
テーラシカマグチという方は、墓の中で生まれてこられた方だがね。でもその後、妊婦が亡くなると、その子は流産させてから葬むったそうだが(そのわけを話してみよう。)その流産させてから葬むると言うのは、例えばここ沖縄では埋葬で、土葬ではないでしょう。埋葬だから、その妊娠している人が、亡くなりそのまま葬ったので、その子どもは臨月になっていたらしく、人間は死んでしまうと腐ってしまうでしょう。すると、お腹の中から子どもだけはそのまま生まれてしまった。それで、母親の魂は、毎日同じ時間に同じ店にお菓子を買いに行って、それを(墓の子どもに食べさせていた。)「毎日同じ時間にお菓子を買うのは、珍しいことだ。」と、その後店の人も思うようになった。しかし、夜のことだから(お金のことは気づかなかった。)夜が明けて、そのお菓子を売り、もらったお金をみるとウチカビであった。昔のミーヌチャー銭、それで支払ってあった。「これは珍しいことだから、もしもう一度その女が買いに来たら後を追ってみよう。」と、思った。そしてその女を追って行くと、墓に入って行ったそうだ。それから皆で話し合って、「どうだ、墓を開けて見ないか。」と、そして開けることになって墓の中を見ると、子どもが棺の外に出て棺の上から腹ばいになっていたようだ。「ああ、この女の子どものようだ、この子を連れて行き、私達で育てよう。」と、言いその子どもがテーラシカマグチである。それで、その人は(テーラシカマグチ)あの世に半分、この世に半分だけれど、「私が枕して寝ている最中には、起こすなよ。」と強く言われていた。その人は、寝ているときは、あの世に行っているんだね。しかし、「こんなに長い時間寝るということはないのに、起こしてみよう。」と、起こしてしまった。その人は、あの世に行っているんだから、起こさなければどうもなかったのに、起こしたために、そのまま亡くなってしまったそうだ。あの人が、テーラシカマグチだよ。あの世に半分、この世に半分歩かれた人がその人なんだ。その人は、墓で生まれ、それから、その後は妊娠している人をそのまま埋葬するものではないという話が残っている。
| レコード番号 | 47O370672 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C031 |
| 決定題名 | 子育て幽霊(方言) |
| 話者がつけた題名 | テーラシカマグチ |
| 話者名 | 屋良朝助 |
| 話者名かな | やらちょうすけ |
| 生年月日 | 19070608 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19770815 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第7班 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T07A13 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集4瀬名波の民話 P85 |
| キーワード | テーラシカマグチ,墓の中で生まれる,妊婦,流産,葬むる,埋葬,土葬,妊娠,同じ時間,同じ店,お菓子,ウチカビ,ミーヌチャー銭,墓に子供,棺の外,テーラシカマグチ,あの世に半分この世に半分 |
| 梗概(こうがい) | テーラシカマグチという方は、墓の中で生まれてこられた方だがね。でもその後、妊婦が亡くなると、その子は流産させてから葬むったそうだが(そのわけを話してみよう。)その流産させてから葬むると言うのは、例えばここ沖縄では埋葬で、土葬ではないでしょう。埋葬だから、その妊娠している人が、亡くなりそのまま葬ったので、その子どもは臨月になっていたらしく、人間は死んでしまうと腐ってしまうでしょう。すると、お腹の中から子どもだけはそのまま生まれてしまった。それで、母親の魂は、毎日同じ時間に同じ店にお菓子を買いに行って、それを(墓の子どもに食べさせていた。)「毎日同じ時間にお菓子を買うのは、珍しいことだ。」と、その後店の人も思うようになった。しかし、夜のことだから(お金のことは気づかなかった。)夜が明けて、そのお菓子を売り、もらったお金をみるとウチカビであった。昔のミーヌチャー銭、それで支払ってあった。「これは珍しいことだから、もしもう一度その女が買いに来たら後を追ってみよう。」と、思った。そしてその女を追って行くと、墓に入って行ったそうだ。それから皆で話し合って、「どうだ、墓を開けて見ないか。」と、そして開けることになって墓の中を見ると、子どもが棺の外に出て棺の上から腹ばいになっていたようだ。「ああ、この女の子どものようだ、この子を連れて行き、私達で育てよう。」と、言いその子どもがテーラシカマグチである。それで、その人は(テーラシカマグチ)あの世に半分、この世に半分だけれど、「私が枕して寝ている最中には、起こすなよ。」と強く言われていた。その人は、寝ているときは、あの世に行っているんだね。しかし、「こんなに長い時間寝るということはないのに、起こしてみよう。」と、起こしてしまった。その人は、あの世に行っているんだから、起こさなければどうもなかったのに、起こしたために、そのまま亡くなってしまったそうだ。あの人が、テーラシカマグチだよ。あの世に半分、この世に半分歩かれた人がその人なんだ。その人は、墓で生まれ、それから、その後は妊娠している人をそのまま埋葬するものではないという話が残っている。 |
| 全体の記録時間数 | 3:02 |
| 物語の時間数 | 3:02 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |