
ある年寄りが、馬喰のために田舎をまわっていたようだ。それで(途中、ある人の)家の後にまわってみたら、木が切られていた。そうしているうちに、そこの家族の(一人が)急に腹痛を訴えた。その人は知恵を出して、「あなたたちは、家の後の木を切ったから、これは木の精のたたりだよ。急いで豚を出してつぶしなさい。豚の頭を飾らないと治らないよ。」と言った。豚の頭、豚を出して、つぶして、頭を飾っても治るわけがないさあね。しかし、この人は感のいい人であったのでね。昔の沖縄の人は、いつも汚れていて汗をかいていたので、脇や股の垢をこすって、ひねって(丸めて)たくさん作った。「さあ、これを飲ますと治るよ。」と、その丸めた垢にぬるま湯をかけて、ブクブクしているのを飲ますと、全部吐き出してしまった。体の毒はね。そして、すぐに腹痛は止まって、そのときから、沖縄には脇薬、丸薬という言葉が出たそうだ。脇薬、丸薬というのは、今でもだいたいの人には効くそうだよ。それから、まな板の垢、古いまな板の垢、今はまな板は、いつもせっけんかけて、洗剤で洗っているので、まな板の垢はないが、昔のまな板は包丁でこすると、あっという間にそら豆の固まりほども垢が出たよ。あれは脇薬、丸薬ほどは効かないが、そのまな板の垢はニコリンを飲んでいても完全に命を取り止めることができるよ。これが脇薬、丸薬のいわれである。さあ、これもそれだけ。
| レコード番号 | 47O373082 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C133 |
| 決定題名 | 垢湯は服薬(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 人間の垢は毒返し |
| 話者名 | 照屋寛良 |
| 話者名かな | てるやかんりょう |
| 生年月日 | 19080510 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19770227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T04B07 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 夕食後に祖父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P87 |
| キーワード | 年寄り,馬喰,田舎を,木が切られていた,腹痛,知恵を,木の精のたたり,豚の頭,汗,脇や股の垢,丸めた垢にぬるま湯,全部吐き出した,脇薬,丸薬,まな板の垢 |
| 梗概(こうがい) | ある年寄りが、馬喰のために田舎をまわっていたようだ。それで(途中、ある人の)家の後にまわってみたら、木が切られていた。そうしているうちに、そこの家族の(一人が)急に腹痛を訴えた。その人は知恵を出して、「あなたたちは、家の後の木を切ったから、これは木の精のたたりだよ。急いで豚を出してつぶしなさい。豚の頭を飾らないと治らないよ。」と言った。豚の頭、豚を出して、つぶして、頭を飾っても治るわけがないさあね。しかし、この人は感のいい人であったのでね。昔の沖縄の人は、いつも汚れていて汗をかいていたので、脇や股の垢をこすって、ひねって(丸めて)たくさん作った。「さあ、これを飲ますと治るよ。」と、その丸めた垢にぬるま湯をかけて、ブクブクしているのを飲ますと、全部吐き出してしまった。体の毒はね。そして、すぐに腹痛は止まって、そのときから、沖縄には脇薬、丸薬という言葉が出たそうだ。脇薬、丸薬というのは、今でもだいたいの人には効くそうだよ。それから、まな板の垢、古いまな板の垢、今はまな板は、いつもせっけんかけて、洗剤で洗っているので、まな板の垢はないが、昔のまな板は包丁でこすると、あっという間にそら豆の固まりほども垢が出たよ。あれは脇薬、丸薬ほどは効かないが、そのまな板の垢はニコリンを飲んでいても完全に命を取り止めることができるよ。これが脇薬、丸薬のいわれである。さあ、これもそれだけ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:01 |
| 物語の時間数 | 2:01 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |