
山田にこんな話があるわけさ、牛をながく飼(やしな)ってさー、その牛が物を言うたと。そしてその牛は、もう売ろうとしても買い手がいない。それだから、主も困ってしまって、山にもっていってつないだわけ。つないだから、そこにはまた草刈(くさか)やーが行ったわけだな。行ったからその牛が物を言うたわけ、「こっち来なさい。」と言って。「私を家(うち)まで連れて行ってくれ。」ということで、びっくりしてその人は、その山田の牛主(うしぬーし)に話したわけ。主(ぬーし)はもうとうとう困って、またその牛取りに行ったわけ。それからその牛が言うに、「もう私は長く生きているから、この私を殺してカンカー(注)して、そして骨をあっちこっち、こんな部落の入り口にかけておきなさい。」ということ。そうすればもー、悪い神、入ってこないという話だな。それがカンカーの始まりさ。カンカー牛といってあるよね。その牛を殺してカンカーしたから、カンカーの始まりは、山田から始まったという話だな。カンカーは旧の十一月、シムチチカンカーといって、こっちでも今は、字(あざ)の役目でやっているよ。拝所拝所でね。部落でカンカーということ。昔(んかし)は子供全部集まってさ、肉これだけつくって食べよった。今はそんなことない。昔はもうこのぐらいの肉ぐゎーでも珍しいから。今はぜいたくだからそんな物(もん)食べには行かんさ。小さい時、よくカンカーに行ったよ。それから魔除けということだな。それから昔から、動物は、長らく飼(やしな)ってはいけないという話があるわけ。長らく飼(やしな)っている牛はね、これやがて、物言いんどーといって話があったわけだな。
| レコード番号 | 47O373303 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C144 |
| 決定題名 | もの言う牛(シマグチ混) |
| 話者がつけた題名 | 生き物は長く飼うものではない |
| 話者名 | 比嘉利吉 |
| 話者名かな | ひがりきち |
| 生年月日 | 19081220 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19880420 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T12B12 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 11 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集9座喜味の民話 P200 |
| キーワード | 山田,牛が物を言う,買い手がいない,山,草刈やー,カンカー,骨,部落のあちこちに下げる |
| 梗概(こうがい) | 山田にこんな話があるわけさ、牛をながく飼(やしな)ってさー、その牛が物を言うたと。そしてその牛は、もう売ろうとしても買い手がいない。それだから、主も困ってしまって、山にもっていってつないだわけ。つないだから、そこにはまた草刈(くさか)やーが行ったわけだな。行ったからその牛が物を言うたわけ、「こっち来なさい。」と言って。「私を家(うち)まで連れて行ってくれ。」ということで、びっくりしてその人は、その山田の牛主(うしぬーし)に話したわけ。主(ぬーし)はもうとうとう困って、またその牛取りに行ったわけ。それからその牛が言うに、「もう私は長く生きているから、この私を殺してカンカー(注)して、そして骨をあっちこっち、こんな部落の入り口にかけておきなさい。」ということ。そうすればもー、悪い神、入ってこないという話だな。それがカンカーの始まりさ。カンカー牛といってあるよね。その牛を殺してカンカーしたから、カンカーの始まりは、山田から始まったという話だな。カンカーは旧の十一月、シムチチカンカーといって、こっちでも今は、字(あざ)の役目でやっているよ。拝所拝所でね。部落でカンカーということ。昔(んかし)は子供全部集まってさ、肉これだけつくって食べよった。今はそんなことない。昔はもうこのぐらいの肉ぐゎーでも珍しいから。今はぜいたくだからそんな物(もん)食べには行かんさ。小さい時、よくカンカーに行ったよ。それから魔除けということだな。それから昔から、動物は、長らく飼(やしな)ってはいけないという話があるわけ。長らく飼(やしな)っている牛はね、これやがて、物言いんどーといって話があったわけだな。 |
| 全体の記録時間数 | 3:17 |
| 物語の時間数 | 3:16 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |