
これはこうだよ。猿のね、おしりの赤くなっているのは、なぜ猿のおしりは赤いかねという話だよ。題目は、「お猿のけつはなぜ赤いか。」これはね、あんたが今、言ったとおりね、もちろんこの、金持ちの人とね、貧乏者といたってよ。そして、金持ちの人はお金はたくさんあるでしょう。だから、年の夜にごちそうを作ってね、もう年の夜だからといって、食べたって。で、貧乏者はね、もうおじいさんとお婆さんと二人ね、お金もなくてもうごちそうも買うことができず火正月といってね、昔の地炉、今でいうと囲炉裏、昔は地炉、これだったってよ。火を前にしてね、もう火に暖まっていたってよ。そうしている時に、白髪がたくさん生えているね、お年寄りがいらっしゃって、まあ、神様でしょうね、天から神様が降りていらしたという話があるから。それで、その最初は、金持ちの人の家に行ったらしい。この白髪がたくさん生えている神様は。「あの今日は、もうあなたたちの家に、今日は泊めてくれ。」って言ったら、この金持ちの人はね、もうお金もたくさんあって、もういばっていて、「いや、こんな年寄りは泊めない。」とか文句をいって、神様を帰したらしい。帰すとね、その神様はまた今度はね、ここから出てね、貧乏者の家に行ったらしい。貧乏者の家に行ったら、おじいさんとお婆さんと二人ね、年の夜だけど、もうお金もないでしょう、貧乏者だから。もういろりを前にしてね、火に暖まっていたってよ。暖まっていたらその神様が、「何で君たちは、こんな今日は年の夜、年の晩だというのにごちそうも準備しないで、二人こうして火を前にして座っているのか。」とたずねたら、その年寄たちは、「実はもう私たちは貧乏者でもうお金も何もなくてね、こうして火正月してるんですよ。」と言うとね、それでその神様が、「じゃ、私も、それでは、今日一夜はここにもう泊めて下さらないかね。」と言ったら、貧乏者の年寄り夫婦は、「どうぞ、神様、私たちはこんな貧乏者の家だけど、もう家もきたないけどね、あなた様がお泊まりになるんでしたらもうお泊まり下さい。」と言うと、その神様ももうこの貧しい老夫婦の気持ちが、よくわかってね、ここにもう泊まることになった。それでこの貧乏者のおじいさんとお婆さんともう三人、神様と三人話をしたらしい。神様が、「ね、お前たちはね、もうお金もないし、年も取っているからね、若くなるのと、ごちそうを食べるのと、どっちがいいか。」と聞いたら、この年寄りのおじいさんとお婆さんは、「そんな、私たちはもういつでも若くなるのがいいです。」と言ったので神様が、「さあそれなら湯をわかしなさい。」と言ってね、湯を鍋にわかしてね、そしたらそれにその神様が、薬を入れてね、「さあ、このふろで浴びなさい。」といわれたので、貧しい年寄り夫婦は浴びたらしい。そしたら、もう元の若さになってね、もう青年になったらしい。それで、その神様はね、この一晩は、その家に泊まって、朝帰ったらしい。帰って。それでこの若くなったおじいさんとお婆さんたちは隣の金持ちの家に、もう、「いい正月でした。」とか言って、あいさつをしに行ったらしい。そしたらこの金持ちの人たちはね、「何で、お前たちは、前の日まではね、年寄りだったのに、今日からこんなに若くなってるのか。」と聞いたら、「ああ夜、私たちの家に神様がいらっしゃってね、お泊まりになってもう湯をわかしたら、神様がふろに入りなさいと言ったのでね、ほら、浴びたら若くなっているよ。」って言ったらしい。ほら、金持ちの人というのは、欲張ってね、欲張りだからね、「私たちもそれなら若くなるのがいいなあ。」といって、貧乏者に、「その神様はどこに行かれたか。」と聞いたらね、「今しがたここから出ていかれたよ。もうあのあたりまで行ったみたいだよ。」と言ったらしい。「さあ、それなら、この神様を早く呼んできてね、私たちも若くなりたいから。」と呼んで来たらしい。この神様は金持ちの人の家にもどっていらっしゃってたって。そしたら、「ああ、私たちも若くなりたいですのでね、もうお願いします。」と金持の人が言ったらしいよ。それで神様が「君たち、湯を沸かしなさい。」と言われてね、湯を沸かしたらしい。神様がこれに薬を入れてね、浴びさせたらしい。浴びたらこの金持ちの人は猿になったってよ。欲張りだから。猿なってね、猿なったからね、この神様が、「ほらこれはもう猿なってるのでね、ここの家の金持ちの人の財産はね、お前たちがもらいなさい、家ももらいなさいよ。」とこの、貧乏者にあげたらしい。それで貧乏者は、この神様の言いつけどおりこの家をもらってね、この家で暮らしていたって。そしたら、この猿というものはね、毎晩もう「私たちの家を返せ、返せ。」とね、いつもここに座ったらしいよ、門口にね、この猿になったのがね。座っているから、それでもうこれは、ここに毎晩ね、もう「私の家返せ、返せ。」と来るからね「もうこれはこれではいけない。」といって、これはここにいつも座るから、とても大きな庭石を持って来てね、これ焼きこがしてね、ここにおいておこうと言ってね、そしたらほら座ったら熱いでしょう、もうかまどで、庭石を焼いてね、ここにおいていたらしい、玄関、いや門口に。この猿は、やっぱり相変わらず「私の家を返せ、返せ。」と来るらしい。この大石の上に座ったそうだよ。おいたからね、この大石はもう熱いでしょう、猿の尻はもうやけどしてね、赤くなってね。それでこの猿のしりは何で赤くなっているかというと、こんなことから赤くなっているという話なんだよ。
| レコード番号 | 47O376480 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C261 |
| 決定題名 | 猿になった金持ち(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | なぜ猿のおしりは赤いか |
| 話者名 | 石川元助 |
| 話者名かな | いしかわげんすけ |
| 生年月日 | 19130707 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村谷茶 |
| 記録日 | 19760223 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T45A08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 父親が谷茶大工といわれるほどの優れた大工で、少年期から青年期にかけて父親からよく話を聞かされた。また友人間からの話も多い。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話・昔話編』P150 |
| キーワード | なぜ猿のおしりは赤いか,金持ちの,貧乏者,年の夜にごちそう,火正月,白髪のお年寄り,天から神様,湯,薬,年寄り夫婦は浴びた,元の若さになった,隣の金持ち,猿,私たちの家を返せ,庭石を焼いた,猿の尻はやけど,赤くなった |
| 梗概(こうがい) | これはこうだよ。猿のね、おしりの赤くなっているのは、なぜ猿のおしりは赤いかねという話だよ。題目は、「お猿のけつはなぜ赤いか。」これはね、あんたが今、言ったとおりね、もちろんこの、金持ちの人とね、貧乏者といたってよ。そして、金持ちの人はお金はたくさんあるでしょう。だから、年の夜にごちそうを作ってね、もう年の夜だからといって、食べたって。で、貧乏者はね、もうおじいさんとお婆さんと二人ね、お金もなくてもうごちそうも買うことができず火正月といってね、昔の地炉、今でいうと囲炉裏、昔は地炉、これだったってよ。火を前にしてね、もう火に暖まっていたってよ。そうしている時に、白髪がたくさん生えているね、お年寄りがいらっしゃって、まあ、神様でしょうね、天から神様が降りていらしたという話があるから。それで、その最初は、金持ちの人の家に行ったらしい。この白髪がたくさん生えている神様は。「あの今日は、もうあなたたちの家に、今日は泊めてくれ。」って言ったら、この金持ちの人はね、もうお金もたくさんあって、もういばっていて、「いや、こんな年寄りは泊めない。」とか文句をいって、神様を帰したらしい。帰すとね、その神様はまた今度はね、ここから出てね、貧乏者の家に行ったらしい。貧乏者の家に行ったら、おじいさんとお婆さんと二人ね、年の夜だけど、もうお金もないでしょう、貧乏者だから。もういろりを前にしてね、火に暖まっていたってよ。暖まっていたらその神様が、「何で君たちは、こんな今日は年の夜、年の晩だというのにごちそうも準備しないで、二人こうして火を前にして座っているのか。」とたずねたら、その年寄たちは、「実はもう私たちは貧乏者でもうお金も何もなくてね、こうして火正月してるんですよ。」と言うとね、それでその神様が、「じゃ、私も、それでは、今日一夜はここにもう泊めて下さらないかね。」と言ったら、貧乏者の年寄り夫婦は、「どうぞ、神様、私たちはこんな貧乏者の家だけど、もう家もきたないけどね、あなた様がお泊まりになるんでしたらもうお泊まり下さい。」と言うと、その神様ももうこの貧しい老夫婦の気持ちが、よくわかってね、ここにもう泊まることになった。それでこの貧乏者のおじいさんとお婆さんともう三人、神様と三人話をしたらしい。神様が、「ね、お前たちはね、もうお金もないし、年も取っているからね、若くなるのと、ごちそうを食べるのと、どっちがいいか。」と聞いたら、この年寄りのおじいさんとお婆さんは、「そんな、私たちはもういつでも若くなるのがいいです。」と言ったので神様が、「さあそれなら湯をわかしなさい。」と言ってね、湯を鍋にわかしてね、そしたらそれにその神様が、薬を入れてね、「さあ、このふろで浴びなさい。」といわれたので、貧しい年寄り夫婦は浴びたらしい。そしたら、もう元の若さになってね、もう青年になったらしい。それで、その神様はね、この一晩は、その家に泊まって、朝帰ったらしい。帰って。それでこの若くなったおじいさんとお婆さんたちは隣の金持ちの家に、もう、「いい正月でした。」とか言って、あいさつをしに行ったらしい。そしたらこの金持ちの人たちはね、「何で、お前たちは、前の日まではね、年寄りだったのに、今日からこんなに若くなってるのか。」と聞いたら、「ああ夜、私たちの家に神様がいらっしゃってね、お泊まりになってもう湯をわかしたら、神様がふろに入りなさいと言ったのでね、ほら、浴びたら若くなっているよ。」って言ったらしい。ほら、金持ちの人というのは、欲張ってね、欲張りだからね、「私たちもそれなら若くなるのがいいなあ。」といって、貧乏者に、「その神様はどこに行かれたか。」と聞いたらね、「今しがたここから出ていかれたよ。もうあのあたりまで行ったみたいだよ。」と言ったらしい。「さあ、それなら、この神様を早く呼んできてね、私たちも若くなりたいから。」と呼んで来たらしい。この神様は金持ちの人の家にもどっていらっしゃってたって。そしたら、「ああ、私たちも若くなりたいですのでね、もうお願いします。」と金持の人が言ったらしいよ。それで神様が「君たち、湯を沸かしなさい。」と言われてね、湯を沸かしたらしい。神様がこれに薬を入れてね、浴びさせたらしい。浴びたらこの金持ちの人は猿になったってよ。欲張りだから。猿なってね、猿なったからね、この神様が、「ほらこれはもう猿なってるのでね、ここの家の金持ちの人の財産はね、お前たちがもらいなさい、家ももらいなさいよ。」とこの、貧乏者にあげたらしい。それで貧乏者は、この神様の言いつけどおりこの家をもらってね、この家で暮らしていたって。そしたら、この猿というものはね、毎晩もう「私たちの家を返せ、返せ。」とね、いつもここに座ったらしいよ、門口にね、この猿になったのがね。座っているから、それでもうこれは、ここに毎晩ね、もう「私の家返せ、返せ。」と来るからね「もうこれはこれではいけない。」といって、これはここにいつも座るから、とても大きな庭石を持って来てね、これ焼きこがしてね、ここにおいておこうと言ってね、そしたらほら座ったら熱いでしょう、もうかまどで、庭石を焼いてね、ここにおいていたらしい、玄関、いや門口に。この猿は、やっぱり相変わらず「私の家を返せ、返せ。」と来るらしい。この大石の上に座ったそうだよ。おいたからね、この大石はもう熱いでしょう、猿の尻はもうやけどしてね、赤くなってね。それでこの猿のしりは何で赤くなっているかというと、こんなことから赤くなっているという話なんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:44 |
| 物語の時間数 | 5:44 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |