
嫁のところへ、姑が大麦を出してきて、「この麦を搗いて実にすることができなかったら、この家にお
いてやらない。」とおっしゃった。(嫁にとっては)夫も大切な人でしょう。女が(家を出て)再婚するのはつらいことでしょう。それで、(嫁は)言われたとおりに、一日中麦を搗いたのだけれど、搗いても麦の皮がむけるということはなく、砕けるばかりさ。「どうなっていくんだろう、私の身の上は。」とこの嫁は泣いた。すると、泣いた涙が落ちてね。それでこうしてかき回したら(麦が)湿って、うつむいたままかき回す間には、涙がたくさん落ちた。杵でつくと(涙で)ぬれているだけで皮がむけた。「ああ、これは水などを入れてかき回すものなんだなあ。」と思いついた。それで「私はひとりで物習いすることができた。」と言って、水を入れてかき回したところ、(麦は)実になった。実にすることができたので、(姑は、嫁を)追い出すことができなかったとさ。何の不足も無かったんだろうね、この嫁は。不足は無かったんだろう。そういう訳で、この嫁は大麦を搗きおえることができたって。昔の人にはたいそう悪い心をもったのがいたそうだね。この話もお婆さん達がなさっていたよ。
| レコード番号 | 47O370260 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C011 |
| 決定題名 | 継子話 麦と涙(方言) |
| 話者がつけた題名 | 嫁と姑の話 |
| 話者名 | 松田ウシ |
| 話者名かな | まつだうし |
| 生年月日 | 18870514 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19761031 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第7班 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T03B07 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | カニクの百歳のお婆さん |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P115 |
| キーワード | 嫁,姑,大麦搗く,涙,水 |
| 梗概(こうがい) | 嫁のところへ、姑が大麦を出してきて、「この麦を搗いて実にすることができなかったら、この家にお いてやらない。」とおっしゃった。(嫁にとっては)夫も大切な人でしょう。女が(家を出て)再婚するのはつらいことでしょう。それで、(嫁は)言われたとおりに、一日中麦を搗いたのだけれど、搗いても麦の皮がむけるということはなく、砕けるばかりさ。「どうなっていくんだろう、私の身の上は。」とこの嫁は泣いた。すると、泣いた涙が落ちてね。それでこうしてかき回したら(麦が)湿って、うつむいたままかき回す間には、涙がたくさん落ちた。杵でつくと(涙で)ぬれているだけで皮がむけた。「ああ、これは水などを入れてかき回すものなんだなあ。」と思いついた。それで「私はひとりで物習いすることができた。」と言って、水を入れてかき回したところ、(麦は)実になった。実にすることができたので、(姑は、嫁を)追い出すことができなかったとさ。何の不足も無かったんだろうね、この嫁は。不足は無かったんだろう。そういう訳で、この嫁は大麦を搗きおえることができたって。昔の人にはたいそう悪い心をもったのがいたそうだね。この話もお婆さん達がなさっていたよ。 |
| 全体の記録時間数 | 1:13 |
| 物語の時間数 | 1:13 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |