
糸満の白銀堂 渡慶次部落 薩摩の人から金を借りた 豆たたく棒 読谷山村 北谷 嘉手納の天川坂まで逃げた 西門のおじいさん 首を切り落とした 重税 西門のティーガタナー
| レコード番号 | 47O372080 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C089 |
| 決定題名 | イリジョーの木刀(共通語) |
| 話者がつけた題名 | イリジョーの木刀 |
| 話者名 | 山城上光 |
| 話者名かな | やましろじょうこう |
| 生年月日 | 19010902 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村渡慶次 |
| 記録日 | 19770817 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第9班 |
| 元テープ番号 | 読谷村渡慶次T04A02 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 話を聞くのが好きで幼少の頃、夜寝る前などによく祖父にねだって聞いていた。 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集7渡慶次の民話 P198 |
| キーワード | これは、たとえば糸満の白銀堂(注1)のような話ですな。薩摩が、今の鹿児島県が薩摩の国時代に、沖縄にも金はあったのだろうが、渡慶次部落の人が薩摩の人から金を借りた。金を借りたので、今度は、これを請求しにきたようだ。一年経ったのか、二年経ったのか、そこは分からないが、字の役員、区長などに、「もう何年にもなるので払ってもらえないか。」と言った。「今のところもうどうにもできないのでしばらく待ってもらえないか。」と言うと、「ああ、できない。私は、わざわざ薩摩からこんな遠い所に出向いて来て、手ぶらで帰ることはできない。どうにかしてくれ。」と、「できなければどうしますか。」「もうあなたがたを切って捨てようと何しようと勝手だ。せっかく金も貸してあげたのに返すこともできないし、その約束もできなければ切って捨てよう。」と言った。薩摩の人たちは剣も持っているわけだから、もうびっくりした。これは大変なことになった。どうにか命だけは助けてもらいたいと嘆願したが、どうしても聞き入れてくれなかった。薩摩の役人連中は、帰ることはできないから部落の人々を切って捨てようということであった。そこで、向こうはもう剣も持っているし、対抗することは難しい。しかし、何を言っても聞かないので、我々にも覚悟はあります。やりましょう、抵抗しましょうと。相手は剣で向かってきたので、(渡慶次の人は)各家から皆棒を持って来い、やろうと。薩摩の方も一人や二人ではなかったでしょう。〈ことに農民が使ったの分かりますか。豆たたく棒ですね。〉豆をたたく棒(注2)、ほとんどの方がこれを持って集まった。持って集まって来た。ああ言っても聞かない。こう言っても聞かなければやりましょうということになった。これは許せることではないと、今度は棒を持ってどんどん集まった。それで薩摩の人は、多勢の人間にはかなわないと逃げたそうです。逃げてですね、逃げられるだけ逃げて、読谷山村を飛び越えて、北谷の……、今、嘉手納ですね、嘉手納村の天川坂まで逃げて行ったそうだ。天川坂まで逃げてもうここには来ないだろうと、北谷村だから、境界があるので、来ないだろうと逃げて、そこで剣を抜いて待ち受けていたそうです。それから、逃がしてしまったらまたもやられると、危険性を感じて、今度は舟をこぐ櫂を持って、西門のおじいさんが、天川坂まで追ってきた。薩摩の人は、天川坂で待ち受けていた。おじいさんが、「あんたがたは鉄の刀だし、私は木の刀だから一騎打ちにやってみようか。」と言った。やろうということになって、剣は短いし、櫂は長いから一回で首を切り落としてしまった。もう来ない。金は貰ったと非常に喜んでおじいさんは帰って行った。あそこは北谷村で、ここは読谷村でしょう。琉球王がそれを聞いてしまって、殺人の問題になってしまった。薩摩の人を殺してしまったということで、殺人事件として、琉球王、公儀から大きな咎めを受けた。これは重税を課さなければいかんと、一人当たりに大きな課税をされてしまった。そして薩摩に対する弁償もやらなければいかんと、大きな税を課されてしまった。それから、最初に罪をかぶったのは、西門のティーガタナーという名の人です。この人はもう絶対に渡慶次においてはいけない。これはどこかへやらねばならんと。しかし、その時には、みんなやっているのだが、琉球王が課した罪だから、もう仕方なく承知した。ティーガタナーという方は当時の政治家でもあったわけでしょう。また意地武士というて、度胸もあったのでしょう。墓地は今もありますが、現在ティーガタナーの遺骨もあるという。しかし入ってみないと分からんがね。うちの畑の側だがね。そして、渡慶次に大きな税金を課したもんだからそこにいられなくなって、半分以上の人が逃げてどこへ行ったか分からない。ここにいると税金も納めなければならないし、屋敷も放って逃げてしまった。その当時、渡慶次は相当大きい部落であったが、半数以上が逃げてしまって、現在は小さい部落になっている。その後、子孫が増えて二百戸余になっている。これは大問答といって、渡慶次部落にとっては恐いことでもあるし、またまずいことでもあったなあと反省している。今頃から反省してもどうにもならないがね。 |
| 梗概(こうがい) | 糸満の白銀堂 渡慶次部落 薩摩の人から金を借りた 豆たたく棒 読谷山村 北谷 嘉手納の天川坂まで逃げた 西門のおじいさん 首を切り落とした 重税 西門のティーガタナー |
| 全体の記録時間数 | 12:57 |
| 物語の時間数 | 12:57 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |