猿の生肝(方言)

概要

昔、沖縄の竜宮は、伊江島にあったというお話でしたが。それで、そこの竜宮のお姫さんが、病気になられたので、ある人が、「お姫様は猿の生肝を食べさせないと治らない。」とおっしゃった。「それではもうどうしようか。」と役人達が集まって相談した。「猿は木の上に居るんだし、この竜宮から行くにしては海だし、それ(使い)は誰が出来るか。」と相談した。「亀なら出来る」と相談して(決めた)。亀は「はい」と引き受けた。そうして、猿の居る場所に、亀は泳いで行き、それから山に登って行って休んでいた。そこで、猿が木の上で、色々な木の実を食べているのを見て、「ここにおいで、おいで。」と呼んだら、その猿は目をきょろ、きょろさせて、そして(辺りを)見てみると、下の方で、亀が呼んでいるので、それで、その猿は下に降りてきた。「何だ、どうしたんだ。」「君は、そこでそんな物を食べるよりも、私と一緒に行けば、一杯御馳走があるが、私と一緒に行こうよ。」と(亀に誘われた)。その猿は、ついにすかされてしまった。「それは本当だろうね。」「本当だよ。」「それなら一緒に連れて行ってくれ。」と言った。こうして(猿は)亀に乗ってその竜宮に着いた。その時に亀は「君は、私に騙されているんだ。」と言った。(猿が)「どうして。」と聞くと、(亀は)「猿の生肝が欲しくて私は君を連れて来たんだ。もう、君の生肝を取って、竜宮のお姫様に差し上げなければならない。」と答えた。猿は大そううろたえてしまったが、それでも猿知恵と言って、知恵をだして、その亀に「君は、それならそうと、私が木の上に居る間に言ってくれれば猿の生肝を持って来たものを。ほらもう、猿の生肝は忘れてきてしまった。もう、必ず猿の生肝がなければいけないのか。」と聞いた。(亀は)「なければならない。」と言った。(猿は)「それなら  また、あそこに行って取って来なくちゃいけないのだが。」と言った。(亀が)「そうだねー、それなら、猿の生肝を忘れてきたのか。」と聞くと、「忘れてきた。」「そうか、それならまた連れて行くから、生肝は必ず忘れないようにして取ってよね。」と言った。そして、また、亀は猿を乗せてそこに行った。さっきまで猿が居た所の木の上に着くと、今度は猿が「君は、私にもう騙されているよ。」君は、私を騙して、私を連れて行って、私を殺そうとしたが、、今度は、私が騙して君をここに連れて来た。君は許してはおけない!」と言った。そうして、猿の友達を集めて、みんなで石を持ってコツン、コツンと亀の甲を打ったので、その亀は、強くふんばった。そうしたから背中はふくれ上がった。それから、亀の甲もあちこち割れてしまった。そして、頭も打たれたので、頭も引っこむし、尾を引っぱると、尾も引っこんでしまう。こんなことがあってから亀は、亀甲に割れ目ができ、頭を引っこめるし、尾も引っこめるようになった。 それで、亀は陸に育たなくなり、海の中で育つようになったという話だった。

再生時間:6:07

民話詳細DATA

レコード番号 47O371141
CD番号 47O37C050
決定題名 猿の生肝(方言)
話者がつけた題名 猿の生肝
話者名 玉城功栄
話者名かな たましろこうえい
生年月日 19040615
性別
出身地 沖縄県読谷村渡慶次
記録日 19770508
記録者の所属組織 読谷村民話調査団第8班
元テープ番号 読谷村伊良皆T12B11
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 12
発句(ほっく) んかし
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集1伊良皆の民話 P47
キーワード 沖縄の竜宮,伊江島,お姫さんが病気,猿の生肝,亀,木の実,御馳走,騙された,猿知恵,石で亀の甲を打った,頭や尾を引っこめる,亀甲に割れ目,亀海の中で
梗概(こうがい) 昔、沖縄の竜宮は、伊江島にあったというお話でしたが。それで、そこの竜宮のお姫さんが、病気になられたので、ある人が、「お姫様は猿の生肝を食べさせないと治らない。」とおっしゃった。「それではもうどうしようか。」と役人達が集まって相談した。「猿は木の上に居るんだし、この竜宮から行くにしては海だし、それ(使い)は誰が出来るか。」と相談した。「亀なら出来る」と相談して(決めた)。亀は「はい」と引き受けた。そうして、猿の居る場所に、亀は泳いで行き、それから山に登って行って休んでいた。そこで、猿が木の上で、色々な木の実を食べているのを見て、「ここにおいで、おいで。」と呼んだら、その猿は目をきょろ、きょろさせて、そして(辺りを)見てみると、下の方で、亀が呼んでいるので、それで、その猿は下に降りてきた。「何だ、どうしたんだ。」「君は、そこでそんな物を食べるよりも、私と一緒に行けば、一杯御馳走があるが、私と一緒に行こうよ。」と(亀に誘われた)。その猿は、ついにすかされてしまった。「それは本当だろうね。」「本当だよ。」「それなら一緒に連れて行ってくれ。」と言った。こうして(猿は)亀に乗ってその竜宮に着いた。その時に亀は「君は、私に騙されているんだ。」と言った。(猿が)「どうして。」と聞くと、(亀は)「猿の生肝が欲しくて私は君を連れて来たんだ。もう、君の生肝を取って、竜宮のお姫様に差し上げなければならない。」と答えた。猿は大そううろたえてしまったが、それでも猿知恵と言って、知恵をだして、その亀に「君は、それならそうと、私が木の上に居る間に言ってくれれば猿の生肝を持って来たものを。ほらもう、猿の生肝は忘れてきてしまった。もう、必ず猿の生肝がなければいけないのか。」と聞いた。(亀は)「なければならない。」と言った。(猿は)「それなら  また、あそこに行って取って来なくちゃいけないのだが。」と言った。(亀が)「そうだねー、それなら、猿の生肝を忘れてきたのか。」と聞くと、「忘れてきた。」「そうか、それならまた連れて行くから、生肝は必ず忘れないようにして取ってよね。」と言った。そして、また、亀は猿を乗せてそこに行った。さっきまで猿が居た所の木の上に着くと、今度は猿が「君は、私にもう騙されているよ。」君は、私を騙して、私を連れて行って、私を殺そうとしたが、、今度は、私が騙して君をここに連れて来た。君は許してはおけない!」と言った。そうして、猿の友達を集めて、みんなで石を持ってコツン、コツンと亀の甲を打ったので、その亀は、強くふんばった。そうしたから背中はふくれ上がった。それから、亀の甲もあちこち割れてしまった。そして、頭も打たれたので、頭も引っこむし、尾を引っぱると、尾も引っこんでしまう。こんなことがあってから亀は、亀甲に割れ目ができ、頭を引っこめるし、尾も引っこめるようになった。 それで、亀は陸に育たなくなり、海の中で育つようになったという話だった。
全体の記録時間数 6:07
物語の時間数 6:07
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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