
サングヮチサンニチは、旧暦の三月三日のことである。そのときに女が浜下りをすると、どんな子どもが宿っていても、悪い蛇の子を妊娠していても下りよったそうだよ。ある女のところにたいそうきれいな男がいつも来たそうだよ。女は蛇だと知らず、その男と寝た。毎日その男と寝たからもう、その女は妊娠したそうですよ。ある人が、「あなたは、その人がどんな男だと分るか。」と尋ねると、(女は)「ほんとうの人間だよ。とてもいい人だよ。」と答えた。「あの男は、ほんとうは人間ではなく、実は蛇だよ。」と言ったが、しかし、「ちがうよ。」と言って、蛇だと教えてやっても女は信用しなかった。「そういうことなら、今日は試してみなさい。それで、芭蕉の糸を針に抜いて、あの男の裾に縫って、引っ付けておきなさい。」と言われたのでそのようにやってみた。〈昔は沖縄に芭蕉があったでしょう。芭蕉から糸を紡いで籠にいっぱい入れてあったわけだ。〉翌日、その人が来て「あなたの所に夕べも来たか。」「来た。」「そんなら、この糸をたぐって行ってみて来なさい。」と言って、この糸をたどっていったら、穴の中にはいっていたそうだよ。穴の中で二匹の蛇が話していた。そうして、「あの女は大変だね。蛇の子を妊娠しているので大変だね。」と女と寝た蛇がいった。もう一匹の蛇が「それは大丈夫だよ。三月三日に海岸に行って浜の砂を踏んだら、すぐ下りる。」と言っていた。それを聞いて、その女は帰って行き、「もうその通りにしよう。」と思った。三月三日になって、海岸に下おりて浜の砂を踏んだらその蛇がみんな下りた。やかんに湯を沸かして、その蛇にかけたら全部死んでしまった。
| レコード番号 | 47O371376 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C061 |
| 決定題名 | 浜下り由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 浜下り由来 |
| 話者名 | 新垣小松 |
| 話者名かな | あらかきこまつ |
| 生年月日 | 19120205 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19770508 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第15班 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T07B04 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12,80 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | おじいさん |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P50 |
| キーワード | 旧暦の三月三日,女が浜下り,悪い蛇の子を妊娠,美男子に化けた蛇,芭蕉の糸,男の裾,穴の中に二匹の蛇,三月三日に浜の砂を踏むと堕胎,湯 |
| 梗概(こうがい) | サングヮチサンニチは、旧暦の三月三日のことである。そのときに女が浜下りをすると、どんな子どもが宿っていても、悪い蛇の子を妊娠していても下りよったそうだよ。ある女のところにたいそうきれいな男がいつも来たそうだよ。女は蛇だと知らず、その男と寝た。毎日その男と寝たからもう、その女は妊娠したそうですよ。ある人が、「あなたは、その人がどんな男だと分るか。」と尋ねると、(女は)「ほんとうの人間だよ。とてもいい人だよ。」と答えた。「あの男は、ほんとうは人間ではなく、実は蛇だよ。」と言ったが、しかし、「ちがうよ。」と言って、蛇だと教えてやっても女は信用しなかった。「そういうことなら、今日は試してみなさい。それで、芭蕉の糸を針に抜いて、あの男の裾に縫って、引っ付けておきなさい。」と言われたのでそのようにやってみた。〈昔は沖縄に芭蕉があったでしょう。芭蕉から糸を紡いで籠にいっぱい入れてあったわけだ。〉翌日、その人が来て「あなたの所に夕べも来たか。」「来た。」「そんなら、この糸をたぐって行ってみて来なさい。」と言って、この糸をたどっていったら、穴の中にはいっていたそうだよ。穴の中で二匹の蛇が話していた。そうして、「あの女は大変だね。蛇の子を妊娠しているので大変だね。」と女と寝た蛇がいった。もう一匹の蛇が「それは大丈夫だよ。三月三日に海岸に行って浜の砂を踏んだら、すぐ下りる。」と言っていた。それを聞いて、その女は帰って行き、「もうその通りにしよう。」と思った。三月三日になって、海岸に下おりて浜の砂を踏んだらその蛇がみんな下りた。やかんに湯を沸かして、その蛇にかけたら全部死んでしまった。 |
| 全体の記録時間数 | 2:45 |
| 物語の時間数 | 2:45 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |