モーイ親方(方言)

概要

ある日、モーイ親方が勉強しての帰り、学校から帰る夜のことだったようだ。ある墓の前を通ると、墓の内で、あんどんを灯していっしょうけんめい何かをしている人がいた。覗いてみると、いっしょうけんめい洗骨をしていたようだ。そこで、モーイ親方は、その人に合図して、「どうしてこんな夜中に、貴方はそのようなことをするのですか。」と聞くと、「実は私達はひどい貧乏者でね、金もないのだよ。昼やると金もいることだし、私たちには夜しかできない。」と言った。「そうか、それでは心配なさらないで下さい。私がお金をさし上げますから昼して下さい。」と(モーイは)言った。そして昼、洗骨をした。それからというもの、モーイ親方がそこを通るたびに、幽霊が現われて、霊が現われた。(モーイが)「お前は何か。」と言うと、「私は、実はね、貴方に恩があって、貴方のおかげで私はりっぱに洗骨もすることができて後生も極楽である。その恩を返そうと思っているのだよ。」と答えた。「それでは私に恩返しがしたいのならば、私が何時(いつ)、なんどきであっても、『仲村渠のスーやーい』と呼んだら、すぐに出てきて、私の為に尽くして下さい。」と、(モーイは)言った。〈あの、ここは仲村渠というところであったらしい。仲村渠の墓だったようだ。〉、そして、モーイ親方は家に帰って行った。ある時、首里の上様からの使いの者が来て、(モーイの)親に、「さあ、饒波・満名まで行って、きょう中にあそこから税金を取って来い。」と命令した。一晩で首里から饒波・満名まで行けるはずがなく、モーイのお父さんはたいそう心配して黙りこくっていたようだ。すると、モーイが、「どうなさったターリー、どうしてこんなに黙っていらっしゃるのですか。」と聞くと、「実はこうこうで、きょう中に饒波・満名で税金を集めて来てくれと(命令された。)」と言った。この税金というものが、冬瓜とかかぼちゃ、そのようなものだった。そういう税金なので、思案しているときに子にそう尋ねられたのであった。「それではお父さん!私がきょう中に取ってきてさし上げましょう。」と言ってモーイ親方は外にとび出して行った。(仲村渠の墓へ行って)「仲村渠のスーやあい。」と呼んだ。〈洗骨された人は仲村渠というところだった。〉モーイ親方が呼んだので、すぐその幽霊が来て、マジムンが来て、「何の御用ですか、モーイ親方」と言ったら、「こうこうで私の父親にね、きょう中で饒波満名まで行って、税金、上納を取って来いということになり、どうした方がいいのかと、大変に心配しているんだがね。」と言った。(幽霊は)「それなら心配しないで下さい、私が連れて行ってさし上げます。」と言うなりすぐ、「ここに乗って下さい。」と言った。幽霊の背中に乗ると、風のようにすばやく一夜で饒波満名に連れていってくれた。そして、その夜のうちで税金を集めてくることができた。首里の御城ではそのことを大変珍しがって騒いでいたという話である。

再生時間:3:22

民話詳細DATA

レコード番号 47O371400
CD番号 47O37C061
決定題名 モーイ親方(方言)
話者がつけた題名 モーイ親方
話者名 新垣小松
話者名かな あらかきこまつ
生年月日 19120205
性別
出身地 沖縄県読谷村儀間
記録日 19811120
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村儀間T08B06
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 13
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集5儀間の民話 P198
キーワード モーイ親方,勉強の帰り,墓の前,洗骨,貧乏者,幽霊,霊が現われた,後生も極楽,恩を返したい,仲村渠のスー,首里の上様,使いの者,饒波満名,税金,幽霊の背中
梗概(こうがい) ある日、モーイ親方が勉強しての帰り、学校から帰る夜のことだったようだ。ある墓の前を通ると、墓の内で、あんどんを灯していっしょうけんめい何かをしている人がいた。覗いてみると、いっしょうけんめい洗骨をしていたようだ。そこで、モーイ親方は、その人に合図して、「どうしてこんな夜中に、貴方はそのようなことをするのですか。」と聞くと、「実は私達はひどい貧乏者でね、金もないのだよ。昼やると金もいることだし、私たちには夜しかできない。」と言った。「そうか、それでは心配なさらないで下さい。私がお金をさし上げますから昼して下さい。」と(モーイは)言った。そして昼、洗骨をした。それからというもの、モーイ親方がそこを通るたびに、幽霊が現われて、霊が現われた。(モーイが)「お前は何か。」と言うと、「私は、実はね、貴方に恩があって、貴方のおかげで私はりっぱに洗骨もすることができて後生も極楽である。その恩を返そうと思っているのだよ。」と答えた。「それでは私に恩返しがしたいのならば、私が何時(いつ)、なんどきであっても、『仲村渠のスーやーい』と呼んだら、すぐに出てきて、私の為に尽くして下さい。」と、(モーイは)言った。〈あの、ここは仲村渠というところであったらしい。仲村渠の墓だったようだ。〉、そして、モーイ親方は家に帰って行った。ある時、首里の上様からの使いの者が来て、(モーイの)親に、「さあ、饒波・満名まで行って、きょう中にあそこから税金を取って来い。」と命令した。一晩で首里から饒波・満名まで行けるはずがなく、モーイのお父さんはたいそう心配して黙りこくっていたようだ。すると、モーイが、「どうなさったターリー、どうしてこんなに黙っていらっしゃるのですか。」と聞くと、「実はこうこうで、きょう中に饒波・満名で税金を集めて来てくれと(命令された。)」と言った。この税金というものが、冬瓜とかかぼちゃ、そのようなものだった。そういう税金なので、思案しているときに子にそう尋ねられたのであった。「それではお父さん!私がきょう中に取ってきてさし上げましょう。」と言ってモーイ親方は外にとび出して行った。(仲村渠の墓へ行って)「仲村渠のスーやあい。」と呼んだ。〈洗骨された人は仲村渠というところだった。〉モーイ親方が呼んだので、すぐその幽霊が来て、マジムンが来て、「何の御用ですか、モーイ親方」と言ったら、「こうこうで私の父親にね、きょう中で饒波満名まで行って、税金、上納を取って来いということになり、どうした方がいいのかと、大変に心配しているんだがね。」と言った。(幽霊は)「それなら心配しないで下さい、私が連れて行ってさし上げます。」と言うなりすぐ、「ここに乗って下さい。」と言った。幽霊の背中に乗ると、風のようにすばやく一夜で饒波満名に連れていってくれた。そして、その夜のうちで税金を集めてくることができた。首里の御城ではそのことを大変珍しがって騒いでいたという話である。
全体の記録時間数 3:22
物語の時間数 3:22
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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