、大変蛸を怖がっていた。毎日のように海に行き、魚は沢山取ってあげていたそうだ。しかし、その魚の目玉は全部なかったとのこと。キジムナーと一緒に行くと、魚の目玉は全部くり抜いて食べて、魚には目がなかったそうだよ。もう毎夜のように来たので、その人は後は飽きてしまった。そしてキジムナーは蛸を怖がると聞いていたので、蛸を門に飾ったらそれ以来来なくなったそうだ。「タクぬ手むっちゃからー。」というのは、その例えから出たそうだ。キジムナー返しだったって。また実際にあったよ、私達が子供の頃に。キジムナー返し、「タクぬ手むっちゃからー。」と言うと、逃げて行ったという話があったよ。
| レコード番号 | 47O373528 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C153 |
| 決定題名 | キジムナー(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | キジムナー |
| 話者名 | 照屋牛五郎 |
| 話者名かな | てるやうしごろう |
| 生年月日 | 18981204 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村楚辺 |
| 記録日 | 19770220 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村楚辺T06A12 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 祝いの座で親戚の老人から聞いた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | キジムナー火,製糖期,楚辺のサーターヤー辺り,ウルワシ,ミートゥジヌジ,マジムン,ヤナムン,死人と生きている人と相撲,精,友達,海,スビガニク,蛸 |
| 梗概(こうがい) | それはもうどういうことなのかはっきりは分からないが。キジムナー火というのは、私達も見たことがあった。製糖期になると、「あれはキジムナー火だよ。」と、よくキジムナー火が尾を引いて現れた。それはどこからどこまでというふうに、ちゃんとした道もあったよ。楚辺から見えるのは、だいたい楚辺のサーターヤー辺りから見ることが出来たが、ウルワシから出てミートゥジヌジに止まり、そこでは長いこと止まっていたよ。そこからは、もうどこにいったかは知らないがね。あれは本当にあったよ。キジムナー火というのは、今はないがね。昔の人の話によれば、当時は人間が少なくて勢力が弱かったので、昔のマジムンとかヤナムンに押されていたということである。しかし、その後人間の勢力が強くなって、そういうふうな化物もいなくなったという話。それはもうもっともだと思うよ。また昔は、死人と生きている人と相撲を取ったという話もあったよ。キジムナーというのはまた何かの精でもあったらしい。精があって勢力もあり、そのキジムナーと友達になると、毎日のように夜起こしに来て、海に連れて行ったそうだ。そしてある日、スビガニクで死人と生きている人が、盛んに相撲を取っていたそうだ。もう生きている人がは、相手が死人とは知らず、その人は相撲が好きだったのか、漁からの帰りに相撲を取っていた。そしてキジムナーが、「お前は、この人は生きている人間ではないが、お前と相撲を取っているのは死人だよ。早く家に帰りなさい。」と連れ帰り、キジムナーに助けられたという話を聞いた。キジムナーは、大変蛸を怖がっていた。毎日のように海に行き、魚は沢山取ってあげていたそうだ。しかし、その魚の目玉は全部なかったとのこと。キジムナーと一緒に行くと、魚の目玉は全部くり抜いて食べて、魚には目がなかったそうだよ。もう毎夜のように来たので、その人は後は飽きてしまった。そしてキジムナーは蛸を怖がると聞いていたので、蛸を門に飾ったらそれ以来来なくなったそうだ。「タクぬ手むっちゃからー。」というのは、その例えから出たそうだ。キジムナー返しだったって。また実際にあったよ、私達が子供の頃に。キジムナー返し、「タクぬ手むっちゃからー。」と言うと、逃げて行ったという話があったよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:12 |
| 物語の時間数 | 4:10 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |