
これは泊にね、この石灰岩さ、海のミカルーというものがあるがね、これを取っては灰焼きたちに売ったりして生活している人がいるわけさ。それで、二人とも貧乏者らしいのだが、一度、遊女の家にいっしょに行くとね、遊女がたいそうもてなしたらしいよ。もうこの友だちはほかの友だちに、おごってあげるほどのゆとりはないでしょう、そのことは友だちも知っているのだから。それで、遊女の家から帰って来て、おごられた人が、「どうしたんだ君は、私がいつも行くたびに、あんなふうにくれるけど、君も私も同じ貧乏者なのに、なせ君が行くと、あんなにあの遊女はおごるのか。」と、聞いたので、クイシームンとは、貧乏者のことだからね、そのわけを話した。遊女は糞をしていないのだが、この客がね、「糞をしたい。」と言って起こしても遊女が眠っていて起きなかったのでね、こうだったらしいよ。男はこの遊女の着物に、自分がやった糞を足も探してすりつけてしまってね、翌日遊女は起きようにも起きられなかったよ。起きたらほら糞をやっているのだから、もう自分でやったと思ってね、起きなかった。後はもう起き出してきてね、「もう私は、まだこんなことはしたことがないのですが。」と言って、もう大変もう心苦しくしたそうだよ。それで男が、「いやもうこれは、こんなこともあるさ。世間にも誰にも何も言わないよ。」と言ったので、「もうどうかそうして下さい。」と、口止めをしようと何度も御馳走をするわけ。聞かさなければ、何ともなかったってよ。友だちだから告げ口するとは思わずに、話して聞かせたんだね。「実は、こうなんだ。」と、そしたらね、また今度は、友だちがこの遊女に言ったので、もう一度遊女の家に行くと、今度はこの遊女というのにね、「あなたのような方は。」と言ってね、棒を持って追いたてられたらしいよ。それで、この時から遊女は御馳走をもてなさなくなって友だちも食いはぐれているわけさ。ほら友だちは自分で遊女に告げ口さえしなければ、男はいつも遊女におごられて御馳走を食べていて、自分もいっしょに、いつも御馳走にありつけていたものをよ。だから、この友だちにいっぱい食わされたわけ。それで、このものたちは食いはぐれたという話だよ。これを友喰い餓鬼と言うわけ。
| レコード番号 | 47O376049 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C243 |
| 決定題名 | 遊女の寝糞(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | ジュリの話 |
| 話者名 | 宜志富紹長 |
| 話者名かな | ぎしとみしょうちょう |
| 生年月日 | 18961208 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村安富祖 |
| 記録日 | 19760530 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T42A07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 主にお年寄りや父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話・昔話編』P249 |
| キーワード | 海のミカルー,二人とも貧乏者,遊女,糞,告げ口,友喰い餓鬼 |
| 梗概(こうがい) | これは泊にね、この石灰岩さ、海のミカルーというものがあるがね、これを取っては灰焼きたちに売ったりして生活している人がいるわけさ。それで、二人とも貧乏者らしいのだが、一度、遊女の家にいっしょに行くとね、遊女がたいそうもてなしたらしいよ。もうこの友だちはほかの友だちに、おごってあげるほどのゆとりはないでしょう、そのことは友だちも知っているのだから。それで、遊女の家から帰って来て、おごられた人が、「どうしたんだ君は、私がいつも行くたびに、あんなふうにくれるけど、君も私も同じ貧乏者なのに、なせ君が行くと、あんなにあの遊女はおごるのか。」と、聞いたので、クイシームンとは、貧乏者のことだからね、そのわけを話した。遊女は糞をしていないのだが、この客がね、「糞をしたい。」と言って起こしても遊女が眠っていて起きなかったのでね、こうだったらしいよ。男はこの遊女の着物に、自分がやった糞を足も探してすりつけてしまってね、翌日遊女は起きようにも起きられなかったよ。起きたらほら糞をやっているのだから、もう自分でやったと思ってね、起きなかった。後はもう起き出してきてね、「もう私は、まだこんなことはしたことがないのですが。」と言って、もう大変もう心苦しくしたそうだよ。それで男が、「いやもうこれは、こんなこともあるさ。世間にも誰にも何も言わないよ。」と言ったので、「もうどうかそうして下さい。」と、口止めをしようと何度も御馳走をするわけ。聞かさなければ、何ともなかったってよ。友だちだから告げ口するとは思わずに、話して聞かせたんだね。「実は、こうなんだ。」と、そしたらね、また今度は、友だちがこの遊女に言ったので、もう一度遊女の家に行くと、今度はこの遊女というのにね、「あなたのような方は。」と言ってね、棒を持って追いたてられたらしいよ。それで、この時から遊女は御馳走をもてなさなくなって友だちも食いはぐれているわけさ。ほら友だちは自分で遊女に告げ口さえしなければ、男はいつも遊女におごられて御馳走を食べていて、自分もいっしょに、いつも御馳走にありつけていたものをよ。だから、この友だちにいっぱい食わされたわけ。それで、このものたちは食いはぐれたという話だよ。これを友喰い餓鬼と言うわけ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:29 |
| 物語の時間数 | 2:29 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |