
本妻の子も男の子だったそうだね。後妻の子も男の子だったようだが。後妻の子は順序で言えば、次男になるわけだがね。それで、長男はいつも継親から苦しめられていた。継親は自分の子を長男にしたかったようで、普段の弁当も継子には非常にまずいものを持たした。そして、自分の子には、毎日御馳走を作って持たせていた。そして、遠足がやって来た。継子は「ああ、今日の弁当は不思議だなあ。今日は自分一人では食べないようにしよう。」と思い、山づたいにたんぼの近くに行って食べようとした。山の中に入ると、茨の山があって、薪にもなるそのとげのある茨を踏んづけた。「あっ痛い痛いシバナンジャーを踏むと痛い 継親とのつき合いもこんなものだろうか。」という歌を詠んであったそうだ。それから、今日の弁当は不思議だから、向こうのたんぼの上からカラスが飛んでいる。あのカラスに少し食べさせてから、私は食べるようにしようと思いついたようだね。そう思って食べ物を投げると、すぐにカラスが降りて来て食べたようだね。だけども、それを食べた後で、苦しみもがいて、たんぼに口ばしを突っ込みかきまわした。すると、ヒラムスルーが口ばしにかかってきて、それを食べて命は助かったようだ。カラスのおかげで命が助かったので、継子は私の親がカラスになって降りてきたんだと思った。「カラスは、私の産みの親に違いない。田のヒラムスルは、私の命の親だ。」あの飛んで行くカラスは。そして、カラスはまた、たんぼのヒラムスルーを全部探して食べたんでしょうね。ヒラムスルーで毒返しをしたカラスは、また飛び立って行った。「たんぼのヒラムスルーは 命の恩人 飛んで行くカラスは 私の産みの親。」と詠んだそうだ。あの飛んで行くカラスを自分の親だと思う気持ちで、歌は詠んだようだね。そして、「私の胸の中は焼けるように苦しい 水で消してくれる人はいない 水をかけて下さい 焼けつきて炎が飛んでしまわないうちに。」という歌を……。それから、雨だれの水は、したたり落ちるでしょう。墓にも雨だれはあるので、次のような歌を詠んだそうだよ。「雨だれの水が 親の前に落ちたら 苦しみ悩むわが子の涙と思ってほしい。」「焼きつきた炎が 親の前に飛ぶ時は 苦しみ悩むわが子の 形見と思ってほしい。」
| レコード番号 | 47O370434 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C020 |
| 決定題名 | 継子話 烏と弁当(方言) |
| 話者がつけた題名 | 継子話 |
| 話者名 | 当山カマ |
| 話者名かな | とうやまかま |
| 生年月日 | 18971210 |
| 性別 | - |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19810217 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T11A08 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P111 |
| キーワード | 本妻の子も男の子,後妻の子も男の子,継親から苦しめられていた,弁当も継子には非常にまずいもの,自分の子は御馳走,遠足,茨の山,茨を踏んづけた,カラス,ヒラムスルーは命の恩人,雨だれの水 |
| 梗概(こうがい) | 本妻の子も男の子だったそうだね。後妻の子も男の子だったようだが。後妻の子は順序で言えば、次男になるわけだがね。それで、長男はいつも継親から苦しめられていた。継親は自分の子を長男にしたかったようで、普段の弁当も継子には非常にまずいものを持たした。そして、自分の子には、毎日御馳走を作って持たせていた。そして、遠足がやって来た。継子は「ああ、今日の弁当は不思議だなあ。今日は自分一人では食べないようにしよう。」と思い、山づたいにたんぼの近くに行って食べようとした。山の中に入ると、茨の山があって、薪にもなるそのとげのある茨を踏んづけた。「あっ痛い痛いシバナンジャーを踏むと痛い 継親とのつき合いもこんなものだろうか。」という歌を詠んであったそうだ。それから、今日の弁当は不思議だから、向こうのたんぼの上からカラスが飛んでいる。あのカラスに少し食べさせてから、私は食べるようにしようと思いついたようだね。そう思って食べ物を投げると、すぐにカラスが降りて来て食べたようだね。だけども、それを食べた後で、苦しみもがいて、たんぼに口ばしを突っ込みかきまわした。すると、ヒラムスルーが口ばしにかかってきて、それを食べて命は助かったようだ。カラスのおかげで命が助かったので、継子は私の親がカラスになって降りてきたんだと思った。「カラスは、私の産みの親に違いない。田のヒラムスルは、私の命の親だ。」あの飛んで行くカラスは。そして、カラスはまた、たんぼのヒラムスルーを全部探して食べたんでしょうね。ヒラムスルーで毒返しをしたカラスは、また飛び立って行った。「たんぼのヒラムスルーは 命の恩人 飛んで行くカラスは 私の産みの親。」と詠んだそうだ。あの飛んで行くカラスを自分の親だと思う気持ちで、歌は詠んだようだね。そして、「私の胸の中は焼けるように苦しい 水で消してくれる人はいない 水をかけて下さい 焼けつきて炎が飛んでしまわないうちに。」という歌を……。それから、雨だれの水は、したたり落ちるでしょう。墓にも雨だれはあるので、次のような歌を詠んだそうだよ。「雨だれの水が 親の前に落ちたら 苦しみ悩むわが子の涙と思ってほしい。」「焼きつきた炎が 親の前に飛ぶ時は 苦しみ悩むわが子の 形見と思ってほしい。」 |
| 全体の記録時間数 | 3:39 |
| 物語の時間数 | 3:39 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |