
海の潮は、こんなに雨も降って水は流れて海へ行くが、この海の潮はどうして甘くもならず、いつも同
じ調子に辛いのだろうか海の潮は、その理由。あるところに、兄と弟、兄弟二人が貧しい生活をしていた。そして、正月にもどのように食べようかというぐらいに、正月になっても金もない、何もない、そのときに、兄さんと弟といっしょに正月するつもりでいたがもう二人が正月に食べるのもないから、兄さんが弟を追い出してしまった。弟はまた泣く泣くに家を出て、そして、正月だからといって、まあどこかに行って、何か探しに行ったんでしょう。そして、この海渡り、海を渡って行くんだから、舟から、天馬舟から、海を渡って行く。そして、あるところに行ってみると、まあみすぼらしい老人が現われてきて、「どうした!青年よ、きょうは正月だのに、このように歩いているのか。」、「もう正月に食べるのもひとつもない。もうどこか、すこしは歩いて、黄金でも、お金でもないかなあとさがしているんだがね。」と言った。「あゝそうか、そうだからと簡単にお金が見つかるわけがない。」と、そのみすぼらしいおじいさんは言った。そのおじいさんは、「では、私がいいことを教えるから、この臼、石臼があるから、これを持っていって、『何か出れ、お金出れ、エンヤラゴロゴロ、お肉出れ、エンヤラゴロゴロ』と言ったらこれが出てくるから、食べる分出しなさい。食べきれないほどそこに出したらよくないので、『それでよろしい、エンヤラゴロゴロ』といってきりなさい。」と言った。そのときはごちそうは出てこない。そうして、弟は家に帰ってりっぱに正月を迎えた。兄さんが、この精神の、心の悪い兄さんがこれを聞いて、「お前は、これをどこからどのようにして探してきたのか。」と言った。弟は、「もうこうこうで、みすぼらしいこじきのようなおじいさんが、そのおじいさんが、その臼をくれて、臼をくれたからそうなっているんだよ。」と言った。それからまた兄さんは、悪欲の兄さんは、それを聞いて、「そうか。」と言って、これ何でも呼んだら出ますと言っておるもんだから、兄さんは、またこの臼を盗んで持っていく、これが、いわゆる島渡りであるものだから舟で持っていく。そのときに舟で出て行くときに、塩を、すこし塩をなめてみたかったので、まず、塩を出してみようと言って、海を舟で渡りながら塩を請求した。それに向かって、「お塩出なさい、エンヤラゴロゴロ。」と言って、そうすると、塩がたくさん出た。しかし、兄さんは盗んできたもんだから、止めることは知らない、それで、塩はずっと出っぱなし、しまいにはこの舟いっぱいになってね。もっと出る、もっと出るから、舟はそれだけは入らないでしょう。あとは、兄さんもろとも舟で沈んでしまった。その臼を止める人はいない。ずっと回っているので、海の潮はずっと辛い、そんな話です。これでおしまい。
| レコード番号 | 47O373159 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C136 |
| 決定題名 | 塩吹き臼(シマグチ混) |
| 話者がつけた題名 | 塩吹き臼 |
| 話者名 | 島袋亀次郎 |
| 話者名かな | しまぶくろかめじろう |
| 生年月日 | 18950129 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19770816 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T06B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P59 |
| キーワード | 海の潮は、こんなに雨も降って水は流れて海へ行くが、この海の潮はどうして甘くもならず、いつも同 じ調子に辛いのだろうか海の潮は、その理由。あるところに、兄と弟、兄弟二人が貧しい生活をしていた。そして、正月にもどのように食べようかというぐらいに、正月になっても金もない、何もない、そのときに、兄さんと弟といっしょに正月するつもりでいたがもう二人が正月に食べるのもないから、兄さんが弟を追い出してしまった。弟はまた泣く泣くに家を出て、そして、正月だからといって、まあどこかに行って、何か探しに行ったんでしょう。そして、この海渡り、海を渡って行くんだから、舟から、天馬舟から、海を渡って行く。そして、あるところに行ってみると、まあみすぼらしい老人が現われてきて、「どうした!青年よ、きょうは正月だのに、このように歩いているのか。」、「もう正月に食べるのもひとつもない。もうどこか、すこしは歩いて、黄金でも、お金でもないかなあとさがしているんだがね。」と言った。「あゝそうか、そうだからと簡単にお金が見つかるわけがない。」と、そのみすぼらしいおじいさんは言った。そのおじいさんは、「では、私がいいことを教えるから、この臼、石臼があるから、これを持っていって、『何か出れ、お金出れ、エンヤラゴロゴロ、お肉出れ、エンヤラゴロゴロ』と言ったらこれが出てくるから、食べる分出しなさい。食べきれないほどそこに出したらよくないので、『それでよろしい、エンヤラゴロゴロ』といってきりなさい。」と言った。そのときはごちそうは出てこない。そうして、弟は家に帰ってりっぱに正月を迎えた。兄さんが、この精神の、心の悪い兄さんがこれを聞いて、「お前は、これをどこからどのようにして探してきたのか。」と言った。弟は、「もうこうこうで、みすぼらしいこじきのようなおじいさんが、そのおじいさんが、その臼をくれて、臼をくれたからそうなっているんだよ。」と言った。それからまた兄さんは、悪欲の兄さんは、それを聞いて、「そうか。」と言って、これ何でも呼んだら出ますと言っておるもんだから、兄さんは、またこの臼を盗んで持っていく、これが、いわゆる島渡りであるものだから舟で持っていく。そのときに舟で出て行くときに、塩を、すこし塩をなめてみたかったので、まず、塩を出してみようと言って、海を舟で渡りながら塩を請求した。それに向かって、「お塩出なさい、エンヤラゴロゴロ。」と言って、そうすると、塩がたくさん出た。しかし、兄さんは盗んできたもんだから、止めることは知らない、それで、塩はずっと出っぱなし、しまいにはこの舟いっぱいになってね。もっと出る、もっと出るから、舟はそれだけは入らないでしょう。あとは、兄さんもろとも舟で沈んでしまった。その臼を止める人はいない。ずっと回っているので、海の潮はずっと辛い、そんな話です。これでおしまい。 |
| 梗概(こうがい) | 海の潮は、こんなに雨も降って水は流れて海へ行くが、この海の潮はどうして甘くもならず、いつも同 じ調子に辛いのだろうか海の潮は、その理由。あるところに、兄と弟、兄弟二人が貧しい生活をしていた。そして、正月にもどのように食べようかというぐらいに、正月になっても金もない、何もない、そのときに、兄さんと弟といっしょに正月するつもりでいたがもう二人が正月に食べるのもないから、兄さんが弟を追い出してしまった。弟はまた泣く泣くに家を出て、そして、正月だからといって、まあどこかに行って、何か探しに行ったんでしょう。そして、この海渡り、海を渡って行くんだから、舟から、天馬舟から、海を渡って行く。そして、あるところに行ってみると、まあみすぼらしい老人が現われてきて、「どうした!青年よ、きょうは正月だのに、このように歩いているのか。」、「もう正月に食べるのもひとつもない。もうどこか、すこしは歩いて、黄金でも、お金でもないかなあとさがしているんだがね。」と言った。「あゝそうか、そうだからと簡単にお金が見つかるわけがない。」と、そのみすぼらしいおじいさんは言った。そのおじいさんは、「では、私がいいことを教えるから、この臼、石臼があるから、これを持っていって、『何か出れ、お金出れ、エンヤラゴロゴロ、お肉出れ、エンヤラゴロゴロ』と言ったらこれが出てくるから、食べる分出しなさい。食べきれないほどそこに出したらよくないので、『それでよろしい、エンヤラゴロゴロ』といってきりなさい。」と言った。そのときはごちそうは出てこない。そうして、弟は家に帰ってりっぱに正月を迎えた。兄さんが、この精神の、心の悪い兄さんがこれを聞いて、「お前は、これをどこからどのようにして探してきたのか。」と言った。弟は、「もうこうこうで、みすぼらしいこじきのようなおじいさんが、そのおじいさんが、その臼をくれて、臼をくれたからそうなっているんだよ。」と言った。それからまた兄さんは、悪欲の兄さんは、それを聞いて、「そうか。」と言って、これ何でも呼んだら出ますと言っておるもんだから、兄さんは、またこの臼を盗んで持っていく、これが、いわゆる島渡りであるものだから舟で持っていく。そのときに舟で出て行くときに、塩を、すこし塩をなめてみたかったので、まず、塩を出してみようと言って、海を舟で渡りながら塩を請求した。それに向かって、「お塩出なさい、エンヤラゴロゴロ。」と言って、そうすると、塩がたくさん出た。しかし、兄さんは盗んできたもんだから、止めることは知らない、それで、塩はずっと出っぱなし、しまいにはこの舟いっぱいになってね。もっと出る、もっと出るから、舟はそれだけは入らないでしょう。あとは、兄さんもろとも舟で沈んでしまった。その臼を止める人はいない。ずっと回っているので、海の潮はずっと辛い、そんな話です。これでおしまい。 |
| 全体の記録時間数 | 7:29 |
| 物語の時間数 | 7:29 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |