
銘苅川といったのか、この川にね、天女が水浴びに来たんだってさ。そうしたら、そこへ山の樵が木を切りながら歩いて来たんだね。とてもいい匂いがしたようだ。「珍しいことだ。こんなに香りがいいとは、何だろうか。嗅いだこともない匂いだ。」と、大変珍しがって、あちこち捜した。(すると)羽衣が松にこんなふうに掛かっているのを見つけて降ろしたわけだ。(樵は)松に掛かっている羽衣を、「これはもう、普通の着物ではない。変わった着物だから家に持って行って、家の家宝にしよう。」と言って、持って帰ろうとした。すると、この女が「これは私の羽衣だから返して下さい。これがないと、天に帰ることができないから、どうぞ、返して下さい。」と言った。(木樵は)「返すとも、追って来なさい。(私を)追って来なさい。」と言って、家に行った。(天女は)ずっと追って行き、(樵)の家まで行ったが、その羽衣は隠してしまっていた。(天女は)帰ることができなくなったんだよ。その女は天に帰ることができないので、この家にずっと居てその人の妻になったそうだ。そうして、3人の男の子ができて、ここで、3人の男の子を産んだわけだ。ある日、その男が畑に行っている時に、子供達が羽衣を捜しあててしまった。甕の中から、子供達が羽衣を捜し出したところを、親(天女)がそれを見て、「よかった。」といって、(羽衣を)取って隠してしまった。それから、この子供達を、また、昼寝をして3人とも寝かしてしまって、その間に天へ、羽衣を着て昇ろうとして、昇って行こうとしたところ、子供達は目をさまして、「あれよあれ 私の母親は あれよあれ 天の白雲に隠れて見えない。」と3人で歌を歌っているときに父親が帰って来た。「どうしたのか。」と言ったら、「これ(羽衣)を捜したらお母さんが取って、天に昇って行ってしまったよー。」と、子供達からの話だった。すると(父親が)「お前達は、普通の子ではない。あの人の子だから、天女の子だから、お母さんが天で見守っているから、お母さんを恋しがらずに立派に成長しなさいね。」と言った。そんな話だったよ。
| レコード番号 | 47O371134 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C050 |
| 決定題名 | 天人女房(方言) |
| 話者がつけた題名 | 天人女房 |
| 話者名 | 玉城ナヲ |
| 話者名かな | たましろなを |
| 生年月日 | 19080410 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村渡慶次 |
| 記録日 | 19770508 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第8班 |
| 元テープ番号 | 読谷村伊良皆T12B04 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集1伊良皆の民話 P74 |
| キーワード | 銘苅川,天女が水浴び,山の樵,いい匂い,羽衣,松,天に帰れない,妻,3人の男の子,甕の中に羽衣,天へ昇る |
| 梗概(こうがい) | 銘苅川といったのか、この川にね、天女が水浴びに来たんだってさ。そうしたら、そこへ山の樵が木を切りながら歩いて来たんだね。とてもいい匂いがしたようだ。「珍しいことだ。こんなに香りがいいとは、何だろうか。嗅いだこともない匂いだ。」と、大変珍しがって、あちこち捜した。(すると)羽衣が松にこんなふうに掛かっているのを見つけて降ろしたわけだ。(樵は)松に掛かっている羽衣を、「これはもう、普通の着物ではない。変わった着物だから家に持って行って、家の家宝にしよう。」と言って、持って帰ろうとした。すると、この女が「これは私の羽衣だから返して下さい。これがないと、天に帰ることができないから、どうぞ、返して下さい。」と言った。(木樵は)「返すとも、追って来なさい。(私を)追って来なさい。」と言って、家に行った。(天女は)ずっと追って行き、(樵)の家まで行ったが、その羽衣は隠してしまっていた。(天女は)帰ることができなくなったんだよ。その女は天に帰ることができないので、この家にずっと居てその人の妻になったそうだ。そうして、3人の男の子ができて、ここで、3人の男の子を産んだわけだ。ある日、その男が畑に行っている時に、子供達が羽衣を捜しあててしまった。甕の中から、子供達が羽衣を捜し出したところを、親(天女)がそれを見て、「よかった。」といって、(羽衣を)取って隠してしまった。それから、この子供達を、また、昼寝をして3人とも寝かしてしまって、その間に天へ、羽衣を着て昇ろうとして、昇って行こうとしたところ、子供達は目をさまして、「あれよあれ 私の母親は あれよあれ 天の白雲に隠れて見えない。」と3人で歌を歌っているときに父親が帰って来た。「どうしたのか。」と言ったら、「これ(羽衣)を捜したらお母さんが取って、天に昇って行ってしまったよー。」と、子供達からの話だった。すると(父親が)「お前達は、普通の子ではない。あの人の子だから、天女の子だから、お母さんが天で見守っているから、お母さんを恋しがらずに立派に成長しなさいね。」と言った。そんな話だったよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:18 |
| 物語の時間数 | 2:18 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |