黒金座主(シマグチ)

概要

黒金座主の話を聞いたけども黒金座主というのは、大変人を騙す、女を騙していた者であったんでしょう。というのは、易者であったわけさ。易者だから、そこには運勢判断に行くでしょう。女の人がそこへ行くと、美人が来ると、(黒金座主が美女に)術をかけて、女の人を(家の)中に入れて、この黒金座主が乱暴をしたそうだ。このことが本当なのか、嘘なのかと、友達である仲里按司は(確かめようと思っていた)その黒金座主は易者であるので、自分に子供は生まれるのか、生まれないのか、またいつ子供ができるのかと占なってもらいに行きなさいと乳母と一緒に妻を行かせた。すると、案の条、この女は、按司の妻はこの男に乱暴されてしまった。帰って来てから、「何事もなかったか。」と聞くと、「何もありませんでした。」と答えた。「それでは、おまえ、後ろを向いてごらん。」と、妻を後ろ向きにさせたところ、髪が乱れているのを見て、もう分かったわけだ。そして、「おまえ、その時になんでもなかったか。」「帰ってくる間、本当に何もなかったか。」と聞くと、「雨が降ったので、雨がやむまで少し休んでいました。」と答えた。雨が降っていたというのは、もう術をかけられていたわけだ。それから、目が覚めると雨がやんでいたわけだ。少し待っていると、雨が晴れたので家に帰ってきたということだ。この女は、乱暴されたんだが、分からなかったわけだ。そして、これが(女を騙しているということが)本当だったんだなと、仲里按司は分かった。それで仲里按司は、黒金座主と友達であるから、遊びに行って碁を打ったわけだ。「君が負ければ、耳を切り落とすよ。」とまた、「私が負ければ殺されてもかまわない。」約束して、碁を打ったわけだ。そうして、耳切り坊主は、(かたきを)うたれたわけだ。負けたので、約束どおり耳を落とそうね。」ということで、耳を切られて、耳切り坊主になった。それで、子供が生まれる度に、男の子が生まれたよと言うと、その男の子の命はとられてしまった。それは耳切坊主が若按司に殺されてから、この若按司は妻をかえたのかどうか分からないが、子供を生むたびに子供を亡くしていた。それで、男の子が生まれると「大女。」と言ったのはこの道理であるそうだ。大女が生まれていますよと、男の子だというと、またこの耳切り坊主に命をとられるからということで、「大女ですよ。」と言って、男の子の命をとられずにすんだそうだ。それで、子供が生まれるたびに、いつも「大女が生まれていますよ。」と言っていた。男が生まれたら、大女が生まれたよと言い、また女が生まれてもやはり女と言ったわけさ。いつも大女、大女と言ってたよ。

再生時間:4:38

民話詳細DATA

レコード番号 47O372740
CD番号 47O37C119
決定題名 黒金座主(シマグチ)
話者がつけた題名 黒金座主
話者名 与儀トシ
話者名かな よぎとし
生年月日 19120414
性別
出身地 沖縄県読谷村波平
記録日 19851225
記録者の所属組織 ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村波平T06B01
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集9波平の民話 P131
キーワード 黒金座主,女を騙す,易者,美人,術,仲里按司,碁,耳切り坊主,大女
梗概(こうがい) 黒金座主の話を聞いたけども黒金座主というのは、大変人を騙す、女を騙していた者であったんでしょう。というのは、易者であったわけさ。易者だから、そこには運勢判断に行くでしょう。女の人がそこへ行くと、美人が来ると、(黒金座主が美女に)術をかけて、女の人を(家の)中に入れて、この黒金座主が乱暴をしたそうだ。このことが本当なのか、嘘なのかと、友達である仲里按司は(確かめようと思っていた)その黒金座主は易者であるので、自分に子供は生まれるのか、生まれないのか、またいつ子供ができるのかと占なってもらいに行きなさいと乳母と一緒に妻を行かせた。すると、案の条、この女は、按司の妻はこの男に乱暴されてしまった。帰って来てから、「何事もなかったか。」と聞くと、「何もありませんでした。」と答えた。「それでは、おまえ、後ろを向いてごらん。」と、妻を後ろ向きにさせたところ、髪が乱れているのを見て、もう分かったわけだ。そして、「おまえ、その時になんでもなかったか。」「帰ってくる間、本当に何もなかったか。」と聞くと、「雨が降ったので、雨がやむまで少し休んでいました。」と答えた。雨が降っていたというのは、もう術をかけられていたわけだ。それから、目が覚めると雨がやんでいたわけだ。少し待っていると、雨が晴れたので家に帰ってきたということだ。この女は、乱暴されたんだが、分からなかったわけだ。そして、これが(女を騙しているということが)本当だったんだなと、仲里按司は分かった。それで仲里按司は、黒金座主と友達であるから、遊びに行って碁を打ったわけだ。「君が負ければ、耳を切り落とすよ。」とまた、「私が負ければ殺されてもかまわない。」約束して、碁を打ったわけだ。そうして、耳切り坊主は、(かたきを)うたれたわけだ。負けたので、約束どおり耳を落とそうね。」ということで、耳を切られて、耳切り坊主になった。それで、子供が生まれる度に、男の子が生まれたよと言うと、その男の子の命はとられてしまった。それは耳切坊主が若按司に殺されてから、この若按司は妻をかえたのかどうか分からないが、子供を生むたびに子供を亡くしていた。それで、男の子が生まれると「大女。」と言ったのはこの道理であるそうだ。大女が生まれていますよと、男の子だというと、またこの耳切り坊主に命をとられるからということで、「大女ですよ。」と言って、男の子の命をとられずにすんだそうだ。それで、子供が生まれるたびに、いつも「大女が生まれていますよ。」と言っていた。男が生まれたら、大女が生まれたよと言い、また女が生まれてもやはり女と言ったわけさ。いつも大女、大女と言ってたよ。
全体の記録時間数 4:38
物語の時間数 4:38
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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