
牛買いがね、ある牛買いがずっと沖縄中をまわって山原あたりに行った様子だね。そこに行ってみると、大変立派な牛がいたが、そこの家主は、男主人はすでに亡くなり、女主人がいらっしゃるんだね。それとまた、使用人がいたようだ。牛買いなので、午小屋から牛は出してみたら、とても上等で買うことに決めて、幾等、幾等と値もつけて買うことになった。それから、昔は遠い所から歩いて買いに来ることが多かったので、泊ることになったようだね。〈我々も若かった時分、他地区に行った場合は、泊込みで二、三日かかったものだよ。私の場合、馬買いに歩いたものだが。」その人は牛買いだったんだね。牛買いに行ったら、そこにいる人が、その家庭にいる主人はしかも女主人だった。今度は相談もできて、牛は買ったのだが代金は払ってないんだね。〈昔から現金買いでね、普通は現金で取引きしたものだが、なかには何月何日に持ってくるからという条件で、延納する時もあったことはあったんだがね。不足分については、そうしていたよ。全額ということはありえないがね、全額の場合、保障人がしっかりしていて、それでは明日なら明日、明後日なら明後日ということで、延納することもあったことだが。その当日持ってなかったらね。たいていは、昔は、百円、百五十円、二百円という取引きだから、普通二百円する牛の場合、百五十円しか持っていない場合、あと残りは明日払いますという条件で買ったもんだがね。)この牛買いは、最初から全額払ってくれないんだよ。この間いろいろと話を交すうちに女主人と仲よくなり恋仲になってしまったんだね。それで牛はひいて行ったが、代金はいつまで経っても払うこともなくそのままという話があるんだがね。しかし、「牛を盗まれた、盗まれた。」と言わなかった。自分は貞操盗まれたという話だよ。(代金は)持ってこないんだから、牛を盗まれたことになるんだね。相談の結果、牛をひいて行かしたことではあるがね、この代金戻ってこないもんだから、牛も盗まれ、自分の貞操も盗まれたという話があるんだよ。そうだから、男女の交際が肉体関係になってからは訴えることもできない状態になるんじゃないのかなあ。昔も警察はあったことだろうに、(牛を盗まれても)訴え出ることもできないということは、自分に弱味があるから、我まんして訴えなかったという話だよ。
| レコード番号 | 47O371420 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C062 |
| 決定題名 | 牛どろぼう(共通語混) |
| 話者がつけた題名 | 牛どろぼうの話 |
| 話者名 | 町田宗進 |
| 話者名かな | まちだそうしん |
| 生年月日 | 19160305 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19811121 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T09A14 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P279 |
| キーワード | 牛買い,山原,立派な牛,女主人,使用人,女主人と恋仲,牛を盗まれた,貞操盗まれた,代金戻ってこない |
| 梗概(こうがい) | 牛買いがね、ある牛買いがずっと沖縄中をまわって山原あたりに行った様子だね。そこに行ってみると、大変立派な牛がいたが、そこの家主は、男主人はすでに亡くなり、女主人がいらっしゃるんだね。それとまた、使用人がいたようだ。牛買いなので、午小屋から牛は出してみたら、とても上等で買うことに決めて、幾等、幾等と値もつけて買うことになった。それから、昔は遠い所から歩いて買いに来ることが多かったので、泊ることになったようだね。〈我々も若かった時分、他地区に行った場合は、泊込みで二、三日かかったものだよ。私の場合、馬買いに歩いたものだが。」その人は牛買いだったんだね。牛買いに行ったら、そこにいる人が、その家庭にいる主人はしかも女主人だった。今度は相談もできて、牛は買ったのだが代金は払ってないんだね。〈昔から現金買いでね、普通は現金で取引きしたものだが、なかには何月何日に持ってくるからという条件で、延納する時もあったことはあったんだがね。不足分については、そうしていたよ。全額ということはありえないがね、全額の場合、保障人がしっかりしていて、それでは明日なら明日、明後日なら明後日ということで、延納することもあったことだが。その当日持ってなかったらね。たいていは、昔は、百円、百五十円、二百円という取引きだから、普通二百円する牛の場合、百五十円しか持っていない場合、あと残りは明日払いますという条件で買ったもんだがね。)この牛買いは、最初から全額払ってくれないんだよ。この間いろいろと話を交すうちに女主人と仲よくなり恋仲になってしまったんだね。それで牛はひいて行ったが、代金はいつまで経っても払うこともなくそのままという話があるんだがね。しかし、「牛を盗まれた、盗まれた。」と言わなかった。自分は貞操盗まれたという話だよ。(代金は)持ってこないんだから、牛を盗まれたことになるんだね。相談の結果、牛をひいて行かしたことではあるがね、この代金戻ってこないもんだから、牛も盗まれ、自分の貞操も盗まれたという話があるんだよ。そうだから、男女の交際が肉体関係になってからは訴えることもできない状態になるんじゃないのかなあ。昔も警察はあったことだろうに、(牛を盗まれても)訴え出ることもできないということは、自分に弱味があるから、我まんして訴えなかったという話だよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:49 |
| 物語の時間数 | 2:49 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |