身売りされた女(共通語混)

概要

これはもう、約百年前の話だと思うれど、私もはっきりは分からないが、先輩の方々からその由来といいますか、昔話を聞かされて、あんたにお話しますが。(ある娘が)家庭が貧しいために女郎として売られた。年頃はだいたい十七・八に女郎として売られた。美女でもあり、それ相当に親孝行(な娘)であった。 それにお客さんもたくさんいらっしゃったそうですよ。そのうちに、特に首里の何といいますか、親方、武士でしょうか、位のある役人に見初められた。それからは、(その人と)決めて、あんまり他から客をとるということもせずに、その首里の方だけに絞って、いわば身請けされたという話だね。その後、どういうわけだったのか、その男は急に頭がおかしくなってしまった。狂人になってしまった。それでもこの女は、「(たとえ気が)狂れても、この人に助けられたんだから」という人情(があった。)(男は)全く食事もできなくて手も全く弛れてしまった。それでも足は達者なので、あちこちら全部歩きまわって、人や世間の邪魔者になっていた。(女は男の)後をいつも追いかけて、そうして手を捕んで連れて帰ったり、御飯もはさんで食べさせる程であった。はさんで食べる程であった。はさんで食べさせないと、餓死してしまう変な病気にかかってしまった。昔の(人は)人情があった。たとえ狂ってしまっても、食事もできず餓死する程になっても。この女の人は、容貌や何から何までそなわって、人情もあった。早いうちにこの男も老いて、この世を去ったという話だが。今この女と一緒に一つの墓に入って、現在のその伝え話が今も残っているわけだが。本当の人間そのものは、夫婦となったからには一緒に助けあって、たとえ逆に女がこのように(バカに)なっても、互いに常から情を持たなければ。これからの青年、娘達が本当にこれを真似たらなあと思うし、私としては考えたい。

再生時間:4:13

民話詳細DATA

レコード番号 47O370920
CD番号 47O37C041
決定題名 身売りされた女(共通語混)
話者がつけた題名 身売りされた女
話者名 伊波栄治
話者名かな いはえいじ
生年月日 19091108
性別
出身地 沖縄県読谷村伊良皆
記録日 19770223
記録者の所属組織 読谷村民話調査団第7班
元テープ番号 読谷村伊良皆T04B04
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情 由来記
文字化資料 読谷村民話資料集1伊良皆の民話 P302
キーワード 貧しい,女郎,美女,親孝行,首里,親方,武士で,身請け,狂人,餓死,墓
梗概(こうがい) これはもう、約百年前の話だと思うれど、私もはっきりは分からないが、先輩の方々からその由来といいますか、昔話を聞かされて、あんたにお話しますが。(ある娘が)家庭が貧しいために女郎として売られた。年頃はだいたい十七・八に女郎として売られた。美女でもあり、それ相当に親孝行(な娘)であった。 それにお客さんもたくさんいらっしゃったそうですよ。そのうちに、特に首里の何といいますか、親方、武士でしょうか、位のある役人に見初められた。それからは、(その人と)決めて、あんまり他から客をとるということもせずに、その首里の方だけに絞って、いわば身請けされたという話だね。その後、どういうわけだったのか、その男は急に頭がおかしくなってしまった。狂人になってしまった。それでもこの女は、「(たとえ気が)狂れても、この人に助けられたんだから」という人情(があった。)(男は)全く食事もできなくて手も全く弛れてしまった。それでも足は達者なので、あちこちら全部歩きまわって、人や世間の邪魔者になっていた。(女は男の)後をいつも追いかけて、そうして手を捕んで連れて帰ったり、御飯もはさんで食べさせる程であった。はさんで食べる程であった。はさんで食べさせないと、餓死してしまう変な病気にかかってしまった。昔の(人は)人情があった。たとえ狂ってしまっても、食事もできず餓死する程になっても。この女の人は、容貌や何から何までそなわって、人情もあった。早いうちにこの男も老いて、この世を去ったという話だが。今この女と一緒に一つの墓に入って、現在のその伝え話が今も残っているわけだが。本当の人間そのものは、夫婦となったからには一緒に助けあって、たとえ逆に女がこのように(バカに)なっても、互いに常から情を持たなければ。これからの青年、娘達が本当にこれを真似たらなあと思うし、私としては考えたい。
全体の記録時間数 4:13
物語の時間数 4:13
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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