古宇利島の始まり(シマグチ)

概要

古宇利島と言ったんだね、この話は。二人、男と女と二人いたそうだ。もうこれは、分からなかったわけさ。二人、男女の交合が。そういうことで、もう着物も無いんで、それで洞窟によ、ちょうど今で言えば、防空壕か何か分からないがねー。とにかく山の中に二人籠ってね。もうこの二人は寝ることも分からないわけさ。もう山の中に籠っているんだが、もう、寝るのも分からない。そしたら、鳥が飛んで来て、やっぱり雄と雌だったんだろう。ちょうど言えば、もう、女と男とであるわけさー。この鳥、鳥が交尾したんだよ。もう何回も降りてやったりしたんだね。もう二羽の鳥は、交尾したって。鳥がね。鳥がこの人たち、二人を見つめてはやったりしたんだって。「不思議なことだ。鳥でさえもあのようにするのか、不思議なことだ。なぜかねえ。」と、もう、世が開き始めのことだから、分からないわけよね。もう、この人たち、女と男と二人は、もうこればっかり見つめていたって。そしたら、風が吹いてね、山であるから鳥は、皆な下に降りてはやったりしたわけさ。それで、この人たち二人は、「今、鳥がやったのと同じように、まず、自分らもまずしてみよう。やってみようよ、鳥でさえもあのようにするのに。人間であるから、あのようにできないことはない。」と言って、二人の者はもう、愛情を表現したわけさ。そして、愛情を表現したので、もうやっぱり、この人たち二人だけいた、この一家、この村に赤ん坊が生まれたわけさ。そしたら生まれて後からだが、鳥の教えで、子ができることがわかったんだね。この人達は成功してね。子ども達も、たくさん産んで、それぞれ大変成功したという話。私の父親達が、お話なさったわけさ。

再生時間:2:09

民話詳細DATA

レコード番号 47O375405
CD番号 47O37C218
決定題名 古宇利島の始まり(シマグチ)
話者がつけた題名 古宇利島の始まり
話者名 知念カマド
話者名かな ちねんかまど
生年月日 19050310
性別
出身地 沖縄県浦添市京塚
記録日 19760223
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 恩納村T13B01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情 母方の祖父からよく聞かされた。
文字化資料 『恩納村の民話 伝説編』P36
キーワード 古宇利島,男と女と二人,鳥,雄と雌,交尾
梗概(こうがい) 古宇利島と言ったんだね、この話は。二人、男と女と二人いたそうだ。もうこれは、分からなかったわけさ。二人、男女の交合が。そういうことで、もう着物も無いんで、それで洞窟によ、ちょうど今で言えば、防空壕か何か分からないがねー。とにかく山の中に二人籠ってね。もうこの二人は寝ることも分からないわけさ。もう山の中に籠っているんだが、もう、寝るのも分からない。そしたら、鳥が飛んで来て、やっぱり雄と雌だったんだろう。ちょうど言えば、もう、女と男とであるわけさー。この鳥、鳥が交尾したんだよ。もう何回も降りてやったりしたんだね。もう二羽の鳥は、交尾したって。鳥がね。鳥がこの人たち、二人を見つめてはやったりしたんだって。「不思議なことだ。鳥でさえもあのようにするのか、不思議なことだ。なぜかねえ。」と、もう、世が開き始めのことだから、分からないわけよね。もう、この人たち、女と男と二人は、もうこればっかり見つめていたって。そしたら、風が吹いてね、山であるから鳥は、皆な下に降りてはやったりしたわけさ。それで、この人たち二人は、「今、鳥がやったのと同じように、まず、自分らもまずしてみよう。やってみようよ、鳥でさえもあのようにするのに。人間であるから、あのようにできないことはない。」と言って、二人の者はもう、愛情を表現したわけさ。そして、愛情を表現したので、もうやっぱり、この人たち二人だけいた、この一家、この村に赤ん坊が生まれたわけさ。そしたら生まれて後からだが、鳥の教えで、子ができることがわかったんだね。この人達は成功してね。子ども達も、たくさん産んで、それぞれ大変成功したという話。私の父親達が、お話なさったわけさ。
全体の記録時間数 2:09
物語の時間数 2:09
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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