草刈やー三良の出世(共通語混)

概要

武士の娘で、かごの鳥と同じで一歩も外に出たことのないという姉妹がいた。こんな性の問題なんかまるで知らず、鶏が愛し合う様子をとても珍しがって、「珍しいこともあるものだ。鳥が上になり下になりして。」と思っていた。その武士の娘達は姉妹居たがそこの屋敷に使用人として務(つと)めている三良という男にたずねて見た。「ねえ三良あの鳥は上になり下になりして何をしているのか。」と聞くと、三良は「これは恋をしているのです。人も恋をしたらとてもすばらしいですよ。」と答えた。「へえ珍しい事だ。」と感心し、「じあ、それでは私達にも教えてくれ。」ということになった。鳥が愛し合っているのを見る以前にはこういうこともあったようだ。三良が庭で掃除をしている時に、昔は下着はふんどしさーねえ、それがブラブラしていたらしい。そのすき間から尻がでて、性器が見えていたようだ。それは女性の物とは異っていて、変わっているものだから「珍しい物だ。三良それは何と言うものだね。」とたずねた。すると三良は、「これはですね鳥がむつみあっているのと同じで、これを使用するととても上等です。」と答えた。「では三良私達にも、教えてくれないか。」とお願いした。三良は、「これは大変なことをおっしゃる。このことが御主人様にでも知れたら、私はたちまちに打首、大変です。そんなことはできません。教える訳にはまいりません。」と断った。しかし、娘達はしつこく迫った。「ぜひ教えて欲しい。」と何度も頼まれた。そのたびに「私は大変ですので、そのことだけはお断りします。」と、断わるのだが、強いて頼まれて、あまりのしつこさに負けてしまった。とうとう条件を付けて、「そうであれば、絶対両親には話してはなりませんよ。では、時間は両親が寝てから午前二時か三時頃、真夜中、気付かれないようにして、ここへおいで下されたら、お教えいたしましょう。」と約束した。その三良の寝床は馬小屋の前にあった。その当時草刈人夫は馬小屋の前にある小屋で寝泊りをしていたらしい。そこに忍び込んできた。最初は姉娘がやってきた。三良が教えて上げると良かったらしい。それで、手数料はあげる必要もないのだが五貫上げたようだ。教えてくれた、手数料ということで五貫という金を三良に上げた。家に帰った姉は妹に早速そのことを話した。「さあ、あなたも三良に教えてもらいなさい。とても良かったよ。」と宣伝した。「それで、姉さんはいくら手数料として上げたの。」と聞くと「五貫上げたよ、でもとても良かった」と言うので、その妹もその同じ条件で、三良の所へ行って教えてもらった。しかし、その妹は年がまだ若く、姉は二十才をすぎて成熟していたが、妹はまだ十七、八で身体も性的に未成熟だったようで、まだ男女のことが分らなかったらしい。そこで姉さんは上等だったと言って五貫を上げたので、「あなたはどうだったか。」と聞くと、「あんまり良くなかった。少々痛かった。」と言った。「お前手数料はいくらあげた。」と姉が聞くと、姉さんの半分あげたそうだ。「それで良くなかったのかな。」と言ったらしい。最初の姉さんは、そのことで妊娠してしまったらしい。そして子供が出来た。ヨチヨチ歩きするようになっても男親は分らず困っていた。そこで、臣下の主だった者が、子供の親を捜すと言うことで、その家に仕える者を全員集合させて、誰がその娘に手をかけて妊娠させたのかと探した。しかし、皆なやってないものだからその中に見つけることはできなかった。男は一人のこらず調べ尽くし、とうとう残ったのは、三良だけになった。しかし、三良は草刈の身分の低い者だということで男の数には入ってなかった。そこで、三良も男だからよく調べるようにと、ある武士が言った。三良も男だから、一応質問する必要がある、という事で、今度は三良も呼び出されて試されることになった。すると、このヨチヨチ歩きする子供は、他の臣下が手をたたいたり、合図をしても誰にも来ないが、血が血を引くというが、血のつながりで見えなくても親が分って、親のところへ行くというのと同じで、三良が手を叩くと喜んで、三良のところへ来た。これは間違いなく親は三良だということになった。そこで、三良は、打首の刑にされることになった。しかし、ある武士が「まず待て」と言った。「だって、習い物をしようと思って、やったことだのに、(うみんぐゎが)人から何かを教わって、(教えた人を)打首の刑にするということは、道理に合わない。」発言した。それで、三良は打首になろうとしていた所を助かった。「この男がいて、子供ができたのだから、又習いものをしてこうなったのだし、人から習いものをして、罪にあてるはずが無い。」といって、その武士が弁解して助かった。それから、今度は侍の位に取り立てられ出世したという話だよ。

再生時間:4:38

民話詳細DATA

レコード番号 47O371429
CD番号 47O37C063
決定題名 草刈やー三良の出世(共通語混)
話者がつけた題名 草刈やー三良の出世
話者名 町田宗進
話者名かな まちだそうしん
生年月日 19160305
性別
出身地 沖縄県読谷村儀間
記録日 19811121
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村儀間T09B08
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 13
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集5儀間の民話 P222
キーワード 武士の娘,かごの鳥,姉妹,性の問題,鶏が愛し合う様子,使用人の三良,教えてくれ,三良が庭で掃除,昔は下着はふんどし,すき間から尻がでて性器が見えた,両親が寝てから午前二時か三時頃,真夜中,三良の寝床は馬小屋,姉娘,手数料は五貫,妹は性的に未成熟,姉は妊娠,子供が出来た,男親は分らない,子供の親を捜す,三良が手を叩くと喜んで来た,親は三良,打首の刑を免れ出世
梗概(こうがい) 武士の娘で、かごの鳥と同じで一歩も外に出たことのないという姉妹がいた。こんな性の問題なんかまるで知らず、鶏が愛し合う様子をとても珍しがって、「珍しいこともあるものだ。鳥が上になり下になりして。」と思っていた。その武士の娘達は姉妹居たがそこの屋敷に使用人として務(つと)めている三良という男にたずねて見た。「ねえ三良あの鳥は上になり下になりして何をしているのか。」と聞くと、三良は「これは恋をしているのです。人も恋をしたらとてもすばらしいですよ。」と答えた。「へえ珍しい事だ。」と感心し、「じあ、それでは私達にも教えてくれ。」ということになった。鳥が愛し合っているのを見る以前にはこういうこともあったようだ。三良が庭で掃除をしている時に、昔は下着はふんどしさーねえ、それがブラブラしていたらしい。そのすき間から尻がでて、性器が見えていたようだ。それは女性の物とは異っていて、変わっているものだから「珍しい物だ。三良それは何と言うものだね。」とたずねた。すると三良は、「これはですね鳥がむつみあっているのと同じで、これを使用するととても上等です。」と答えた。「では三良私達にも、教えてくれないか。」とお願いした。三良は、「これは大変なことをおっしゃる。このことが御主人様にでも知れたら、私はたちまちに打首、大変です。そんなことはできません。教える訳にはまいりません。」と断った。しかし、娘達はしつこく迫った。「ぜひ教えて欲しい。」と何度も頼まれた。そのたびに「私は大変ですので、そのことだけはお断りします。」と、断わるのだが、強いて頼まれて、あまりのしつこさに負けてしまった。とうとう条件を付けて、「そうであれば、絶対両親には話してはなりませんよ。では、時間は両親が寝てから午前二時か三時頃、真夜中、気付かれないようにして、ここへおいで下されたら、お教えいたしましょう。」と約束した。その三良の寝床は馬小屋の前にあった。その当時草刈人夫は馬小屋の前にある小屋で寝泊りをしていたらしい。そこに忍び込んできた。最初は姉娘がやってきた。三良が教えて上げると良かったらしい。それで、手数料はあげる必要もないのだが五貫上げたようだ。教えてくれた、手数料ということで五貫という金を三良に上げた。家に帰った姉は妹に早速そのことを話した。「さあ、あなたも三良に教えてもらいなさい。とても良かったよ。」と宣伝した。「それで、姉さんはいくら手数料として上げたの。」と聞くと「五貫上げたよ、でもとても良かった」と言うので、その妹もその同じ条件で、三良の所へ行って教えてもらった。しかし、その妹は年がまだ若く、姉は二十才をすぎて成熟していたが、妹はまだ十七、八で身体も性的に未成熟だったようで、まだ男女のことが分らなかったらしい。そこで姉さんは上等だったと言って五貫を上げたので、「あなたはどうだったか。」と聞くと、「あんまり良くなかった。少々痛かった。」と言った。「お前手数料はいくらあげた。」と姉が聞くと、姉さんの半分あげたそうだ。「それで良くなかったのかな。」と言ったらしい。最初の姉さんは、そのことで妊娠してしまったらしい。そして子供が出来た。ヨチヨチ歩きするようになっても男親は分らず困っていた。そこで、臣下の主だった者が、子供の親を捜すと言うことで、その家に仕える者を全員集合させて、誰がその娘に手をかけて妊娠させたのかと探した。しかし、皆なやってないものだからその中に見つけることはできなかった。男は一人のこらず調べ尽くし、とうとう残ったのは、三良だけになった。しかし、三良は草刈の身分の低い者だということで男の数には入ってなかった。そこで、三良も男だからよく調べるようにと、ある武士が言った。三良も男だから、一応質問する必要がある、という事で、今度は三良も呼び出されて試されることになった。すると、このヨチヨチ歩きする子供は、他の臣下が手をたたいたり、合図をしても誰にも来ないが、血が血を引くというが、血のつながりで見えなくても親が分って、親のところへ行くというのと同じで、三良が手を叩くと喜んで、三良のところへ来た。これは間違いなく親は三良だということになった。そこで、三良は、打首の刑にされることになった。しかし、ある武士が「まず待て」と言った。「だって、習い物をしようと思って、やったことだのに、(うみんぐゎが)人から何かを教わって、(教えた人を)打首の刑にするということは、道理に合わない。」発言した。それで、三良は打首になろうとしていた所を助かった。「この男がいて、子供ができたのだから、又習いものをしてこうなったのだし、人から習いものをして、罪にあてるはずが無い。」といって、その武士が弁解して助かった。それから、今度は侍の位に取り立てられ出世したという話だよ。
全体の記録時間数 4:38
物語の時間数 4:38
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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