城間仲(シマグチ)

概要

城間ナーカは金持なんだが、これは、むこうの城間ナーカの家が大変良い家だったので、そうなったという物語があり、今から話すのもその一つなんだ。城間ナーカは大変金持でいらっしゃったそうだ。それで、もう、お腹をすかしている人には物を食べさせて、お金の無い人にはお金を貸してあげ、このように大変、心が誠実な人だったそうだ。それで、もうある盗人が入ったんだが、ここは主が大変誠な人でいらっしゃると知りながら盗みをしようといって入ったそうだ。そして、人のいない時に、昼のうちに天井に上って、こもっていたわけさ。そしたら、とうとう天井に上っているのを、ここの家の下男がね、御奉公をしている下男が、この天井に盗人が上っている事がわかってね。そこで、この主に申し上げて知らせようと「天井に人が上っていますが。」といったら、この主人は、「いいや、天井には、人は上らないよ。」というので「人が天井に隠れていますよ。」と、下男がさらにそう言ったんだ。そしたら、「それは、本当か。」「本当に人が天井に隠れているか。それなら良いことだよ。」と言ったんだ。そうやってこの主は、何も騒がせずに「もういい時分だ。」といって、夕飯をね、夕飯を炊かせてね。この天井に隠れている者の夕飯まで仕度させてね。そうやって仕度させて置いてから、食べる時に、このご飯を皆で食べる時になって、皆には食べさせてから、天井に上っている者にね、「ここの天井に人が上っているようだが、夕飯の時間だから下りて来なさい。」といって、そうやってこの主が声をおかけになったそうだよ。もうそれでも盗人は下りて来なかったが、二、三回声をかけたら、後は顔を隠してね、下りて来たので、「お前か、私たちの天井に上っていたのは。お前はひもじくはないか、そうやっていつまでも天井にこもる事はできないよ。さあ夕飯の時分だからいっしょに夕飯をさあ。」そうやって、主は言ったんだ。この盗人はもう顔を隠していたが、顔を隠している手ぬぐいも外して、それからこの主に詫びたんだ。「もう私はこのような事をやって、すみません。何も無くて、食べる物も無いんで、子供たちもたくさんいるが、育てる事もできない。ぜひあなた方から何か盗もうという、そんな心ではありません。あなたの心持ちで、何か頂けるはずだと思って私は来たのですから、盗人とは考えないで下さい。」とこのようにいったので、この主はとっても心があっさりしているので、それで、「それなら、いっしょに夕飯を食べなさい。」といって、夕飯を食べさせたんだ。それで、夕飯を食べさせたら、この家にある何か小判のような黄金を持ってきてね、「これを持って行って子供たちに何も不自由させないようにやりなさいね。」と言ったんだ。そうやって盗人は、この家から黄金を頂いて帰って、家族に食事をさせたんだな。この城間ナーカから頂いた黄金で、盗みに入った人も、後には成功したそうだよ。このように、城間ナーカのように、これほどの心を持っている方はいらっしゃらないんだ。だから城間ナーカは金持でいらっしゃるんだという話なんだ。

再生時間:7:20

民話詳細DATA

レコード番号 47O375774
CD番号 47O37C232
決定題名 城間仲(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 仲村兼蔵
話者名かな なかむらけんぞう
生年月日 18910704
性別
出身地 沖縄県恩納村仲泊
記録日 19760226
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 恩納村T24A02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 『恩納村の民話・伝説編』P207
キーワード 城間ナーカ,金持,天井に盗人
梗概(こうがい) 城間ナーカは金持なんだが、これは、むこうの城間ナーカの家が大変良い家だったので、そうなったという物語があり、今から話すのもその一つなんだ。城間ナーカは大変金持でいらっしゃったそうだ。それで、もう、お腹をすかしている人には物を食べさせて、お金の無い人にはお金を貸してあげ、このように大変、心が誠実な人だったそうだ。それで、もうある盗人が入ったんだが、ここは主が大変誠な人でいらっしゃると知りながら盗みをしようといって入ったそうだ。そして、人のいない時に、昼のうちに天井に上って、こもっていたわけさ。そしたら、とうとう天井に上っているのを、ここの家の下男がね、御奉公をしている下男が、この天井に盗人が上っている事がわかってね。そこで、この主に申し上げて知らせようと「天井に人が上っていますが。」といったら、この主人は、「いいや、天井には、人は上らないよ。」というので「人が天井に隠れていますよ。」と、下男がさらにそう言ったんだ。そしたら、「それは、本当か。」「本当に人が天井に隠れているか。それなら良いことだよ。」と言ったんだ。そうやってこの主は、何も騒がせずに「もういい時分だ。」といって、夕飯をね、夕飯を炊かせてね。この天井に隠れている者の夕飯まで仕度させてね。そうやって仕度させて置いてから、食べる時に、このご飯を皆で食べる時になって、皆には食べさせてから、天井に上っている者にね、「ここの天井に人が上っているようだが、夕飯の時間だから下りて来なさい。」といって、そうやってこの主が声をおかけになったそうだよ。もうそれでも盗人は下りて来なかったが、二、三回声をかけたら、後は顔を隠してね、下りて来たので、「お前か、私たちの天井に上っていたのは。お前はひもじくはないか、そうやっていつまでも天井にこもる事はできないよ。さあ夕飯の時分だからいっしょに夕飯をさあ。」そうやって、主は言ったんだ。この盗人はもう顔を隠していたが、顔を隠している手ぬぐいも外して、それからこの主に詫びたんだ。「もう私はこのような事をやって、すみません。何も無くて、食べる物も無いんで、子供たちもたくさんいるが、育てる事もできない。ぜひあなた方から何か盗もうという、そんな心ではありません。あなたの心持ちで、何か頂けるはずだと思って私は来たのですから、盗人とは考えないで下さい。」とこのようにいったので、この主はとっても心があっさりしているので、それで、「それなら、いっしょに夕飯を食べなさい。」といって、夕飯を食べさせたんだ。それで、夕飯を食べさせたら、この家にある何か小判のような黄金を持ってきてね、「これを持って行って子供たちに何も不自由させないようにやりなさいね。」と言ったんだ。そうやって盗人は、この家から黄金を頂いて帰って、家族に食事をさせたんだな。この城間ナーカから頂いた黄金で、盗みに入った人も、後には成功したそうだよ。このように、城間ナーカのように、これほどの心を持っている方はいらっしゃらないんだ。だから城間ナーカは金持でいらっしゃるんだという話なんだ。
全体の記録時間数 7:20
物語の時間数 7:20
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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