
あそこには、行ったことはないんだけどね。それは、なんと言うか幽霊が出たとか、あまりにも不気味な所だと言うでしょう。岸本先生は、恩納に長いこといらっしゃった岸本先生から聞いたんだけどね。この昔の言葉ではカーキーと言うのかね。この袖墓で指切りしてよ。あの袖墓に夜、大変遅く行って、どれたけの賭であったか、それは覚えていないけどね、賭をして、袖墓で。昔の男の人は、かんざしは二つずつなので、そのかんざしを刺して袖墓では。墓というのは、こんなに、昔はもう立派な墓ではない。こうしておおってあるたけで、そこには眉と、眉と言うのでしょう。ある人が、「そこへ行ってそのかんざしを刺して来ることができるか、できないだろう。何分で、そこにかんざしを刺して来ることができるか、刺して来れないだろう。」と言ってね。別の人が、「話もできない、話もできない。私ができる。」と言ってね、それで、その人が行ったらね、もう何分間たっても帰って来なかった。ここでは、今でも、近ごろでも、そこにはお墓参りをしに、自分一人で行けないという話があったけどね、あまりにも不気味で。歩くとき大変恐いと言って、心配ばかりして。そしたら、誰かが、「そこへ行って、刺して来ることができるか、できないだろう。」と言ったら、ある人が、「私が行く。」と言った。そうしたら何分間で行っても、そこは幽霊墓だからね、幽霊墓だから、幽霊の出る墓なのだから、そこには行くことはできないので、もう「私が行く」と言って行ったが、その人はもう来ないよ、もう。「あの人は、むこうで死んでしまったんだろう。」と言った。それで行って見るとね、その人は、そこにかんざしを刺してね。もうその人は縛られていたよ、もう、「幽霊に捕まってしまってもう私は動けない。」と。そうして、「私はもう幽霊に捕まってしまってここから出ることもできない。」と言った。しばらくの間は窒息してね、気を失って、仲間たちが行ったら、ワイワイしたので、目を覚ましたらしい。それで、「幽霊に捕まってもう私は動けないよ。」と言って、仲間が男を動かそうとしたら、そこに、かんざしが刺されていてね。それで、その時から、袖墓の話というのはそんなもんだよと、言っていたよ。それは、恩納にそんな話はあるだろうかね。
| レコード番号 | 47O376093 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C245 |
| 決定題名 | 肝試し(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 袖墓の話 |
| 話者名 | 山内マカテ |
| 話者名かな | やまうちまかて |
| 生年月日 | 18960705 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村南恩納 |
| 記録日 | 197602225 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T31A11 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 那覇の岸本先生から聞いた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話・昔話編』P256 |
| キーワード | 幽霊,カーキー,袖墓で指切り |
| 梗概(こうがい) | あそこには、行ったことはないんだけどね。それは、なんと言うか幽霊が出たとか、あまりにも不気味な所だと言うでしょう。岸本先生は、恩納に長いこといらっしゃった岸本先生から聞いたんだけどね。この昔の言葉ではカーキーと言うのかね。この袖墓で指切りしてよ。あの袖墓に夜、大変遅く行って、どれたけの賭であったか、それは覚えていないけどね、賭をして、袖墓で。昔の男の人は、かんざしは二つずつなので、そのかんざしを刺して袖墓では。墓というのは、こんなに、昔はもう立派な墓ではない。こうしておおってあるたけで、そこには眉と、眉と言うのでしょう。ある人が、「そこへ行ってそのかんざしを刺して来ることができるか、できないだろう。何分で、そこにかんざしを刺して来ることができるか、刺して来れないだろう。」と言ってね。別の人が、「話もできない、話もできない。私ができる。」と言ってね、それで、その人が行ったらね、もう何分間たっても帰って来なかった。ここでは、今でも、近ごろでも、そこにはお墓参りをしに、自分一人で行けないという話があったけどね、あまりにも不気味で。歩くとき大変恐いと言って、心配ばかりして。そしたら、誰かが、「そこへ行って、刺して来ることができるか、できないだろう。」と言ったら、ある人が、「私が行く。」と言った。そうしたら何分間で行っても、そこは幽霊墓だからね、幽霊墓だから、幽霊の出る墓なのだから、そこには行くことはできないので、もう「私が行く」と言って行ったが、その人はもう来ないよ、もう。「あの人は、むこうで死んでしまったんだろう。」と言った。それで行って見るとね、その人は、そこにかんざしを刺してね。もうその人は縛られていたよ、もう、「幽霊に捕まってしまってもう私は動けない。」と。そうして、「私はもう幽霊に捕まってしまってここから出ることもできない。」と言った。しばらくの間は窒息してね、気を失って、仲間たちが行ったら、ワイワイしたので、目を覚ましたらしい。それで、「幽霊に捕まってもう私は動けないよ。」と言って、仲間が男を動かそうとしたら、そこに、かんざしが刺されていてね。それで、その時から、袖墓の話というのはそんなもんだよと、言っていたよ。それは、恩納にそんな話はあるだろうかね。 |
| 全体の記録時間数 | 2:50 |
| 物語の時間数 | 2:50 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |