
翁長真鶴は話によると、大変な美人だったそうだね。その翁長真鶴と北谷真牛との美しさの競い合いがあったようだ。それにまた、北谷真牛も音高い美人で、翁長真鶴もそれに劣らず喜名では一番の美女だった。それで何月の何日は翁長真鶴と北谷真牛の美しさ比べをするということで、北谷真牛が駕籠に乗せられて喜名にやって来たらしい。翁長真鶴は、今日は北谷真牛という美人がいらっしゃるということだし拝んでみようと思った。その人の髪はとても長く、その人が髪を洗うと、ここのウスクの木にかけてかわかされたそうだ。あまりにも髪が長いのでね。それで、美人比べの日翁長真鶴は洗い髪にバサージンを簡単に着けて飛び出した。すると北谷真牛を見る人はなく、翁長真鶴に人々の目は集まった。あまりにも翁長真鶴は美しかった。そうしたら、首里のある御殿の奥方がお亡くなりになり、本妻を亡くした主人がその翁長真鶴を見て、ぜひ妻にしたいということで、話が整った。それで、妻として首里に上ることになった。その翁長真鶴は後妻として上ったそうだが、そこの先妻の御子が霊力高く生まれていて、その子が男の親に、「お父さん、その人は国元へ里方へお帰し下さい。」と言った。「なぜ、そのようなことを言うのか。」と父親が聞きただすと、「その人の息が弱々しく聞こえます。寝ているときの息が弱々しいので、命はそう長くはないと思います。国元へ帰して、自分の生まれ島で残りを過ごさせて下さい。」答えた。「えっ、そうか、そんなに息は弱々しいか。」とたずねると、「息づかいはとても弱々しく長生きはとうてい無理だと思えます。帰して下さい。」と言った。里へ帰ってからしばらくしてほんとうに亡くなったらしい。そして、その人は首里の御子が言うとうり、亡くなって、私達の喜名一門の御墓に送られているはずだ。ジーファとか鏡とかが今もその当時のままにあるらしい。その翁長真鶴は、前喜名の娘でたいへん美人だったらしい。とても美しく、その人の髪は地面に届くくらい長く、家で髪を洗うと、ウスクドーのウスクの木に打ちかけて干されていたということだ。それほどにすばらしい髪の持ち主で、美人だったらしいよ。しかし、家に帰されてからは長生きはせずすぐ死んでしまったらしい。首里から帰ってからどの人にもそわず親の家でそのまま一生を終え、親の墓に一緒に納骨されているようだ。今でも、そのままに。
| レコード番号 | 47O370115 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C005 |
| 決定題名 | 翁長マジルの話(方言) |
| 話者がつけた題名 | 翁長マジル |
| 話者名 | 松田ミヨ |
| 話者名かな | まつだみよ |
| 生年月日 | 19080202 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村喜名 |
| 記録日 | 19761017 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第8班 |
| 元テープ番号 | 読谷村喜名T06A13 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集2喜名の民話 P234 |
| キーワード | 翁長マジル,洗い髪,ウスク,前喜名,首里ぬ御殿 |
| 梗概(こうがい) | 翁長真鶴は話によると、大変な美人だったそうだね。その翁長真鶴と北谷真牛との美しさの競い合いがあったようだ。それにまた、北谷真牛も音高い美人で、翁長真鶴もそれに劣らず喜名では一番の美女だった。それで何月の何日は翁長真鶴と北谷真牛の美しさ比べをするということで、北谷真牛が駕籠に乗せられて喜名にやって来たらしい。翁長真鶴は、今日は北谷真牛という美人がいらっしゃるということだし拝んでみようと思った。その人の髪はとても長く、その人が髪を洗うと、ここのウスクの木にかけてかわかされたそうだ。あまりにも髪が長いのでね。それで、美人比べの日翁長真鶴は洗い髪にバサージンを簡単に着けて飛び出した。すると北谷真牛を見る人はなく、翁長真鶴に人々の目は集まった。あまりにも翁長真鶴は美しかった。そうしたら、首里のある御殿の奥方がお亡くなりになり、本妻を亡くした主人がその翁長真鶴を見て、ぜひ妻にしたいということで、話が整った。それで、妻として首里に上ることになった。その翁長真鶴は後妻として上ったそうだが、そこの先妻の御子が霊力高く生まれていて、その子が男の親に、「お父さん、その人は国元へ里方へお帰し下さい。」と言った。「なぜ、そのようなことを言うのか。」と父親が聞きただすと、「その人の息が弱々しく聞こえます。寝ているときの息が弱々しいので、命はそう長くはないと思います。国元へ帰して、自分の生まれ島で残りを過ごさせて下さい。」答えた。「えっ、そうか、そんなに息は弱々しいか。」とたずねると、「息づかいはとても弱々しく長生きはとうてい無理だと思えます。帰して下さい。」と言った。里へ帰ってからしばらくしてほんとうに亡くなったらしい。そして、その人は首里の御子が言うとうり、亡くなって、私達の喜名一門の御墓に送られているはずだ。ジーファとか鏡とかが今もその当時のままにあるらしい。その翁長真鶴は、前喜名の娘でたいへん美人だったらしい。とても美しく、その人の髪は地面に届くくらい長く、家で髪を洗うと、ウスクドーのウスクの木に打ちかけて干されていたということだ。それほどにすばらしい髪の持ち主で、美人だったらしいよ。しかし、家に帰されてからは長生きはせずすぐ死んでしまったらしい。首里から帰ってからどの人にもそわず親の家でそのまま一生を終え、親の墓に一緒に納骨されているようだ。今でも、そのままに。 |
| 全体の記録時間数 | 2:59 |
| 物語の時間数 | 2:59 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |