
真玉橋の人柱の由来記ね。ある大工たちが、石大工たちが、橋を造っても造ってもできない、いつも壊れて、壊れて、もう仕事だけど、橋を架けても壊れていたので、大工たちは悩んで集まって話合いをしていた。もうとても悩んでいたようだ。悩んでいるところへ、ある女が来て、「どうして、貴方たちは悩んでいるのか。」と言った。「あの、この橋は、何回架けても架けてもね、ちっとも橋が架からない、私達大工は、大損害をこうむって、失敗して、どうしたらいいかと、とても残念に思っているんだがね。」と答えた。「これは心配する必要はありません、七色ムーティー、七結いをしている女をそこに埋めると、ちゃんとこの橋は完成するのでね。その結いをしている女をどこからでも捜してきて、その人を埋めない限り、この橋は完成しないよ。」と言った。「えー、そうか。」と、大工たちは仕事を止めて、あちらこちら捜し歩いたようだ。あちらこちら歩いた。女の髪をつかまえてあけて見ても、誰ひとりとして、いくら捜してもいなかった。七色ムーティー、七結いしている女はいなかった。そこで、もうまたも大工たちは集まってきて、「これはね、いくら女の髪をあけて見てもね、ムーティーといったところが、七結いしている人はいないとは、もうそう言った人、一人のものはまだ見ていないので、それ、その人の髪をあけて見てみよう。」ということになった。おそらく違うとは思うが、そうだったら、その人のものを見てみようということになった。いうやいなや、その人なんだよ。もうその人だったので、「さあ、お前はどうするか、お前は七色ムーティーをしている女を埋めない限りこの橋はまとまらないと、お前が言ったんだよ。お前だのに、もうどうするか。」と言った。その女は驚いて、「どうしよう、もう私はどうしよう、私には赤ちゃんが、乳飲み子がいる。どうしよう。」と‥‥。しまいには、政府まで話がいって、そういう女はこの人だよということだった。もう仕方がない、とても貧しいところだったって。夫も、貧しいところだった。今度はもう仕方なく、赤ちゃん、乳飲み子を、夫に預けて行くことになった。「お前は言うことも聞かず、夫がなんと言っても聞かん。人より先に口を出すなと言っても聞かないでね、お前はこんなことをしでかして、(残された)親子はどのようにして暮らしていくか。」と二人泣いた。「私もね、そういうつもりではなかったが、言ってしまったんだ。仕方がない、私はもう柱になるので、この子をりっぱに育てて下さい。」と、泣いて別れたそうだ。別れながら赤ちゃんに、「たとえ、美しく成長しても、人より先に口を出してはいけないよ。お母さんはこのために、取られて行くので、どんなにしても言ってはならないよ。」と、言い残して行ったようだ。もう柱になるために行ったようだ。そうしたら、そのとおりに、女をそこに立てたあとは橋は完成した。それが真玉橋だそうだ。それから、子どもは成長した。成長して、とても美人になった。何十年か経って、美しく成長して、美しく着飾って、橋の下にいたようだ。そのときに、とても位の高い人が、橋の下で、川えびを取るのを見て、「この子どもはどんなに合図しても、ものも言わないが、どこの子だろう。」と侍みたいな人が言った。あとから、他の川えびを取っている人が「どこそこの娘ですよ、こんなに美しく生まれているがものも言わないね。」と言ったようだ。そして、そこの家へ連れて行くことになった。もうその子は、年頃になっていたので、一言でも言えば私の妻にするのにと、侍が、上の位の人が家へ連れてきた。「その娘の容姿に私はほれているが、一言でも言えば、私の妻にするがね。」と言われたようだ。それはね、親の遺言がね、「人より先に口は出すなど遺言して行ったので、ぜんぜんものも言わないんだよと…。「それでね、この際にね、一言でも言ってくれれば、私の妻にして、首里に連れて行くんだが。」と侍が言ったようだ。そのときに、蝶が子どもの前に飛んできたようだ。親が、蝶になって…。「ちょっと待って、蝶よ。」と言ったようだ。「ひと言でも言いなさい。言いなさい。」とお父さんが、「ひと言言いなさい。言いなさい。お前が言ったら立身して行くよ、行くよ。いくらお母さんがそう言ったからだと、もう言っていいよ。言っていいんだよ。」と言った。それでも言わないので、蝶が飛んできた。蝶が飛んできて、そのときに蝶を追って、こんなふうに蝶を追った。「明かりに向かって泣く蝶よ 飛ぶ蝶よ。」と、そのときからその娘は言い出した。「私たちの場合は、この子の親は、こうこうで口に取られて、真玉橋に埋められているが、この子は、その遺言を守ったために話さないんだよ。」と言った。「人のためをするといって、人柱になって行ったので、それ以上に、お前たち親子共に首里に連れて行ってりっぱに孝行しようね。」と、(侍は)言った。そのときから、その娘はものを言い始めて、たいそうりっぱに暮らして、親共に立身したということである。
| レコード番号 | 47O372953 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C128 |
| 決定題名 | 真玉橋の人柱(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 真玉橋の人柱 |
| 話者名 | 比嘉テル |
| 話者名かな | ひがてる |
| 生年月日 | 19100713 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19770227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T01B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P113 |
| キーワード | 真玉橋の人柱,石大工,七色ムーティー,埋める,橋は完成する,人より先に口を出してはいけない,首里,蝶,親共に立身した |
| 梗概(こうがい) | 真玉橋の人柱の由来記ね。ある大工たちが、石大工たちが、橋を造っても造ってもできない、いつも壊れて、壊れて、もう仕事だけど、橋を架けても壊れていたので、大工たちは悩んで集まって話合いをしていた。もうとても悩んでいたようだ。悩んでいるところへ、ある女が来て、「どうして、貴方たちは悩んでいるのか。」と言った。「あの、この橋は、何回架けても架けてもね、ちっとも橋が架からない、私達大工は、大損害をこうむって、失敗して、どうしたらいいかと、とても残念に思っているんだがね。」と答えた。「これは心配する必要はありません、七色ムーティー、七結いをしている女をそこに埋めると、ちゃんとこの橋は完成するのでね。その結いをしている女をどこからでも捜してきて、その人を埋めない限り、この橋は完成しないよ。」と言った。「えー、そうか。」と、大工たちは仕事を止めて、あちらこちら捜し歩いたようだ。あちらこちら歩いた。女の髪をつかまえてあけて見ても、誰ひとりとして、いくら捜してもいなかった。七色ムーティー、七結いしている女はいなかった。そこで、もうまたも大工たちは集まってきて、「これはね、いくら女の髪をあけて見てもね、ムーティーといったところが、七結いしている人はいないとは、もうそう言った人、一人のものはまだ見ていないので、それ、その人の髪をあけて見てみよう。」ということになった。おそらく違うとは思うが、そうだったら、その人のものを見てみようということになった。いうやいなや、その人なんだよ。もうその人だったので、「さあ、お前はどうするか、お前は七色ムーティーをしている女を埋めない限りこの橋はまとまらないと、お前が言ったんだよ。お前だのに、もうどうするか。」と言った。その女は驚いて、「どうしよう、もう私はどうしよう、私には赤ちゃんが、乳飲み子がいる。どうしよう。」と‥‥。しまいには、政府まで話がいって、そういう女はこの人だよということだった。もう仕方がない、とても貧しいところだったって。夫も、貧しいところだった。今度はもう仕方なく、赤ちゃん、乳飲み子を、夫に預けて行くことになった。「お前は言うことも聞かず、夫がなんと言っても聞かん。人より先に口を出すなと言っても聞かないでね、お前はこんなことをしでかして、(残された)親子はどのようにして暮らしていくか。」と二人泣いた。「私もね、そういうつもりではなかったが、言ってしまったんだ。仕方がない、私はもう柱になるので、この子をりっぱに育てて下さい。」と、泣いて別れたそうだ。別れながら赤ちゃんに、「たとえ、美しく成長しても、人より先に口を出してはいけないよ。お母さんはこのために、取られて行くので、どんなにしても言ってはならないよ。」と、言い残して行ったようだ。もう柱になるために行ったようだ。そうしたら、そのとおりに、女をそこに立てたあとは橋は完成した。それが真玉橋だそうだ。それから、子どもは成長した。成長して、とても美人になった。何十年か経って、美しく成長して、美しく着飾って、橋の下にいたようだ。そのときに、とても位の高い人が、橋の下で、川えびを取るのを見て、「この子どもはどんなに合図しても、ものも言わないが、どこの子だろう。」と侍みたいな人が言った。あとから、他の川えびを取っている人が「どこそこの娘ですよ、こんなに美しく生まれているがものも言わないね。」と言ったようだ。そして、そこの家へ連れて行くことになった。もうその子は、年頃になっていたので、一言でも言えば私の妻にするのにと、侍が、上の位の人が家へ連れてきた。「その娘の容姿に私はほれているが、一言でも言えば、私の妻にするがね。」と言われたようだ。それはね、親の遺言がね、「人より先に口は出すなど遺言して行ったので、ぜんぜんものも言わないんだよと…。「それでね、この際にね、一言でも言ってくれれば、私の妻にして、首里に連れて行くんだが。」と侍が言ったようだ。そのときに、蝶が子どもの前に飛んできたようだ。親が、蝶になって…。「ちょっと待って、蝶よ。」と言ったようだ。「ひと言でも言いなさい。言いなさい。」とお父さんが、「ひと言言いなさい。言いなさい。お前が言ったら立身して行くよ、行くよ。いくらお母さんがそう言ったからだと、もう言っていいよ。言っていいんだよ。」と言った。それでも言わないので、蝶が飛んできた。蝶が飛んできて、そのときに蝶を追って、こんなふうに蝶を追った。「明かりに向かって泣く蝶よ 飛ぶ蝶よ。」と、そのときからその娘は言い出した。「私たちの場合は、この子の親は、こうこうで口に取られて、真玉橋に埋められているが、この子は、その遺言を守ったために話さないんだよ。」と言った。「人のためをするといって、人柱になって行ったので、それ以上に、お前たち親子共に首里に連れて行ってりっぱに孝行しようね。」と、(侍は)言った。そのときから、その娘はものを言い始めて、たいそうりっぱに暮らして、親共に立身したということである。 |
| 全体の記録時間数 | 5:15 |
| 物語の時間数 | 5:15 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |