
この男は、食いしん坊だったんでしょうね。蛸は取って来たものの、煮る道具がなくてね。鍋が無いので、隣に行ってハガマを借りて来たそうだ。男はハガマを借りてきて蛸煮た。また隣の人もちょっと知恵持ちだったんでしょうね。今頃は、蛸は煮立っている時分で、蛸の手は上の方にひっくり返っている。「今頃は、蛸は煮立っている時分だからハガマを取りに行こうかな…。」と思った。それで、「おい!私達は今、ハガマを使うので、ハガマを返してくれないか。」と言うと、見せないで、急いで煮汁をこぼしたつもりだが、ハガマに蛸はくっついて、汁だけが落ち、中身は落ちないでしょう。それで、その人が行ってから、「蛸か化物か、蛸か化物か。」と繰り返し言ったそうだ。すると、隣ではそれを聞いているでしょう。男が餓鬼しようと、自分一人で煮て食べようとするが、「蛸か化物か」と言っているようだよ(と隣の人はおかしく感じていた。」ところで、「蛸は洗って入れた。火は燃やした。煮立った。蛸か化物か。」と繰り返していたそうだ。それは当然でしょうね。(汁を)こぼすのを見てないので。とうとう(隣の人は)我慢できずにふきだしてしまった。ついに(蛸を持ってきて)「ねえ、男のくせに餓鬼しようとするから君は。蛸か化物かと言うけどね、蛸か化物かではない。煮立っている最中に、ハガマに蛸はくっついて落ちないので、君をからかうつもりで取りにきたのよ。はい、君の蛸は返す。」と渡したそうだ。「私は、これは本物の蛸だったかな。化物の蛸だったかなあと思っていたのに本物だったんですね。それで蛸か化物だと言いましたのよ。」と言ったそうだよ。それで、話の狂言に「蛸か化物か」というのがたまたまあるでしょう。だからそう言ったのでしょうね。
| レコード番号 | 47O370156 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C007 |
| 決定題名 | 蛸か化け物か(方言) |
| 話者がつけた題名 | ガチマヤーの男 |
| 話者名 | 松田ミヨ |
| 話者名かな | まつだみよ |
| 生年月日 | 19080202 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村喜名 |
| 記録日 | 19770619 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第3班 |
| 元テープ番号 | 読谷村喜名T08B09 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 叔母の比嘉ウシ |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集2喜名の民話 P10 |
| キーワード | ガチ,蛸,ハガマ,隣の人,タクかマジムンか |
| 梗概(こうがい) | この男は、食いしん坊だったんでしょうね。蛸は取って来たものの、煮る道具がなくてね。鍋が無いので、隣に行ってハガマを借りて来たそうだ。男はハガマを借りてきて蛸煮た。また隣の人もちょっと知恵持ちだったんでしょうね。今頃は、蛸は煮立っている時分で、蛸の手は上の方にひっくり返っている。「今頃は、蛸は煮立っている時分だからハガマを取りに行こうかな…。」と思った。それで、「おい!私達は今、ハガマを使うので、ハガマを返してくれないか。」と言うと、見せないで、急いで煮汁をこぼしたつもりだが、ハガマに蛸はくっついて、汁だけが落ち、中身は落ちないでしょう。それで、その人が行ってから、「蛸か化物か、蛸か化物か。」と繰り返し言ったそうだ。すると、隣ではそれを聞いているでしょう。男が餓鬼しようと、自分一人で煮て食べようとするが、「蛸か化物か」と言っているようだよ(と隣の人はおかしく感じていた。」ところで、「蛸は洗って入れた。火は燃やした。煮立った。蛸か化物か。」と繰り返していたそうだ。それは当然でしょうね。(汁を)こぼすのを見てないので。とうとう(隣の人は)我慢できずにふきだしてしまった。ついに(蛸を持ってきて)「ねえ、男のくせに餓鬼しようとするから君は。蛸か化物かと言うけどね、蛸か化物かではない。煮立っている最中に、ハガマに蛸はくっついて落ちないので、君をからかうつもりで取りにきたのよ。はい、君の蛸は返す。」と渡したそうだ。「私は、これは本物の蛸だったかな。化物の蛸だったかなあと思っていたのに本物だったんですね。それで蛸か化物だと言いましたのよ。」と言ったそうだよ。それで、話の狂言に「蛸か化物か」というのがたまたまあるでしょう。だからそう言ったのでしょうね。 |
| 全体の記録時間数 | 2:09 |
| 物語の時間数 | 2:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |