
この女が屁をしてはいけないということは、こういう理由のようだ。最初のきっかけは、首里城に、妻ではなくて、宮女として仕えさせられていたようだ。仕えさせられていたが、この女は大変正直者でもあるし、神のように生まれた人でもあった。正直者で、容姿まで美しかったようだ。そういうことで、王様はもうその女だけをお寄びになられて、別の人達はそんなに見なくなったので、「彼女は追放しないといけない。」と、女達は集って相談した。「彼女は追放しないといけない。彼女一人だけを王様は女だと考えておいでになる。」と文句を言いあった。「彼女は屁へり者だと言って追い出そう。」と打ち合わせたようだ。そういうことで、王様に、「このような屁へり女をこの城に仕えさせてよろしいのでしょうか。彼女は久高島へ追放した方がよい。」と讒言した。そういうことで、追放されたようだ。久高島に。追放された時、こういう事情があった。身籠っていたようだ。子を宿していたんだね。久高島に追放されたので、そこで細々と暮らしていたようだがね。そして、この久高島で男の子を産んだ。そして年月がたって、その男の子は物心がついて、「お父さんはいないのか。」と、尋ねられたので、「もう少し大きくなってから話してあげようね。親は私一人しかいないよ。」と答えた。久高島では食べ物がほとんどないから、母子二人していつも海へ行って貝を採ったり、何かをしたりして暮らしていた。海から浮いて来たようだ。浮いて来たようであった。その浮いて来るものは、男の子にも取ることが出来なかった。すぐそこまで来ているが、母親にも取れなかった。そこでその母親は、「これは、ただごとではない。」と言って、家に帰って(白)衣装に着替えて来た。〈神の仕業であるから〉替えてきて、白衣装を着けて来て、それを取ったようだ。そうしたら取ることが出来て、取ることが出来たのであった。その耶子がこのように、ここに浮いて来たのは、あらゆる種子類だったようだ。種子類が入っていたんだね。そこで寄って来たので、その種子を取って、家に持ち帰って、あれこれといろいろの作物を作った。米などを作って豊かになった。そうこうしている間に、この子供は七歳か、八歳になったとか。そして「私は、行けるところはどこまでも行って、父親を探さないといけない。」と言った。その時には母親もほんとのことを話した。「あなたは向こうの子であるから、そうだったら向こうに行って父親に会って来なさい。」と言って、行かしたそうだ。男の子は、ゆっくりゆっくりと訪ねて行った。それから、「私は、父親に会って来ないといけない。また、この瓜の種子を向こうに持って行って、王様に献上する。」と言って、持って行ったようだ。行ったので門番が、「お前はそのような服装をしていて、王様に会うことは出来ない。家に帰りなさい。」。それでも、その子供は聞かず、「私はぜひ王様に会わないといけないので、会わせて下さい。」と言ったので、その門番は、その子供の様子から、これは、しっかりした子供だ、これは普通の人とは違っている。彼の態度は異っていると思った。二人はそこで話し会って後は許されて、王様の所へ連れて行かれた。そうして、王様は、「お前は私に会いに来たのは、どういう話があるのか。」と、言ったので、「私は、話は別に何もありませんが、この瓜の種を王様に差し上げて、人民に作らせるために持って参りました。この瓜の種子は、屁をへる女にはあげないで下さい。」と言った。王様は笑って、「うん、そうですか。」と言った。「なぜ、屁をへる女には作らさないのかね。」と、尋ねられた。「女も男も同じ人間である。屁をへらない女というのがいましょうか。屁をへらない人というのがいますか。」と言ったので、王様は感じとって、これは私の子供かもしれない、と考えられて、それから奥座敷に連れて行って、よくよく話をした。「お前は、私の子である。」と、言ったようだ。そうしたら、「久高島で私たちは暮らしています。こういうわけで、海から寄って来たのでこの瓜の種子を持参して、父親を探しに来たわけです。」「そうであったのか、お前は年月を数えると、私の子に間違いないから、お母さんを久高島からお伴して来て、ここに一緒に連れていらっしゃい。」と、おっしゃったそうだ。それから、「女が屁をへると、娘であっても追い出される。」と、いう話が残っているということだ。
| レコード番号 | 47O372986 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C129 |
| 決定題名 | 黄金の瓜種(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 黄金の瓜種 |
| 話者名 | 上地弘治 |
| 話者名かな | うえちこうじ |
| 生年月日 | 18961015 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19770227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T02A16 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P103 |
| キーワード | 女が屁,首里城,妻,宮女,女は大変正直者,神のように生まれた人,容姿も美しかった,王様,屁へり者,久高島へ追放,身籠っていた,男の子,白衣装,耶子,種子類,作物,米,父親,瓜の種子,門番 |
| 梗概(こうがい) | この女が屁をしてはいけないということは、こういう理由のようだ。最初のきっかけは、首里城に、妻ではなくて、宮女として仕えさせられていたようだ。仕えさせられていたが、この女は大変正直者でもあるし、神のように生まれた人でもあった。正直者で、容姿まで美しかったようだ。そういうことで、王様はもうその女だけをお寄びになられて、別の人達はそんなに見なくなったので、「彼女は追放しないといけない。」と、女達は集って相談した。「彼女は追放しないといけない。彼女一人だけを王様は女だと考えておいでになる。」と文句を言いあった。「彼女は屁へり者だと言って追い出そう。」と打ち合わせたようだ。そういうことで、王様に、「このような屁へり女をこの城に仕えさせてよろしいのでしょうか。彼女は久高島へ追放した方がよい。」と讒言した。そういうことで、追放されたようだ。久高島に。追放された時、こういう事情があった。身籠っていたようだ。子を宿していたんだね。久高島に追放されたので、そこで細々と暮らしていたようだがね。そして、この久高島で男の子を産んだ。そして年月がたって、その男の子は物心がついて、「お父さんはいないのか。」と、尋ねられたので、「もう少し大きくなってから話してあげようね。親は私一人しかいないよ。」と答えた。久高島では食べ物がほとんどないから、母子二人していつも海へ行って貝を採ったり、何かをしたりして暮らしていた。海から浮いて来たようだ。浮いて来たようであった。その浮いて来るものは、男の子にも取ることが出来なかった。すぐそこまで来ているが、母親にも取れなかった。そこでその母親は、「これは、ただごとではない。」と言って、家に帰って(白)衣装に着替えて来た。〈神の仕業であるから〉替えてきて、白衣装を着けて来て、それを取ったようだ。そうしたら取ることが出来て、取ることが出来たのであった。その耶子がこのように、ここに浮いて来たのは、あらゆる種子類だったようだ。種子類が入っていたんだね。そこで寄って来たので、その種子を取って、家に持ち帰って、あれこれといろいろの作物を作った。米などを作って豊かになった。そうこうしている間に、この子供は七歳か、八歳になったとか。そして「私は、行けるところはどこまでも行って、父親を探さないといけない。」と言った。その時には母親もほんとのことを話した。「あなたは向こうの子であるから、そうだったら向こうに行って父親に会って来なさい。」と言って、行かしたそうだ。男の子は、ゆっくりゆっくりと訪ねて行った。それから、「私は、父親に会って来ないといけない。また、この瓜の種子を向こうに持って行って、王様に献上する。」と言って、持って行ったようだ。行ったので門番が、「お前はそのような服装をしていて、王様に会うことは出来ない。家に帰りなさい。」。それでも、その子供は聞かず、「私はぜひ王様に会わないといけないので、会わせて下さい。」と言ったので、その門番は、その子供の様子から、これは、しっかりした子供だ、これは普通の人とは違っている。彼の態度は異っていると思った。二人はそこで話し会って後は許されて、王様の所へ連れて行かれた。そうして、王様は、「お前は私に会いに来たのは、どういう話があるのか。」と、言ったので、「私は、話は別に何もありませんが、この瓜の種を王様に差し上げて、人民に作らせるために持って参りました。この瓜の種子は、屁をへる女にはあげないで下さい。」と言った。王様は笑って、「うん、そうですか。」と言った。「なぜ、屁をへる女には作らさないのかね。」と、尋ねられた。「女も男も同じ人間である。屁をへらない女というのがいましょうか。屁をへらない人というのがいますか。」と言ったので、王様は感じとって、これは私の子供かもしれない、と考えられて、それから奥座敷に連れて行って、よくよく話をした。「お前は、私の子である。」と、言ったようだ。そうしたら、「久高島で私たちは暮らしています。こういうわけで、海から寄って来たのでこの瓜の種子を持参して、父親を探しに来たわけです。」「そうであったのか、お前は年月を数えると、私の子に間違いないから、お母さんを久高島からお伴して来て、ここに一緒に連れていらっしゃい。」と、おっしゃったそうだ。それから、「女が屁をへると、娘であっても追い出される。」と、いう話が残っているということだ。 |
| 全体の記録時間数 | 7:49 |
| 物語の時間数 | 7:49 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |