
御殿の子は、とても箱入り娘でね。そこの娘は芭蕉を紡いでいたらしい。芭蕉を紡いでいるところに、赤マターがきて話をしたりしていた。(他人には)赤マターの声は聞こえないけれど、「あなたは何だの、どうだの。」と、その娘は笑ったりしゃべったりしていた。そこには人もいないのに(どうしてだろうと、不思議に思った隣のばあさんが、「おまえは誰と話をしているか。」と言ったら、「どうして、あそこに私と話をする相手はいるのに。」と言った。「おまえと話をするのは良い人と思うか。」「良い人ですよ。顔もきれいし、良い人ですよ。」「そうではないよ、さあ、またもそこに話をしに来るはずだから、来たら、その人の顔はあなたにはきれいにみえるでしょう。それから、ウーバーラに芭蕉をたくさん入れておいて、針に通してそいつの額にこのように刺して、きちっと結びなさい。それから、跡をたどっていくと、どこに行くかわかるでしょう。」と隣のばあさんは言った。そのように、針を刺して追ってみると、すんなり洞窟に入って行ってしまった。「ああ、ばあさんの言う通りだったんだね。」と。もうすでに、その娘のお腹には赤マタの子を宿していた。子種は入っているでしょう。子種は入っているので、「もう、それの子を私は宿しているといってだが、それのものなんだね。」と後悔した。その後、その娘は赤マターの大きな卵をサーッ、サーッと産んだ。赤マターの卵が入っていたので、産む時期がきて、サーッと卵を産んだ。「今度はどうしようか。」ということになり、その卵はマーグの中に入れて置いていたら、ふ化して人がでてきた。卵から人がかえったということはね、卵からかえった人、もうふ化して人間になり、人の血で作られているが、種は赤マターのものである。それで、赤マターの子といわれ、ているが赤マターの思かげはなく、美人が生まれていたそうだ。卵が割れてその中から、人間が出てきたわけだ。そういうことで、マーグの中に入っているのを見たらね、これは昔話だよ。それはもうひとりで養ってはいけない。もうこれは、ごはんも食べさせ育てあげて成長したら、あっちこっちに行かしなさいということになった。あそこのヌール、ここのヌール、今度は伊波に、伊波のクチジーにヌールがいらっしゃるが、今度は座喜味のヌールがいて、喜名のヌールがいて、また今度は瀬名波のヌールがいて、また楚辺のヌールがいた。それで、七人生まれたので、ひとりは自分で養って、六人は別の国へもらわしたということである。
| レコード番号 | 47O370412 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C019 |
| 決定題名 | 赤マタ婿入 苧環型(方言) |
| 話者がつけた題名 | アカマターの話 |
| 話者名 | 当山ウシ |
| 話者名かな | とうやまうし |
| 生年月日 | 18890515 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19770815 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第16班 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T10B04 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 親 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P37 |
| キーワード | ,御殿の子,箱入り娘,芭蕉を紡ぐ,赤マター,娘は笑ったりしゃべったりしていた,隣のばあさん,美男子,ウーバーラ,針を通して額に刺した,洞窟,赤マタの子を宿す,赤マターの卵を産んだ,マーグの中に入れて置いた,孵化して人がかえった,ヌール,伊波のクチジーのヌール,座喜味のヌール,喜名のヌール,瀬名波のヌール,楚辺のヌール,七人生まれた |
| 梗概(こうがい) | 御殿の子は、とても箱入り娘でね。そこの娘は芭蕉を紡いでいたらしい。芭蕉を紡いでいるところに、赤マターがきて話をしたりしていた。(他人には)赤マターの声は聞こえないけれど、「あなたは何だの、どうだの。」と、その娘は笑ったりしゃべったりしていた。そこには人もいないのに(どうしてだろうと、不思議に思った隣のばあさんが、「おまえは誰と話をしているか。」と言ったら、「どうして、あそこに私と話をする相手はいるのに。」と言った。「おまえと話をするのは良い人と思うか。」「良い人ですよ。顔もきれいし、良い人ですよ。」「そうではないよ、さあ、またもそこに話をしに来るはずだから、来たら、その人の顔はあなたにはきれいにみえるでしょう。それから、ウーバーラに芭蕉をたくさん入れておいて、針に通してそいつの額にこのように刺して、きちっと結びなさい。それから、跡をたどっていくと、どこに行くかわかるでしょう。」と隣のばあさんは言った。そのように、針を刺して追ってみると、すんなり洞窟に入って行ってしまった。「ああ、ばあさんの言う通りだったんだね。」と。もうすでに、その娘のお腹には赤マタの子を宿していた。子種は入っているでしょう。子種は入っているので、「もう、それの子を私は宿しているといってだが、それのものなんだね。」と後悔した。その後、その娘は赤マターの大きな卵をサーッ、サーッと産んだ。赤マターの卵が入っていたので、産む時期がきて、サーッと卵を産んだ。「今度はどうしようか。」ということになり、その卵はマーグの中に入れて置いていたら、ふ化して人がでてきた。卵から人がかえったということはね、卵からかえった人、もうふ化して人間になり、人の血で作られているが、種は赤マターのものである。それで、赤マターの子といわれ、ているが赤マターの思かげはなく、美人が生まれていたそうだ。卵が割れてその中から、人間が出てきたわけだ。そういうことで、マーグの中に入っているのを見たらね、これは昔話だよ。それはもうひとりで養ってはいけない。もうこれは、ごはんも食べさせ育てあげて成長したら、あっちこっちに行かしなさいということになった。あそこのヌール、ここのヌール、今度は伊波に、伊波のクチジーにヌールがいらっしゃるが、今度は座喜味のヌールがいて、喜名のヌールがいて、また今度は瀬名波のヌールがいて、また楚辺のヌールがいた。それで、七人生まれたので、ひとりは自分で養って、六人は別の国へもらわしたということである。 |
| 全体の記録時間数 | 3:36 |
| 物語の時間数 | 3:36 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |