話千両 急がば回れ(シマグチ)

概要

「急(いす)がぁ回(まあ)り。」でぃる話やてー、昔よ、山原から首里んでぃんかい奉公に出たんでしょうね。奉公から、もう年頃にもなったから、嫁も迎えないといけないから、嫁を迎えるために暇をもらってね、帰る途中に坊さんの家(うち)に寄ってね、この事情話をしたって。そしたらね、「一言葉(ちゅくとぅば)し千貫(しんぐゎん)する話聞(ち)ちゅみ。」と言われたって。そしたら、「一言葉(ちゅくとぅば)し千貫(しんぐゎん)する話、何(ぬー)やいびーがや。」っち。千貫(しんぐゎん)というお金を主人からもらっているからね。一言葉で千貫する話や、「急(いす)がぁ回りよ。」でぃる話やはじめぇ、「御馳走(くわっちー)さー、むぬ心(ぐくる)しーよー。」からはじまっているわけさね。行く途中で夜(ゆう)が夜暗(ゆくった)ぐとぅ、途中で、夜(ゆう)明かすために宿屋とったんだけどね、宿屋とったらね、そこの人は入って来る人にはみんなに御馳走をやっていたって。やっていたけどね、「御馳走(くわっちい)さーむぬ心(ぐくる)しーよー。」というただこの一言で千貫(しんぐゎん)。「はい千貫。この一言で千貫だから、千貫こっちよこしなさい。」といって取ったって。だけどね、「あんたは家に帰る時にはお金入用だから、またあんたに上げよう。」といって、もらってね。そして今度はまた「急(いす)がぁ回(まあ)りよ。」という一言でまた千貫り、また千貫払ってね。また、あんたに上げるって上げたって。その千貫は。そしてね、「急があ回りよ。御馳走さーむぬ心(ぐくる)しーよー。」という時はね、御馳走させたらね太るから、そこは鬼の家(うち)であって、太らせて太った次第鬼が食べてしまうだったんでしょうね。それを知ったからね。みんなもうたくさん旅人はここに集められていたって。だけど、戸作られて逃げるところはないでしょう。そしたらそこからどういうふうに逃げたらいいかねと工夫していたんでしょうね。ちょっとの隙間にそこの鍵を開けて出たら、みんな大急ぎで、逃げるのに大急ぎだからね、その周りには堀があったんでしょう。みんな堀に落ちて死んだって。だけど、その「急がぁ回りよー。」と教えられた人はね、こっちから入ったらこっちは溺れて死ぬんだから、堀に落ちて死ぬんだからどう回ったらいいかねとぐるぐる回ったんだろう。そして回ったら行く道があったらしいね。そうしたら急いでいてもよく考えて回りなさいよということでしょう。そして自分は難を逃れたわけ。そしてね、今度はまた美女(ちゅらいなぐ)ぬ言葉(くとぅば)は聞くなよと教えられたらしいよ。そしたらね、また行く途中で、橋のたもとでね、きれい女が立っていたらしいよ。そしたら、その女に、「もう日が暮れるから家(うち)にいらっしゃって泊まって行きなさい。」といわれたから、そこに行ったんだろうね。で、行ったらね、今度は、この人もまたそこの鬼だったらしい。そしてね、この女からどういうふうに抜けたらいいかなと思って考えているうちに、枡があったって。そしたら、その坊さんから教えられたことに、「もし危険な時にはこの枡を使いなさい。」と一合枡をもらっていた。その枡でねー鬼の頭をごつんとたたいたら、その鬼はそのまま死んだらしい。それで、枡の角では人をたたくな。打つな。」というのはその道理だって。

再生時間:3:53

民話詳細DATA

レコード番号 47O372725
CD番号 47O37C118
決定題名 話千両 急がば回れ(シマグチ)
話者がつけた題名 話千両 急がば回れ
話者名 与儀トシ
話者名かな よぎとし
生年月日 19120414
性別
出身地 沖縄県読谷村波平
記録日 19851225
記録者の所属組織 ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村波平T06A04
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集9波平の民話 P102
キーワード 急がば回れ,山原,首里,奉公,嫁を迎える,坊さん,一言葉し千貫する話,御馳走さー物心しーよー,宿屋,鬼の家,美女,橋のたも,枡の角
梗概(こうがい) 「急(いす)がぁ回(まあ)り。」でぃる話やてー、昔よ、山原から首里んでぃんかい奉公に出たんでしょうね。奉公から、もう年頃にもなったから、嫁も迎えないといけないから、嫁を迎えるために暇をもらってね、帰る途中に坊さんの家(うち)に寄ってね、この事情話をしたって。そしたらね、「一言葉(ちゅくとぅば)し千貫(しんぐゎん)する話聞(ち)ちゅみ。」と言われたって。そしたら、「一言葉(ちゅくとぅば)し千貫(しんぐゎん)する話、何(ぬー)やいびーがや。」っち。千貫(しんぐゎん)というお金を主人からもらっているからね。一言葉で千貫する話や、「急(いす)がぁ回りよ。」でぃる話やはじめぇ、「御馳走(くわっちー)さー、むぬ心(ぐくる)しーよー。」からはじまっているわけさね。行く途中で夜(ゆう)が夜暗(ゆくった)ぐとぅ、途中で、夜(ゆう)明かすために宿屋とったんだけどね、宿屋とったらね、そこの人は入って来る人にはみんなに御馳走をやっていたって。やっていたけどね、「御馳走(くわっちい)さーむぬ心(ぐくる)しーよー。」というただこの一言で千貫(しんぐゎん)。「はい千貫。この一言で千貫だから、千貫こっちよこしなさい。」といって取ったって。だけどね、「あんたは家に帰る時にはお金入用だから、またあんたに上げよう。」といって、もらってね。そして今度はまた「急(いす)がぁ回(まあ)りよ。」という一言でまた千貫り、また千貫払ってね。また、あんたに上げるって上げたって。その千貫は。そしてね、「急があ回りよ。御馳走さーむぬ心(ぐくる)しーよー。」という時はね、御馳走させたらね太るから、そこは鬼の家(うち)であって、太らせて太った次第鬼が食べてしまうだったんでしょうね。それを知ったからね。みんなもうたくさん旅人はここに集められていたって。だけど、戸作られて逃げるところはないでしょう。そしたらそこからどういうふうに逃げたらいいかねと工夫していたんでしょうね。ちょっとの隙間にそこの鍵を開けて出たら、みんな大急ぎで、逃げるのに大急ぎだからね、その周りには堀があったんでしょう。みんな堀に落ちて死んだって。だけど、その「急がぁ回りよー。」と教えられた人はね、こっちから入ったらこっちは溺れて死ぬんだから、堀に落ちて死ぬんだからどう回ったらいいかねとぐるぐる回ったんだろう。そして回ったら行く道があったらしいね。そうしたら急いでいてもよく考えて回りなさいよということでしょう。そして自分は難を逃れたわけ。そしてね、今度はまた美女(ちゅらいなぐ)ぬ言葉(くとぅば)は聞くなよと教えられたらしいよ。そしたらね、また行く途中で、橋のたもとでね、きれい女が立っていたらしいよ。そしたら、その女に、「もう日が暮れるから家(うち)にいらっしゃって泊まって行きなさい。」といわれたから、そこに行ったんだろうね。で、行ったらね、今度は、この人もまたそこの鬼だったらしい。そしてね、この女からどういうふうに抜けたらいいかなと思って考えているうちに、枡があったって。そしたら、その坊さんから教えられたことに、「もし危険な時にはこの枡を使いなさい。」と一合枡をもらっていた。その枡でねー鬼の頭をごつんとたたいたら、その鬼はそのまま死んだらしい。それで、枡の角では人をたたくな。打つな。」というのはその道理だって。
全体の記録時間数 3:53
物語の時間数 3:53
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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