
この話はね、昔、継子をひどくいじめる継母がいたそうだ。この話も聞かされたんだがね。自分が生んだ子でないのは、よけいに立派に育てないといけないさあね。それが手本となって、自分には子供もできるんだからね。どうしてそういうふうにしたんでしょうねと、聞いてみた。この話は継母が肺病になったことから始まった。病気になったからね、冬の山に、雪の降る寒い日の話であるから内地でのことだったんでしょうね。雪も降るというのに、「竹の子を取ってきて食べないと、私の病気は治らないよ。」と、また竹の子と犬の肝もいっしょであったそうだ。「犬の肝と竹の子といっしょに食べないと(私の病気は)治らない。」と、その継母は言った。今日は行くか明日は行くかと、棒を持ってたたいたりしたからね。後は雪も降っているんだが、泣きながら出て行った。もう一日であったか二日であったか、ずっと歩いて捜したんだが見つけることはできなかった。私にはもう捜すことができません。どうぞ許して下さいと、頭を下げているんだが許してもらえなかった。「お前はこの私が大切ではないのか。私を死なせるつもりか。」と、怒ってしまった。じゃあそれなら翌日はまた麦を搗きなさいと。〈あんた達も分かるか、いな麦ではなくてね、このように包まれている麦があるさあ、大麦といってね。私達はこのようにしてよくつくって、よくこれを搗いた正月には麦飯をよく食べたよ。〉その十歳ぐらいになった女の子にこの麦を搗かせたからね。アジンというの分かるでしょう。中のあたりがくぼんでいるものね。こういうふうにして臼で搗きよったよ。もう力はなくてガッパーはうてなくてね。ガッパーというのはまた、このようにしてうったんだがね。もうわざと意地悪をしていじめている人だからね。継母が、本当は水を入れて搗くんだが、水を入れずに搗かしたようだ。力がなくなるくらいに搗かそうといういじめであるんだから。だから、もうどんなに搗いても、この麦の皮はむくことができなかった。しまいにはもう、継母を恨んで泣いてね。泣きながらこんこんと搗いていた。すると、この麦は皮がむけて、あゝ麦は水を入れて搗くもんだねと分かった。そういうふうにして、水を入れて搗くということが分かった。この継子の涙で、そういうことが分かったんだがね。(継母は)これでもいけないと、また翌日も竹の子取りに行かせたという、伝え話があった。
| レコード番号 | 47O373213 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C140 |
| 決定題名 | 継子の竹の子取り(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 當山ハツ |
| 話者名かな | とうやまはつ |
| 生年月日 | 19060510 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19880317 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T10A08 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P155 |
| キーワード | 継子,いじめる継母,肺病,雪の降る寒い日,竹の子,犬の肝,麦,意地悪,水,皮,泣いた,涙 |
| 梗概(こうがい) | この話はね、昔、継子をひどくいじめる継母がいたそうだ。この話も聞かされたんだがね。自分が生んだ子でないのは、よけいに立派に育てないといけないさあね。それが手本となって、自分には子供もできるんだからね。どうしてそういうふうにしたんでしょうねと、聞いてみた。この話は継母が肺病になったことから始まった。病気になったからね、冬の山に、雪の降る寒い日の話であるから内地でのことだったんでしょうね。雪も降るというのに、「竹の子を取ってきて食べないと、私の病気は治らないよ。」と、また竹の子と犬の肝もいっしょであったそうだ。「犬の肝と竹の子といっしょに食べないと(私の病気は)治らない。」と、その継母は言った。今日は行くか明日は行くかと、棒を持ってたたいたりしたからね。後は雪も降っているんだが、泣きながら出て行った。もう一日であったか二日であったか、ずっと歩いて捜したんだが見つけることはできなかった。私にはもう捜すことができません。どうぞ許して下さいと、頭を下げているんだが許してもらえなかった。「お前はこの私が大切ではないのか。私を死なせるつもりか。」と、怒ってしまった。じゃあそれなら翌日はまた麦を搗きなさいと。〈あんた達も分かるか、いな麦ではなくてね、このように包まれている麦があるさあ、大麦といってね。私達はこのようにしてよくつくって、よくこれを搗いた正月には麦飯をよく食べたよ。〉その十歳ぐらいになった女の子にこの麦を搗かせたからね。アジンというの分かるでしょう。中のあたりがくぼんでいるものね。こういうふうにして臼で搗きよったよ。もう力はなくてガッパーはうてなくてね。ガッパーというのはまた、このようにしてうったんだがね。もうわざと意地悪をしていじめている人だからね。継母が、本当は水を入れて搗くんだが、水を入れずに搗かしたようだ。力がなくなるくらいに搗かそうといういじめであるんだから。だから、もうどんなに搗いても、この麦の皮はむくことができなかった。しまいにはもう、継母を恨んで泣いてね。泣きながらこんこんと搗いていた。すると、この麦は皮がむけて、あゝ麦は水を入れて搗くもんだねと分かった。そういうふうにして、水を入れて搗くということが分かった。この継子の涙で、そういうことが分かったんだがね。(継母は)これでもいけないと、また翌日も竹の子取りに行かせたという、伝え話があった。 |
| 全体の記録時間数 | 3:56 |
| 物語の時間数 | 3:56 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |