
それから、八十八歳になったらトーカチ祝があるでしょう。これもこうだ。ある親子が桑田医者に出会ったようだね、「ああもったいないねえ、その子は。」と言って帰った。 その言葉が気になった親は、人を頼って桑田を探して、「なぜ、どうして子供にそんなことを言うのですか。」と聞いた。すると、「もうその子は、十八歳までの命の運しかもってないよ。」とおっしゃった。「それでは、どうにか助かる方法はないでしょうか。」と、桑田医者は問いつめられた。「それなら、何月何日は、ニーヌファ、ウマヌファの神がどこそこで碁を打ち遊ばれるので、その時に、そこへ御馳走を作って持って行くとよい。」と教えた。「それでは、やってみます。」と、桑田医者のおっしゃるとおり、御馳走を作って行った。そこでは、碁を打ちながら、御馳走を食べたりして、知らぬ間に食べていた。神様は、親子が揃ってそこに座っているのに気がついた。「こういう理由で、お願いに来ました。」と言うと、「いや、これは決められたことなので、どうすることもできない。」と、神様はおっしゃった。桑田が、「こんなにたくさんの御馳走も食べたことだし、少しは考えて下さいませんか。」とお願いした。「そうしようか。」ということで、「それでは、十を取って八を加えよう。」とおっしゃった。一を取って八を加えても十六にしかならない。「それだけでもまだ足りないので、もう少し年を下さい。」と言うと、神様は、「いや、一を取って八を加えるということは八十八ということだよ。」とおっしゃった。それから、八十八までが人間の寿命というつもりでそれを越したら、達運者ということで、トーカチ祝をやるようになったということだ。
| レコード番号 | 47O370614 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C029 |
| 決定題名 | トーカチ由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | トーカチの始まり |
| 話者名 | 神谷カマド |
| 話者名かな | かみやかまど |
| 生年月日 | 19020608 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19761114 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第13班 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T05B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20,80 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | ,八十八歳,トーカチ祝,親子,桑田医者,十八歳までの命の運,ニーヌファ,ウマヌファ,神が碁打ち,御馳走,十を取って八を加えよう,一を取って八を加えても十六 |
| 梗概(こうがい) | それから、八十八歳になったらトーカチ祝があるでしょう。これもこうだ。ある親子が桑田医者に出会ったようだね、「ああもったいないねえ、その子は。」と言って帰った。 その言葉が気になった親は、人を頼って桑田を探して、「なぜ、どうして子供にそんなことを言うのですか。」と聞いた。すると、「もうその子は、十八歳までの命の運しかもってないよ。」とおっしゃった。「それでは、どうにか助かる方法はないでしょうか。」と、桑田医者は問いつめられた。「それなら、何月何日は、ニーヌファ、ウマヌファの神がどこそこで碁を打ち遊ばれるので、その時に、そこへ御馳走を作って持って行くとよい。」と教えた。「それでは、やってみます。」と、桑田医者のおっしゃるとおり、御馳走を作って行った。そこでは、碁を打ちながら、御馳走を食べたりして、知らぬ間に食べていた。神様は、親子が揃ってそこに座っているのに気がついた。「こういう理由で、お願いに来ました。」と言うと、「いや、これは決められたことなので、どうすることもできない。」と、神様はおっしゃった。桑田が、「こんなにたくさんの御馳走も食べたことだし、少しは考えて下さいませんか。」とお願いした。「そうしようか。」ということで、「それでは、十を取って八を加えよう。」とおっしゃった。一を取って八を加えても十六にしかならない。「それだけでもまだ足りないので、もう少し年を下さい。」と言うと、神様は、「いや、一を取って八を加えるということは八十八ということだよ。」とおっしゃった。それから、八十八までが人間の寿命というつもりでそれを越したら、達運者ということで、トーカチ祝をやるようになったということだ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:45 |
| 物語の時間数 | 2:45 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |