
昔、吉屋チルーという人がいて、その人は真栄田かどこかの出身だったらしいが、(仲島遊郭から)家に帰るとき多幸山を通って行った。多幸山のだいぶ奥に入って行ったら、そこに炭焼きじいさんがひとりいらしたようだ。そこで、そのじいさん、炭焼きじいさんの家で休むことにした。お茶やら出てきたが、吉屋チルーが、「サンピン茶が白茶になったけれども まだまだお茶請けの出る気配がない。」と詠んだので、その炭焼きじいさんはもう臭いもする味噌を持ってきて、もう糠で作ってある味噌を持ってきた。「先月作った糠味噌ですが 大和味噌と思って嘗めて下さい。」と歌を返した。(吉屋は)「貴方は私より天分がありますね、私は仲島の吉屋ですから必ず訪ねていらして下さい。」と言うと、「それじゃ訪ねて行きましょう。」と、(じいさんは)言った。ある日、(じいさんは)鶏も肩に担ぎ、またいろいろな野菜も担いで那覇の仲島に行った。そしてチルーを訪ねて、「私を門に立てておいて あなたは寝ることができるか このまえ約束したじいさんだが。」と言うと、「白髪のじいさんが 高下駄をはいて 転んで怪我するのを知らないかじいさん。」と吉屋が言うと、「吉屋ウミチルは天分高いが 男もおさえてしまう娘である。」と、また返すと、「貴方は私より天分高くいらっしゃる どうぞ家にお入り下さい 思いを語りあいましょう。」と、(じいさんを家に入れた。)そのように歌を返す人には誰にでも呼ばれて、このように身なりの悪いじいさんの相手もしたという話である。この吉屋は神生まれをしていたのか、鏡代わりに甕に入っている水に自分の姿を映すと、ウランサ、(というと王様の御涼傘、神様がかぶっている笠のようなものだが)これが(吉屋の)姿といっしょに映ったという話である。
| レコード番号 | 47O371399 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C061 |
| 決定題名 | 吉屋チルー(方言) |
| 話者がつけた題名 | 吉屋チルー |
| 話者名 | 新垣小松 |
| 話者名かな | あらかきこまつ |
| 生年月日 | 19120205 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19811120 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T08B05 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | むかし |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P284 |
| キーワード | 吉屋チルー,真栄田,多幸山,炭焼きじいさ,お茶,味噌,仲島の吉屋,鶏,野菜,歌を返す人,神生まれ,鏡代わり,甕,王様の御涼傘 |
| 梗概(こうがい) | 昔、吉屋チルーという人がいて、その人は真栄田かどこかの出身だったらしいが、(仲島遊郭から)家に帰るとき多幸山を通って行った。多幸山のだいぶ奥に入って行ったら、そこに炭焼きじいさんがひとりいらしたようだ。そこで、そのじいさん、炭焼きじいさんの家で休むことにした。お茶やら出てきたが、吉屋チルーが、「サンピン茶が白茶になったけれども まだまだお茶請けの出る気配がない。」と詠んだので、その炭焼きじいさんはもう臭いもする味噌を持ってきて、もう糠で作ってある味噌を持ってきた。「先月作った糠味噌ですが 大和味噌と思って嘗めて下さい。」と歌を返した。(吉屋は)「貴方は私より天分がありますね、私は仲島の吉屋ですから必ず訪ねていらして下さい。」と言うと、「それじゃ訪ねて行きましょう。」と、(じいさんは)言った。ある日、(じいさんは)鶏も肩に担ぎ、またいろいろな野菜も担いで那覇の仲島に行った。そしてチルーを訪ねて、「私を門に立てておいて あなたは寝ることができるか このまえ約束したじいさんだが。」と言うと、「白髪のじいさんが 高下駄をはいて 転んで怪我するのを知らないかじいさん。」と吉屋が言うと、「吉屋ウミチルは天分高いが 男もおさえてしまう娘である。」と、また返すと、「貴方は私より天分高くいらっしゃる どうぞ家にお入り下さい 思いを語りあいましょう。」と、(じいさんを家に入れた。)そのように歌を返す人には誰にでも呼ばれて、このように身なりの悪いじいさんの相手もしたという話である。この吉屋は神生まれをしていたのか、鏡代わりに甕に入っている水に自分の姿を映すと、ウランサ、(というと王様の御涼傘、神様がかぶっている笠のようなものだが)これが(吉屋の)姿といっしょに映ったという話である。 |
| 全体の記録時間数 | 3:04 |
| 物語の時間数 | 3:04 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |