
沖縄の運玉義留(注1)は沖縄の誰よりも頭がよかったのでしょう。運玉義留は御主加那志前に御奉公をしておった。御主加那志前の使用人であった。そこで、運玉義留が御主加那志前に「私も一生懸命勉強したら偉くなれますか。」と聞いたら、「あなたは百姓だから、私の所で一生懸命に御奉公をし、勉強をやれば偉くなれる。御主加那志前にもなれる。」と言えばそうはしなかったでしょう。その人に御奉公をして偉くなりたいと願うと、御主加那志が言うには「あなたが一生懸命に勉強をしても私の引きで掟、サバクイまでしかなれない。」と言われた。それからもう、ため息をして黙っていたらしい。それで「どうしておまえ、私がそう話したら黙っているか。」「あなたの御奉公を拝んでそのぐらいまでしかなれないのなら、泥棒をして私の名前を残した方がいい。」と言った。それで、御主加那志の前から出たのですよ。そして世の中は貧富の差をなくして、みんな私が同様にしてやろうと。これは本当のことか知らないが、御主加那志前は金の枕があったらしい。「あなたの金の枕を私が盗んでみんなに分けてやる。」〈それは話だから作ったわけでしょう。まさか金の枕をするはずがない〉そして「あなたの金の枕を何月何日までには必ず盗る。」と、盗んでみせると言って、運玉義留という人はここを出たらしい。そして、御主加那志前は自分の使い者は皆、昼夜寝かさないで「皆警戒して起きておきなさい。泥棒が入って来るはずだから。」それから、何日間も昼も夜も寝ないで警戒していた。そして、霰も降る一番寒い時に、運玉義留は屋根の上に豆をバラ撒いて隠れていた。「外は霰が降りだいぶ寒いので運玉義留でも来ないでしょう。」と思って、皆グーグー寝てしまった。そこへ運玉義留は屋根に穴をあけてそこから入った。警備をしている者は皆眠っているので、御主加那志前の座敷の方に入り、寝ている御主加那志前の顔に水を含んだタオルでしずくを落とした。そしたら、「雨が漏るなあ。」と頭を上げた。そのすきに枕を盗んだ。運玉義留は「はい、約束どおり盛りましたよ。」と言った。そうすると、御主加那志は槍の名人で、槍を持っているから、柱にその槍を射った。だけど「しまった、突き刺されて“あいた”。」と言えばそのままだが、「もうちょっとで危ないところだった。」と言ったので「あれまだか。」と言って槍を抜いた時に逃がしてしまった。どこに逃げたか分からない。後は首里の龍潭池のところに、蓮の葉っぱの下に隠れていたそうだ。
| レコード番号 | 47O372188 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C094 |
| 決定題名 | 運玉義留(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 運玉義留 |
| 話者名 | 福地祭考 |
| 話者名かな | ふくじさいこう |
| 生年月日 | 18960925 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村渡慶次 |
| 記録日 | 19840321 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村渡慶次T08A02 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集7渡慶次の民話 P161 |
| キーワード | 沖縄の運玉義留,頭がよかった,御主加那志前の使用人,掟,サバクイ,泥棒,金の枕,首里の龍潭池 |
| 梗概(こうがい) | 沖縄の運玉義留(注1)は沖縄の誰よりも頭がよかったのでしょう。運玉義留は御主加那志前に御奉公をしておった。御主加那志前の使用人であった。そこで、運玉義留が御主加那志前に「私も一生懸命勉強したら偉くなれますか。」と聞いたら、「あなたは百姓だから、私の所で一生懸命に御奉公をし、勉強をやれば偉くなれる。御主加那志前にもなれる。」と言えばそうはしなかったでしょう。その人に御奉公をして偉くなりたいと願うと、御主加那志が言うには「あなたが一生懸命に勉強をしても私の引きで掟、サバクイまでしかなれない。」と言われた。それからもう、ため息をして黙っていたらしい。それで「どうしておまえ、私がそう話したら黙っているか。」「あなたの御奉公を拝んでそのぐらいまでしかなれないのなら、泥棒をして私の名前を残した方がいい。」と言った。それで、御主加那志の前から出たのですよ。そして世の中は貧富の差をなくして、みんな私が同様にしてやろうと。これは本当のことか知らないが、御主加那志前は金の枕があったらしい。「あなたの金の枕を私が盗んでみんなに分けてやる。」〈それは話だから作ったわけでしょう。まさか金の枕をするはずがない〉そして「あなたの金の枕を何月何日までには必ず盗る。」と、盗んでみせると言って、運玉義留という人はここを出たらしい。そして、御主加那志前は自分の使い者は皆、昼夜寝かさないで「皆警戒して起きておきなさい。泥棒が入って来るはずだから。」それから、何日間も昼も夜も寝ないで警戒していた。そして、霰も降る一番寒い時に、運玉義留は屋根の上に豆をバラ撒いて隠れていた。「外は霰が降りだいぶ寒いので運玉義留でも来ないでしょう。」と思って、皆グーグー寝てしまった。そこへ運玉義留は屋根に穴をあけてそこから入った。警備をしている者は皆眠っているので、御主加那志前の座敷の方に入り、寝ている御主加那志前の顔に水を含んだタオルでしずくを落とした。そしたら、「雨が漏るなあ。」と頭を上げた。そのすきに枕を盗んだ。運玉義留は「はい、約束どおり盛りましたよ。」と言った。そうすると、御主加那志は槍の名人で、槍を持っているから、柱にその槍を射った。だけど「しまった、突き刺されて“あいた”。」と言えばそのままだが、「もうちょっとで危ないところだった。」と言ったので「あれまだか。」と言って槍を抜いた時に逃がしてしまった。どこに逃げたか分からない。後は首里の龍潭池のところに、蓮の葉っぱの下に隠れていたそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:43 |
| 物語の時間数 | 5:43 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |