北谷王子と黒金座主(方言)

概要

北谷王子といえば、たぶん尚家の子孫にあたると思うが、その人と黒金座主の話である。北谷王子は、黒金座主という者は、女達に術をかけて騙し歩いているという話を耳にした。それで、本当かどうか試してみることになり、昔でいう自分の奥方と妾の二人を黒金座主の所へ行かせた。易のようなもの、易占いしに行かせたようだ。今度は帰るときのことである。その妾はあまりにも美しかったので、黒金座主が望んでこのまま帰してはいけないと術をかけた。〈その時代は、妾であっても奥方がかわいがっていたのでしょうね、髪もりっぱに結って、かんざしもさして上げ、一緒に手をとりあってというぐらいに仲良くして、黒金座主の前に習い方に行ったのである。〉家に帰って来て、その髪の乱れから犯されているという事が分った。「これではいけない、本当のことだった。」と、北谷王子は思った。そして、北谷王子は自ら黒金座主のところへ行かれて、「さあ、碁をうとう。碁をうちながら、碁をうちながら賭をしよう。」と言った。北谷王子はもちろんその黒金座主を滅さなければならないと考えていた。さらに、「碁の勝負をして、私が勝ったらお前の耳を切ろう。それから私が負けたらお前の思う存分首をはねようと、足を切ろうとかまわない。」ということであった。そこで、「はい!耳切り坊主!」、「はい!足切り王子!」と(声をかけあって)交互に碁をうち始めた。もう王子というお方は王様の子であったので、位が高すぎたせいか、(黒金座主は)碁が負けそうになったので術をかけて負かそうとしたがかからなかった。とうとう術をかけることができず、(黒金座主は)碁を負けてしまった。「では約束どおりお前の耳を切ろう。」ということになったが、それでも手向かってきた。合点がいかず、なお術をかけて逃れようと手向かおうとしたが王子に(耳を)切られ、殺されてしまった。しかし死にながら、「王子め!私は北谷王子も、この沖縄もすべて私の手にかけてこの琉球の国も私の物にするつもりだった。だのにお前に私はやられてしまった。その怨みとして、いつまでもお前の子、孫の命をとってやるから(覚えておけ!)」と言い残した。それを聞いて北谷王子は(家に)帰ってからもそのことを気にかけていた。だが、男の子が生まれたら「大女が生まれているよう。」と言った。女というのは霊力高いので、黒金座主の霊が風のたよりでそれを聞いたとしても、大女であるので命をとりには行かなかった。逆に女の子が生まれたら、「大男が生まれているよう。」と世間に披露した。大男と聞くと、とりに行くが実際には女だったので霊力が高くとることはできなかった。だから、昔は女の子が生まれたら「大男が生まれているよ。」また男の子が生まれたら「女の子が生まれているよ。」と話をなさっていた。

再生時間:3:58

民話詳細DATA

レコード番号 47O371479
CD番号 47O37C065
決定題名 北谷王子と黒金座主(方言)
話者がつけた題名 北谷王子と黒金座主
話者名 具志堅タケ
話者名かな ぐしけんたけ
生年月日 19140710
性別
出身地 沖縄県読谷村儀間
記録日 1981208
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村儀間T11A04
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集5儀間の民話 P261
キーワード 北谷王子,尚家の子孫,黒金座主,女達に術,騙し歩いていた,妾は美女,髪の乱れ,碁の勝負,耳切り坊主,碁,霊力,女の子が生まれたら大男が生まれた,男の子が生まれたら女の子が生まれた
梗概(こうがい) 北谷王子といえば、たぶん尚家の子孫にあたると思うが、その人と黒金座主の話である。北谷王子は、黒金座主という者は、女達に術をかけて騙し歩いているという話を耳にした。それで、本当かどうか試してみることになり、昔でいう自分の奥方と妾の二人を黒金座主の所へ行かせた。易のようなもの、易占いしに行かせたようだ。今度は帰るときのことである。その妾はあまりにも美しかったので、黒金座主が望んでこのまま帰してはいけないと術をかけた。〈その時代は、妾であっても奥方がかわいがっていたのでしょうね、髪もりっぱに結って、かんざしもさして上げ、一緒に手をとりあってというぐらいに仲良くして、黒金座主の前に習い方に行ったのである。〉家に帰って来て、その髪の乱れから犯されているという事が分った。「これではいけない、本当のことだった。」と、北谷王子は思った。そして、北谷王子は自ら黒金座主のところへ行かれて、「さあ、碁をうとう。碁をうちながら、碁をうちながら賭をしよう。」と言った。北谷王子はもちろんその黒金座主を滅さなければならないと考えていた。さらに、「碁の勝負をして、私が勝ったらお前の耳を切ろう。それから私が負けたらお前の思う存分首をはねようと、足を切ろうとかまわない。」ということであった。そこで、「はい!耳切り坊主!」、「はい!足切り王子!」と(声をかけあって)交互に碁をうち始めた。もう王子というお方は王様の子であったので、位が高すぎたせいか、(黒金座主は)碁が負けそうになったので術をかけて負かそうとしたがかからなかった。とうとう術をかけることができず、(黒金座主は)碁を負けてしまった。「では約束どおりお前の耳を切ろう。」ということになったが、それでも手向かってきた。合点がいかず、なお術をかけて逃れようと手向かおうとしたが王子に(耳を)切られ、殺されてしまった。しかし死にながら、「王子め!私は北谷王子も、この沖縄もすべて私の手にかけてこの琉球の国も私の物にするつもりだった。だのにお前に私はやられてしまった。その怨みとして、いつまでもお前の子、孫の命をとってやるから(覚えておけ!)」と言い残した。それを聞いて北谷王子は(家に)帰ってからもそのことを気にかけていた。だが、男の子が生まれたら「大女が生まれているよう。」と言った。女というのは霊力高いので、黒金座主の霊が風のたよりでそれを聞いたとしても、大女であるので命をとりには行かなかった。逆に女の子が生まれたら、「大男が生まれているよう。」と世間に披露した。大男と聞くと、とりに行くが実際には女だったので霊力が高くとることはできなかった。だから、昔は女の子が生まれたら「大男が生まれているよ。」また男の子が生まれたら「女の子が生まれているよ。」と話をなさっていた。
全体の記録時間数 3:58
物語の時間数 3:58
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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