
昔、首里勤めをしている、金武の松金という有名な方がいた。この方は確かにいたと思うよ。はっきり
と金武の松金ということで有名だからね。芝居にもあるんだから。この人が首里に勤めている場合に、首里から金武の本宅に帰って行く場合に、昔は首里から金武まで行くにも泊ったというからね。道中でね。そうして首里からゆっくりと家に向かって来る時に、浦添で道連れができたようである。「貴方はどこにですか。」と言ったからね、「私は金武に。」と答えた。そうして(反対に)「貴方はどこにですか。」と「私も金武にです。」ということであった。「よし、それなら同じ金武なら一緒に行きましょうね。」と。金武の松金という方は、有名な代々の武士でもあれば、学者でもあるし、もう美男子でもあったようだ。そしてみんなにも親われているんだからね。この旅人も「貴方と道連れになって光栄です。」と言ったからね。「私ももう金武まで来て、(一人で)寂しかったけどちょうどよかったよ。」と。そうしてこの読谷の伊良皆には、あの当時宿屋があった。伊良皆で休憩して、泊ったようだ。そこに泊ったんだが、もうこの松金がは分からなかったようだ。この一緒に道連れにしている人が、幽霊マジムンであるという事は分からなかったようである。本当のところ、この幽霊ムジムンは天からの使いであった。金武の松金みたいないい人は、この世でも必要であるが、天にとってもいい人は必要であった。だからもう金武の松金は、この世でも宝であるが、これは是非後生に取って、後生で使わないといけないということであった。天からの命令で、この幽霊マジムンは使いであったようだが。そうして伊良皆まで来て、一緒に泊って。そこでは金武の松金は(この道連れの人を)もてなして、夕飯も御馳走して、またいろいろと待遇をよくするようにと、宿屋の人に言いつけた。「私の旅の道連れであるが、この人には食事もおいしいのを食べさせてくれ。また夜のかぶる物もちゃんとサービスしてくれ。」と。いろいろともてなしたようだ。そうして翌日は朝起きして、この伊良皆の宿屋を出発しようとする時に、そこの宿屋の主が「松金ウンメーよ、貴方の連れは私達が見たら普通の人ではないですよ。貴方はどのように見ているんですか。」「どうしてあなた達はそう言うのか、私は(ちゃんとした)人間であるということできのう友達になって、金武まで一緒に行くつもりだよ。」「違いますよ、この人はただの人ではない。この人が召しあがった食事は、この人の前から下げる時は空であるんだが、台所に持っていって見るとそのまま手をつけてないよ。」と。「ああそうか、何でもいいよ。」と。そうしてから朝早く起きて、金武に向かって金武の入り口に来たからね。金武の村に着いたからね。このマジムンは白状したようだ。「ハイサイ松金、実は私はただの人ではない。(私は)浦添ユードゥリから出てきて、貴方を天で使うために貴方の命を取りに来たのです。貴方の命を取りに来たのです。貴方はこの世でも大変あがめられているということですが、天でも貴方が必要ですので、天に案内して連れて行くつもりです。貴方の命を取って来なさいということで、私は天からの使いとして来ているんです。」「ああ、そうか。」と。この松金という人は徳のある人なので、ちっとも驚かなかったようだ。「ああそうですか。これは私を望んで天からの使いであるなら、もうこれはどうしましょうか。私はあきらめないといけないのでしょうか。」「違いますよ、まず待って下さい。私も今日貴方に会って、貴方に情もかけてもらった。私は天からの使いであっても、貴方の命を取ることはできない。これはもう気の毒ではあるんだが、是非別の人と、金武の村に貴方より先に行って、是非貴方の同年生を選ばないといけない。」と。そうして、今まで元気だった人が、突然亡くなったようだ。幽霊マジムンにいわすれば、命を取ったということである。それでその日は、ちょうど荼毘が行なわれていたようだ。そういうことからこの沖縄では、同年生が亡くなっても、なるべく荼毘には行くなということである。それからの由来だそうだ。
| レコード番号 | 47O373197 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C138 |
| 決定題名 | 友人の荼毘には行くな(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 友人の荼毘には行くな |
| 話者名 | 照屋寛良 |
| 話者名かな | てるやかんりょう |
| 生年月日 | 19080510 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19770816 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T08B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 80 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P263 |
| キーワード | 昔、首里勤めをしている、金武の松金という有名な方がいた。この方は確かにいたと思うよ。はっきり と金武の松金ということで有名だからね。芝居にもあるんだから。この人が首里に勤めている場合に、首里から金武の本宅に帰って行く場合に、昔は首里から金武まで行くにも泊ったというからね。道中でね。そうして首里からゆっくりと家に向かって来る時に、浦添で道連れができたようである。「貴方はどこにですか。」と言ったからね、「私は金武に。」と答えた。そうして(反対に)「貴方はどこにですか。」と「私も金武にです。」ということであった。「よし、それなら同じ金武なら一緒に行きましょうね。」と。金武の松金という方は、有名な代々の武士でもあれば、学者でもあるし、もう美男子でもあったようだ。そしてみんなにも親われているんだからね。この旅人も「貴方と道連れになって光栄です。」と言ったからね。「私ももう金武まで来て、(一人で)寂しかったけどちょうどよかったよ。」と。そうしてこの読谷の伊良皆には、あの当時宿屋があった。伊良皆で休憩して、泊ったようだ。そこに泊ったんだが、もうこの松金がは分からなかったようだ。この一緒に道連れにしている人が、幽霊マジムンであるという事は分からなかったようである。本当のところ、この幽霊ムジムンは天からの使いであった。金武の松金みたいないい人は、この世でも必要であるが、天にとってもいい人は必要であった。だからもう金武の松金は、この世でも宝であるが、これは是非後生に取って、後生で使わないといけないということであった。天からの命令で、この幽霊マジムンは使いであったようだが。そうして伊良皆まで来て、一緒に泊って。そこでは金武の松金は(この道連れの人を)もてなして、夕飯も御馳走して、またいろいろと待遇をよくするようにと、宿屋の人に言いつけた。「私の旅の道連れであるが、この人には食事もおいしいのを食べさせてくれ。また夜のかぶる物もちゃんとサービスしてくれ。」と。いろいろともてなしたようだ。そうして翌日は朝起きして、この伊良皆の宿屋を出発しようとする時に、そこの宿屋の主が「松金ウンメーよ、貴方の連れは私達が見たら普通の人ではないですよ。貴方はどのように見ているんですか。」「どうしてあなた達はそう言うのか、私は(ちゃんとした)人間であるということできのう友達になって、金武まで一緒に行くつもりだよ。」「違いますよ、この人はただの人ではない。この人が召しあがった食事は、この人の前から下げる時は空であるんだが、台所に持っていって見るとそのまま手をつけてないよ。」と。「ああそうか、何でもいいよ。」と。そうしてから朝早く起きて、金武に向かって金武の入り口に来たからね。金武の村に着いたからね。このマジムンは白状したようだ。「ハイサイ松金、実は私はただの人ではない。(私は)浦添ユードゥリから出てきて、貴方を天で使うために貴方の命を取りに来たのです。貴方の命を取りに来たのです。貴方はこの世でも大変あがめられているということですが、天でも貴方が必要ですので、天に案内して連れて行くつもりです。貴方の命を取って来なさいということで、私は天からの使いとして来ているんです。」「ああ、そうか。」と。この松金という人は徳のある人なので、ちっとも驚かなかったようだ。「ああそうですか。これは私を望んで天からの使いであるなら、もうこれはどうしましょうか。私はあきらめないといけないのでしょうか。」「違いますよ、まず待って下さい。私も今日貴方に会って、貴方に情もかけてもらった。私は天からの使いであっても、貴方の命を取ることはできない。これはもう気の毒ではあるんだが、是非別の人と、金武の村に貴方より先に行って、是非貴方の同年生を選ばないといけない。」と。そうして、今まで元気だった人が、突然亡くなったようだ。幽霊マジムンにいわすれば、命を取ったということである。それでその日は、ちょうど荼毘が行なわれていたようだ。そういうことからこの沖縄では、同年生が亡くなっても、なるべく荼毘には行くなということである。それからの由来だそうだ。 |
| 梗概(こうがい) | 昔、首里勤めをしている、金武の松金という有名な方がいた。この方は確かにいたと思うよ。はっきり と金武の松金ということで有名だからね。芝居にもあるんだから。この人が首里に勤めている場合に、首里から金武の本宅に帰って行く場合に、昔は首里から金武まで行くにも泊ったというからね。道中でね。そうして首里からゆっくりと家に向かって来る時に、浦添で道連れができたようである。「貴方はどこにですか。」と言ったからね、「私は金武に。」と答えた。そうして(反対に)「貴方はどこにですか。」と「私も金武にです。」ということであった。「よし、それなら同じ金武なら一緒に行きましょうね。」と。金武の松金という方は、有名な代々の武士でもあれば、学者でもあるし、もう美男子でもあったようだ。そしてみんなにも親われているんだからね。この旅人も「貴方と道連れになって光栄です。」と言ったからね。「私ももう金武まで来て、(一人で)寂しかったけどちょうどよかったよ。」と。そうしてこの読谷の伊良皆には、あの当時宿屋があった。伊良皆で休憩して、泊ったようだ。そこに泊ったんだが、もうこの松金がは分からなかったようだ。この一緒に道連れにしている人が、幽霊マジムンであるという事は分からなかったようである。本当のところ、この幽霊ムジムンは天からの使いであった。金武の松金みたいないい人は、この世でも必要であるが、天にとってもいい人は必要であった。だからもう金武の松金は、この世でも宝であるが、これは是非後生に取って、後生で使わないといけないということであった。天からの命令で、この幽霊マジムンは使いであったようだが。そうして伊良皆まで来て、一緒に泊って。そこでは金武の松金は(この道連れの人を)もてなして、夕飯も御馳走して、またいろいろと待遇をよくするようにと、宿屋の人に言いつけた。「私の旅の道連れであるが、この人には食事もおいしいのを食べさせてくれ。また夜のかぶる物もちゃんとサービスしてくれ。」と。いろいろともてなしたようだ。そうして翌日は朝起きして、この伊良皆の宿屋を出発しようとする時に、そこの宿屋の主が「松金ウンメーよ、貴方の連れは私達が見たら普通の人ではないですよ。貴方はどのように見ているんですか。」「どうしてあなた達はそう言うのか、私は(ちゃんとした)人間であるということできのう友達になって、金武まで一緒に行くつもりだよ。」「違いますよ、この人はただの人ではない。この人が召しあがった食事は、この人の前から下げる時は空であるんだが、台所に持っていって見るとそのまま手をつけてないよ。」と。「ああそうか、何でもいいよ。」と。そうしてから朝早く起きて、金武に向かって金武の入り口に来たからね。金武の村に着いたからね。このマジムンは白状したようだ。「ハイサイ松金、実は私はただの人ではない。(私は)浦添ユードゥリから出てきて、貴方を天で使うために貴方の命を取りに来たのです。貴方の命を取りに来たのです。貴方はこの世でも大変あがめられているということですが、天でも貴方が必要ですので、天に案内して連れて行くつもりです。貴方の命を取って来なさいということで、私は天からの使いとして来ているんです。」「ああ、そうか。」と。この松金という人は徳のある人なので、ちっとも驚かなかったようだ。「ああそうですか。これは私を望んで天からの使いであるなら、もうこれはどうしましょうか。私はあきらめないといけないのでしょうか。」「違いますよ、まず待って下さい。私も今日貴方に会って、貴方に情もかけてもらった。私は天からの使いであっても、貴方の命を取ることはできない。これはもう気の毒ではあるんだが、是非別の人と、金武の村に貴方より先に行って、是非貴方の同年生を選ばないといけない。」と。そうして、今まで元気だった人が、突然亡くなったようだ。幽霊マジムンにいわすれば、命を取ったということである。それでその日は、ちょうど荼毘が行なわれていたようだ。そういうことからこの沖縄では、同年生が亡くなっても、なるべく荼毘には行くなということである。それからの由来だそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:15 |
| 物語の時間数 | 5:15 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |