
クヮンティ王の話をいたします。唐の海の近い所で、海から馬があがってきて、穀物を荒らしてしょうがないので、百姓は困って、このことを上様、政府に訴えたら、王府から王様がいらっしゃって、その馬をつかまえたそうだ。王様が馬をつかまえてそれにお乗りになって、城に帰る道中に肉屋があったようなんだが、肉屋には妻がいて、夫はいなかったんた。それで王様が、「豚の肉を売ってくれ。」と言ったら、「蓋が開けられません。私の力では開けられないから売れません。」と言ったそうなんだ。王様が、「ああそうか。それなら肉はどこにあるか。」と言うと、「こちらです。」と言ったって。そしたら、クヮンティー王はなぎなたの先で蓋をどけて肉を取ると、豚の肉をなぎなたで切って、馬に食べさせたんだ。そうして、またもとのように蓋をもどしたんだ。なぎなたで蓋をもどしたんだ。それから、夫が帰ってきたんで、妻が、こんなだった、あんなだったと話したら、「めずらしいことだ。私より力持ちがいたのか。」と言って腹をたてたんだ。そうしてまた、「私がつけた手型も、こんなにしたのか。」と怒って、棒を持って追っかけ、すぐ後ろから王様をぶんなぐろうとしたら、「おいそんなことをするな。」と言ったそうだ。それでも、ぶんなぐろうとしたら、また、「おいそんなことをするな。」と言ったって。三回目も同じことを言うんで、「こいつめ。」と、ますますぶんなぐろうとしたら、また、「そんなことをしてはいけないよ。」と言ったって。そのときになって肉屋が、「もし、しばらく待って下さい何とおっしゃいますか、あなたの名は。」と言うと、「私はクヮンティ王だ。」と。「ああそうなんですか。それなら私もお供をさせて下さい。」と言うと、「よし、お前に供ができるなら、追ってこい。」と言ったって。そしたら、この馬は一日千里走るというんだが、肉屋はいつも馬よりも一足先だったそうだよ。それでクヮンティー王は、「供が、私より先になるか。」と言って、馬からお降りになって、「お前を調べないといけない。」と調べたそうだ。降りて調べたら、ふくらはぎの先に飛び毛が生えていたそうなんだ。それで、この飛び毛を引きぬいたら、それからは一足ずつ馬よりも遅れたということです。
| レコード番号 | 47O376439 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C259 |
| 決定題名 | クヮンティー王の千里馬(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | クヮンティー王の話 |
| 話者名 | 仲田豊三 |
| 話者名かな | なかたとよぞう |
| 生年月日 | 19040528 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村名嘉真 |
| 記録日 | 19760530 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T40B04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話・伝説編』P110 |
| キーワード | ,クヮンティ王,唐の海の近い所,海から馬,穀物,百姓,政府に訴えた,王様,肉屋,妻,夫,力持ち,クヮンティ王,一日千里走る,飛び毛 |
| 梗概(こうがい) | クヮンティ王の話をいたします。唐の海の近い所で、海から馬があがってきて、穀物を荒らしてしょうがないので、百姓は困って、このことを上様、政府に訴えたら、王府から王様がいらっしゃって、その馬をつかまえたそうだ。王様が馬をつかまえてそれにお乗りになって、城に帰る道中に肉屋があったようなんだが、肉屋には妻がいて、夫はいなかったんた。それで王様が、「豚の肉を売ってくれ。」と言ったら、「蓋が開けられません。私の力では開けられないから売れません。」と言ったそうなんだ。王様が、「ああそうか。それなら肉はどこにあるか。」と言うと、「こちらです。」と言ったって。そしたら、クヮンティー王はなぎなたの先で蓋をどけて肉を取ると、豚の肉をなぎなたで切って、馬に食べさせたんだ。そうして、またもとのように蓋をもどしたんだ。なぎなたで蓋をもどしたんだ。それから、夫が帰ってきたんで、妻が、こんなだった、あんなだったと話したら、「めずらしいことだ。私より力持ちがいたのか。」と言って腹をたてたんだ。そうしてまた、「私がつけた手型も、こんなにしたのか。」と怒って、棒を持って追っかけ、すぐ後ろから王様をぶんなぐろうとしたら、「おいそんなことをするな。」と言ったそうだ。それでも、ぶんなぐろうとしたら、また、「おいそんなことをするな。」と言ったって。三回目も同じことを言うんで、「こいつめ。」と、ますますぶんなぐろうとしたら、また、「そんなことをしてはいけないよ。」と言ったって。そのときになって肉屋が、「もし、しばらく待って下さい何とおっしゃいますか、あなたの名は。」と言うと、「私はクヮンティ王だ。」と。「ああそうなんですか。それなら私もお供をさせて下さい。」と言うと、「よし、お前に供ができるなら、追ってこい。」と言ったって。そしたら、この馬は一日千里走るというんだが、肉屋はいつも馬よりも一足先だったそうだよ。それでクヮンティー王は、「供が、私より先になるか。」と言って、馬からお降りになって、「お前を調べないといけない。」と調べたそうだ。降りて調べたら、ふくらはぎの先に飛び毛が生えていたそうなんだ。それで、この飛び毛を引きぬいたら、それからは一足ずつ馬よりも遅れたということです。 |
| 全体の記録時間数 | 2:47 |
| 物語の時間数 | 2:47 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |