渡嘉敷ぺークー(方言)

概要

御主加那志と渡嘉敷ペークーとは仲のいい友達であった。ペークーは器量よしとんちがあったので御主加那志から信頼されとても可愛がられ、仲の良い友達、親友であった。ある日御主は暇をつくって「碁打ちをして遊ぼうではないか。」と言って碁をすることになった。そして、ベークに「来るように」と、お呼びした。「はい」と(御主のところへ)出かけて行き碁打ちを始めた。碁を打ちはじめて最初は、一玉ずつ打ちながらのはやしことばが御主王から「ハイ、ペーク」と玉を一打ちすると、今度はペークが「ハイ御主」と言って玉を打っていった。最初はそのようにやっていた。しかし、夢中になるにつれて「ハイ、ペーク」「ハイ、ダイ御主」「ハイ、ペーク」「ハイ、ダイ御主」と言ったので、もう家来の者達が怒って、御主加那志様に向かって『ダイ御主』と言うのかペークー」といましめられたそうだ。するとおこられるとその場でぺークは、「なんで私はとても敬うつもりで、御主と言うと簡単すぎるので『大』をつけて『大御主』と敬っているのだから何も悪いことはしてない。」と言い切ったそうだ。「ああ、なるほどなあ」と家来の者も気にする事なく、また御主もとがめもせず碁打ちはそのまま続けたらしい。
碁打ちも終ったある日のこと、「今日は鴨の吸物や御馳走もいろいろと準備してあるので、好きなように食べて酒もたくさん飲んで帰ったらいいよ。」と御主がペークに言ったので「はい、そのようにします。」と答えた。配膳の用意も整い、他の人達の前にはきちんと出され、吸物の中味に鴨の肉も入っているけれど、ペークの吸物には鴨という肉は一切れも入ってなく全部大根だけであった。それは(ペークの)心試しであったのであろうか、このように配膳もされ、酒も出されているけれども誰もペークに膳をすすめる者はなかった。他の人々にはどうぞお召し上がり下さい。」と膳をすすめるのだがペークにはだれもすすめる人がいないものだから、ペークは自分で「ハイ、ペーク、飲みなさいよペーク。」と言っては「それではいただきます」と返し、「飲みなさい。食べなさい」と一人で問答しながら、膳を全部たいらげてあったらしい。「どうも御馳走になります。」「どうぞ食べなさいペークー、もっと飲みなさいよペーク」「御馳走になります」と自分で言い聞かせながら食べたり飲んだりしたそうだ。それほどのとんちを持った人だったらしいよ。ペークは。そこで今度は、その裏をうってやろうと思い計らいをした。「北谷の村は一番の鴨のとれる所なのでいつでも鴨はたくさんあります。また、日を改めて、私の村にいらして下さい。」と招待申しあげた。「しかしながら私の家は酒はございませんので召しあがるだけの酒は持って来て下さい。」と酒を持ってこさせた。ところが、ペークは家で大根だけの汁を準備して、お客に鴨の吸物ですと差し出した所、「どうしたんだペーク」吸物を食べながら「お前は鴨の吸物と言っていたではないか、だのにこれは全部大根だけだよ。」言われたので「私も以前に鴨の吸物と言って食べさせられたのがこのようなものでしたよ。」と言い返してあったらしい。それだけとんちがあったということ。それで、その場はにが笑いで終ったんだって。

再生時間:3:05

民話詳細DATA

レコード番号 47O371297
CD番号 47O37C057
決定題名 渡嘉敷ぺークー(方言)
話者がつけた題名 渡嘉敷ぺークー
話者名 町田宗進
話者名かな まちだそうしん
生年月日 19160305
性別
出身地 沖縄県読谷村儀間
記録日 19770224
記録者の所属組織 読谷村民話調査団第3班
元テープ番号 読谷村儀間T05A01
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 13
発句(ほっく)
伝承事情 話は雨降りの時、仕事に行けない時に聞いた。この話は渡慶次の神谷乗慶さんから聞いた。
文字化資料 読谷村民話資料集5儀間の民話 P168
キーワード 御主加那志,渡嘉敷ペークー,友達,ペークーは器量よしとんちがある,碁打ち,ダイ御主,鴨の吸物,御馳走,酒,全部大根,心試し,招待,大根だけの汁
梗概(こうがい) 御主加那志と渡嘉敷ペークーとは仲のいい友達であった。ペークーは器量よしとんちがあったので御主加那志から信頼されとても可愛がられ、仲の良い友達、親友であった。ある日御主は暇をつくって「碁打ちをして遊ぼうではないか。」と言って碁をすることになった。そして、ベークに「来るように」と、お呼びした。「はい」と(御主のところへ)出かけて行き碁打ちを始めた。碁を打ちはじめて最初は、一玉ずつ打ちながらのはやしことばが御主王から「ハイ、ペーク」と玉を一打ちすると、今度はペークが「ハイ御主」と言って玉を打っていった。最初はそのようにやっていた。しかし、夢中になるにつれて「ハイ、ペーク」「ハイ、ダイ御主」「ハイ、ペーク」「ハイ、ダイ御主」と言ったので、もう家来の者達が怒って、御主加那志様に向かって『ダイ御主』と言うのかペークー」といましめられたそうだ。するとおこられるとその場でぺークは、「なんで私はとても敬うつもりで、御主と言うと簡単すぎるので『大』をつけて『大御主』と敬っているのだから何も悪いことはしてない。」と言い切ったそうだ。「ああ、なるほどなあ」と家来の者も気にする事なく、また御主もとがめもせず碁打ちはそのまま続けたらしい。 碁打ちも終ったある日のこと、「今日は鴨の吸物や御馳走もいろいろと準備してあるので、好きなように食べて酒もたくさん飲んで帰ったらいいよ。」と御主がペークに言ったので「はい、そのようにします。」と答えた。配膳の用意も整い、他の人達の前にはきちんと出され、吸物の中味に鴨の肉も入っているけれど、ペークの吸物には鴨という肉は一切れも入ってなく全部大根だけであった。それは(ペークの)心試しであったのであろうか、このように配膳もされ、酒も出されているけれども誰もペークに膳をすすめる者はなかった。他の人々にはどうぞお召し上がり下さい。」と膳をすすめるのだがペークにはだれもすすめる人がいないものだから、ペークは自分で「ハイ、ペーク、飲みなさいよペーク。」と言っては「それではいただきます」と返し、「飲みなさい。食べなさい」と一人で問答しながら、膳を全部たいらげてあったらしい。「どうも御馳走になります。」「どうぞ食べなさいペークー、もっと飲みなさいよペーク」「御馳走になります」と自分で言い聞かせながら食べたり飲んだりしたそうだ。それほどのとんちを持った人だったらしいよ。ペークは。そこで今度は、その裏をうってやろうと思い計らいをした。「北谷の村は一番の鴨のとれる所なのでいつでも鴨はたくさんあります。また、日を改めて、私の村にいらして下さい。」と招待申しあげた。「しかしながら私の家は酒はございませんので召しあがるだけの酒は持って来て下さい。」と酒を持ってこさせた。ところが、ペークは家で大根だけの汁を準備して、お客に鴨の吸物ですと差し出した所、「どうしたんだペーク」吸物を食べながら「お前は鴨の吸物と言っていたではないか、だのにこれは全部大根だけだよ。」言われたので「私も以前に鴨の吸物と言って食べさせられたのがこのようなものでしたよ。」と言い返してあったらしい。それだけとんちがあったということ。それで、その場はにが笑いで終ったんだって。
全体の記録時間数 3:05
物語の時間数 3:05
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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