
渡嘉敷ペークは、王様と大変気の合った仲であった。学者でもあったし、碁を打つこともよく、又何をさせても上手であったので、ますます王様に気にいられた。(王様は)淋しい時はいつもペークに声をかけて呼び、「今日も碁を打とうじゃないか」と、碁打ちを始めた。「イーヒーと声をかけ合ってやる碁がおもしろいので、今日はそうしよう。」と、王様がいわれた。「ハイ、ペーク」と王様が打ったので、「ハイサイ」と、碁石をバンと打ち返した。そのようにして打っている所へ、横に座っていた侍が、刀を抜き、ペークに向かって言った。「あんたは、王様に向かって、このような言葉使いをするとはけしからん、少しは礼儀をわきまえなさい。王様がそのように申されるかと言って、そのようにしてはいけないぞ。」と、注意を受けたので、「はい、さようでございます。ではそのように考えてやりましょう。」と言った。その後、「ハイ、ペーク」と王様が打つと、「ハイサイ」と碁石を置くとすぐ遠くの方へさがって行って、「もう打ってありますよ。」とお辞儀をして、また前に歩いてきて、碁を打つという具合にした。もう王様の方は碁を打つことに楽しみがなくなってしまい、このようにして碁を打っていたのでは、おもしろみもない、今日は無礼講でやってくれ。」と申され、又摂政にも「あんたは口をはさむな、今日は二人で碁を打つので無礼講にさせてくれ。」と言った。それから気を取りなおして一緒に座って碁を打ち始めたという話だがね。それで時々呼ばれて出向いて行ったので、褒美を与えられたそうだ。それが俵二つだといいのだが、一つもらった。馬の腹帯にこのように縛るでしょう。片一方に縛ることになるので、落ちたりしたので、「どうしてこんなに無格好なのか、お前のものは。」と言うと、「一つではつりあいがとれずかわいそうです。二つだと両端に結びつけることが出来るのですが、一つだとかわいそうです。」と言ったので、「こいつは、あと一つ欲しがっているようだから、持たせてやりなさい。」と、二俵貰ってきたという話。褒美なんだがペークに二俵くれたそうだ。このように(王様に)呼ばれるといつも出かけて行ったので、「いつかは私の家へもおいで下さい。」と申し上げた。その前に(世間では)、王様に頭を下げさせる事の出来る人もいるのだろうかと話があったので、(ペークは)「それは簡単なことだよ。」と引き受けた。そして、小さな家を建て、ゆっくり背をかがめて入れるような家を建てた。そこへ王様を案内したところ王様は背をかがめて家へ入って来られたので、(ペークはそれを見て)「ちゃんと頭を下げ、御辞儀をされていたね。」と、それで(ペークが)勝ったという話しだよ。
| レコード番号 | 47O371836 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C080 |
| 決定題名 | 渡嘉敷ぺークー 碁打ち(方言) |
| 話者がつけた題名 | 渡嘉敷ぺークー |
| 話者名 | 新城平永 |
| 話者名かな | あらしろへいえい |
| 生年月日 | 19210305 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村宇座 |
| 記録日 | 19830302 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村宇座T10A08 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集6宇座の民話 P99 |
| キーワード | 渡嘉敷ペーク,王様と大変気の合った仲,学者,碁打ち,褒,俵二つ,馬の腹帯,小さな家,背をかがめてれる,御辞儀 |
| 梗概(こうがい) | 渡嘉敷ペークは、王様と大変気の合った仲であった。学者でもあったし、碁を打つこともよく、又何をさせても上手であったので、ますます王様に気にいられた。(王様は)淋しい時はいつもペークに声をかけて呼び、「今日も碁を打とうじゃないか」と、碁打ちを始めた。「イーヒーと声をかけ合ってやる碁がおもしろいので、今日はそうしよう。」と、王様がいわれた。「ハイ、ペーク」と王様が打ったので、「ハイサイ」と、碁石をバンと打ち返した。そのようにして打っている所へ、横に座っていた侍が、刀を抜き、ペークに向かって言った。「あんたは、王様に向かって、このような言葉使いをするとはけしからん、少しは礼儀をわきまえなさい。王様がそのように申されるかと言って、そのようにしてはいけないぞ。」と、注意を受けたので、「はい、さようでございます。ではそのように考えてやりましょう。」と言った。その後、「ハイ、ペーク」と王様が打つと、「ハイサイ」と碁石を置くとすぐ遠くの方へさがって行って、「もう打ってありますよ。」とお辞儀をして、また前に歩いてきて、碁を打つという具合にした。もう王様の方は碁を打つことに楽しみがなくなってしまい、このようにして碁を打っていたのでは、おもしろみもない、今日は無礼講でやってくれ。」と申され、又摂政にも「あんたは口をはさむな、今日は二人で碁を打つので無礼講にさせてくれ。」と言った。それから気を取りなおして一緒に座って碁を打ち始めたという話だがね。それで時々呼ばれて出向いて行ったので、褒美を与えられたそうだ。それが俵二つだといいのだが、一つもらった。馬の腹帯にこのように縛るでしょう。片一方に縛ることになるので、落ちたりしたので、「どうしてこんなに無格好なのか、お前のものは。」と言うと、「一つではつりあいがとれずかわいそうです。二つだと両端に結びつけることが出来るのですが、一つだとかわいそうです。」と言ったので、「こいつは、あと一つ欲しがっているようだから、持たせてやりなさい。」と、二俵貰ってきたという話。褒美なんだがペークに二俵くれたそうだ。このように(王様に)呼ばれるといつも出かけて行ったので、「いつかは私の家へもおいで下さい。」と申し上げた。その前に(世間では)、王様に頭を下げさせる事の出来る人もいるのだろうかと話があったので、(ペークは)「それは簡単なことだよ。」と引き受けた。そして、小さな家を建て、ゆっくり背をかがめて入れるような家を建てた。そこへ王様を案内したところ王様は背をかがめて家へ入って来られたので、(ペークはそれを見て)「ちゃんと頭を下げ、御辞儀をされていたね。」と、それで(ペークが)勝ったという話しだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:31 |
| 物語の時間数 | 3:31 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |