
昔、長浜にあった話だがね。私の舅、私の舅の姉の夫の話なんだがね。その人が若い頃、(友達とふたりで)夜遊びしたときのことである。女達を家に閉じ籠(こめ)たら、その女達はどこに隠れてしまったのか分らなくなった。そして、家のそばを見ると、美しい女が立っていた。ふたりは「あれっ、あそこにもいる。」「あそこにもいる。」と、女を掴まえようと追って行った。しかし、いっこうに掴まえることはできず、そのふたりが近づいて行けばいくほど(その女は)離れて行ってしまった。しまいには、長浜のメーヌヒラという所、〈現在の坂の所、昔はサーター屋もあった。〉に上って行った。それからは、もう恐くなっていたが、それでもふたり肩を抱きあって(女を)ずっとずっと追っかけて行った。すると、その女はナカブクという所に向かったので、そこまで追って行った。(みると)もう洗い髪のまま髪を垂らして立っていたようだ。そして、その洗い髪からちょうど螢のように、最初は螢のごとくちらちら(光ってきた。)もうふたりは恐くなっておびえていた。しばらくして、(螢のようなものは)火になって、ナカブクにあっという間に飛んでいったという話なんだよ。それが、この火玉がやったのか、その火玉はその夜で波平の家を焼いてしまった。南の方にある波平だがね、そういう話だった。そんな話だが、また波平家と(火玉を見た)男の人の家庭は元祖のことではすこしばかり関係があったと話されていたがね、その人は、私の舅の姉の夫にあたるのだから、そんなに以前のことではないよ。そして、長浜の部落では、「メーヌヒラから火玉があがるよう。」ということで、そこにある岩の前に、岩の数だけ(魔よけとして)シーサーを置いてあった。また、長浜は六世帯焼けたこともあるし、七世帯焼けたこともあるそうだ。それで、メーヌヒラから火玉が下りてきて家を焼くといわれていた。砂糖小屋のそばの岩などにもすべてシーサーを置いてあったということだ。そのときから、浜の入口もそのようにしてあったということである。
| レコード番号 | 47O370729 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C034 |
| 決定題名 | ヒーダマの話(方言) |
| 話者がつけた題名 | ヒーダマの話 |
| 話者名 | 神谷カマド |
| 話者名かな | かみやかまど |
| 生年月日 | 19020608 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19810424 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T09A12 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | んかし |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集4瀬名波の民話 P283 |
| キーワード | 美女,長浜のメーヌヒラ,ナカブク,洗い髪,螢,火玉,波平の家を焼いた,シーサー |
| 梗概(こうがい) | 昔、長浜にあった話だがね。私の舅、私の舅の姉の夫の話なんだがね。その人が若い頃、(友達とふたりで)夜遊びしたときのことである。女達を家に閉じ籠(こめ)たら、その女達はどこに隠れてしまったのか分らなくなった。そして、家のそばを見ると、美しい女が立っていた。ふたりは「あれっ、あそこにもいる。」「あそこにもいる。」と、女を掴まえようと追って行った。しかし、いっこうに掴まえることはできず、そのふたりが近づいて行けばいくほど(その女は)離れて行ってしまった。しまいには、長浜のメーヌヒラという所、〈現在の坂の所、昔はサーター屋もあった。〉に上って行った。それからは、もう恐くなっていたが、それでもふたり肩を抱きあって(女を)ずっとずっと追っかけて行った。すると、その女はナカブクという所に向かったので、そこまで追って行った。(みると)もう洗い髪のまま髪を垂らして立っていたようだ。そして、その洗い髪からちょうど螢のように、最初は螢のごとくちらちら(光ってきた。)もうふたりは恐くなっておびえていた。しばらくして、(螢のようなものは)火になって、ナカブクにあっという間に飛んでいったという話なんだよ。それが、この火玉がやったのか、その火玉はその夜で波平の家を焼いてしまった。南の方にある波平だがね、そういう話だった。そんな話だが、また波平家と(火玉を見た)男の人の家庭は元祖のことではすこしばかり関係があったと話されていたがね、その人は、私の舅の姉の夫にあたるのだから、そんなに以前のことではないよ。そして、長浜の部落では、「メーヌヒラから火玉があがるよう。」ということで、そこにある岩の前に、岩の数だけ(魔よけとして)シーサーを置いてあった。また、長浜は六世帯焼けたこともあるし、七世帯焼けたこともあるそうだ。それで、メーヌヒラから火玉が下りてきて家を焼くといわれていた。砂糖小屋のそばの岩などにもすべてシーサーを置いてあったということだ。そのときから、浜の入口もそのようにしてあったということである。 |
| 全体の記録時間数 | 2:50 |
| 物語の時間数 | 2:50 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |