
名護の親方は、大変おとなしい方であったそうだよ。その方は家を新築することになり、大工を頼んで造ることになった。(家を造って大工が出た時は)お茶も出して茶請けもでるでしょう。朝のお系とか、十時にはお茶や茶請けもでるさーね。そんな茶請けというのはなくて、ただお茶だけであった。(お茶だけを)出したからね。常日頃はこの家はお金もたくさんあるのに、金も払わないと気を悪くしてしまった。それで材料を盗んだり、また床柱を逆さにして立てようと大工どうしで相談して、逆さに立ててしまった。そういうふうに(逆柱を立ててあることは)名護の親方は分かっていた。そしたら、そこに外から雀が歩いていた。「あの雀は何と言っているか分かるか。」と、おっしゃった。すると「分かりませんよ。」と言った。いわば昔は、米というのは馬に乗せて運んでいた。そして北谷で馬が米を乗せていたらしい。「北谷で米がこぼれているから、その米を食べに行こうと言っているよ。」と話したからね。「そんな嘘がどこにあるか。」などと話していた。すると「あんたたちがそう思うんだったら、この雀をつかまえてね、それの足に字を書いてはなしてみるからね。本当かどうかはあんたたちで確かめなさい。」と。そういうふうにして、そこから雀は逃がしてやった。すると、本当に米が散らばっており、それを食べていた。その後、家も完成して、新築祝いとなった。(名護親方が)今まで大工に、御馳走や茶請けを出さずにお茶ばかり出していたのは、大工の家庭のことを考えて、その家族にあげるつもりであった。いわば(御馳走や茶請けの代わりに)手間賃をよけいにあげるつもりで、一人一人にお金を渡した。それからはしだいに、この人はいい人だったんだねと床柱を逆立てしたことを反省していた。ティーンというのを分かるかね。これはこのように物を削るティーンがあったよ。それで新築祝いの日に、ティーン踊りをさせて下さいと、そのティーンで踊りをしたからね。酔っているふりをしてね、その逆立てしている床柱にティーンを立ててしまった。そして柱に傷がついたので、その柱は取り替えなければいけないということになった。それから柱も立て替えたという話である。また家を造っている時に少しずつ盗まれた材料も、集めて返したのでそれだけで床柱も造り替えたという話。
| レコード番号 | 47O373025 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C130 |
| 決定題名 | 名護ぬ親方(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 名護ぬ親方 |
| 話者名 | 山城盛吉 |
| 話者名かな | やましろせいきち |
| 生年月日 | 19110606 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19770227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T03A06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P244 |
| キーワード | 名護の親方,おとなしい方,家を新築,大工,お茶,茶請け,材料を盗んだ,床柱を逆さ,雀,米,馬,北谷で米がこぼれている,新築祝い,手間賃,ティーン踊り,柱に傷 |
| 梗概(こうがい) | 名護の親方は、大変おとなしい方であったそうだよ。その方は家を新築することになり、大工を頼んで造ることになった。(家を造って大工が出た時は)お茶も出して茶請けもでるでしょう。朝のお系とか、十時にはお茶や茶請けもでるさーね。そんな茶請けというのはなくて、ただお茶だけであった。(お茶だけを)出したからね。常日頃はこの家はお金もたくさんあるのに、金も払わないと気を悪くしてしまった。それで材料を盗んだり、また床柱を逆さにして立てようと大工どうしで相談して、逆さに立ててしまった。そういうふうに(逆柱を立ててあることは)名護の親方は分かっていた。そしたら、そこに外から雀が歩いていた。「あの雀は何と言っているか分かるか。」と、おっしゃった。すると「分かりませんよ。」と言った。いわば昔は、米というのは馬に乗せて運んでいた。そして北谷で馬が米を乗せていたらしい。「北谷で米がこぼれているから、その米を食べに行こうと言っているよ。」と話したからね。「そんな嘘がどこにあるか。」などと話していた。すると「あんたたちがそう思うんだったら、この雀をつかまえてね、それの足に字を書いてはなしてみるからね。本当かどうかはあんたたちで確かめなさい。」と。そういうふうにして、そこから雀は逃がしてやった。すると、本当に米が散らばっており、それを食べていた。その後、家も完成して、新築祝いとなった。(名護親方が)今まで大工に、御馳走や茶請けを出さずにお茶ばかり出していたのは、大工の家庭のことを考えて、その家族にあげるつもりであった。いわば(御馳走や茶請けの代わりに)手間賃をよけいにあげるつもりで、一人一人にお金を渡した。それからはしだいに、この人はいい人だったんだねと床柱を逆立てしたことを反省していた。ティーンというのを分かるかね。これはこのように物を削るティーンがあったよ。それで新築祝いの日に、ティーン踊りをさせて下さいと、そのティーンで踊りをしたからね。酔っているふりをしてね、その逆立てしている床柱にティーンを立ててしまった。そして柱に傷がついたので、その柱は取り替えなければいけないということになった。それから柱も立て替えたという話である。また家を造っている時に少しずつ盗まれた材料も、集めて返したのでそれだけで床柱も造り替えたという話。 |
| 全体の記録時間数 | 3:22 |
| 物語の時間数 | 3:22 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |