火正月(シマグチ)

概要

神様が心のよいお婆さんとお爺さんの所へ降りていらっしゃった。このお婆さんとお爺さんには、子どもは産まれていらっしゃらなかったらしい。それで、「お前たちはなぜ正月だというのに、お前たちの家には、どうして何もないのか。」「はい、何もなくて、こうして火正月をしております。」と言って、なまの薪を切ってきては、ほうりこんだりして、暖まっていた。そうすると、神様が、「では、お前たちは、鍋に湯をわかしなさい。」とおっしゃって、二人に御飯をたく鍋に、米を三つぶ、ほんの三つぶだけお入れになったが、御飯がたくさんできて、また汁鍋には、湯をわかしていたのには、もう肉やら何やらいろいろな、りっぱなごちそうがたくさん作られて、置かれていたらしいよ。ところで、隣りには、欲ばり者のお婆さんたちが住んでいたそうだ。そこの家に、たとえマッチをかしてくれと言っても、マッチの一本さえもかさない。何もかさないぐらいの、ケチな悪い心を持っていたお婆さんたちが、「どうして、お前たちは、何も無い貧乏者がそんなにいっぱいごちそうを作って置いてあるんだ。どこから、このごちそうを持って来たのか。」と、聞いたので、「私たちは、貧乏者で何もないので、火正月をしようとしていたら、神が天から降りていらっしゃって、『鍋二つに湯をわかしなさい』とおっしゃったのです。それで神様の言うとおりにすると、もう赤御飯やらおいしい御飯やらができて、また汁鍋にも、いろいろな肉やら何やらさまざまなごちそうが、こうやってできあがっているんですよ、お婆さん。」と答えた。夫婦とも心の悪いお爺さん、お婆さんたちに、このごちそうを見せると、「よし、それなら、私たちも、あなたたちと同じ様にやりたい、私たちにもそのやりかたを教えてくれ。」と頼んだので、今までのことを、そのお婆さんたちに教えた。すると神様が、おりていらっしゃって、悪い爺さん、婆さんたちにも、おなじように教えたけれど、この人たちのものは、全部悪い物だけできていたそうだ。

再生時間:2:24

民話詳細DATA

レコード番号 47O375367
CD番号 47O37C216
決定題名 火正月(シマグチ)
話者がつけた題名 火正月
話者名 与儀カメ
話者名かな よぎかめ
生年月日 18950705
性別
出身地 沖縄県恩納村喜瀬武原
記録日 19760225
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 恩納村T12B07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 『恩納村の民話 昔話編』PP158
キーワード 神様,心のよいお婆さんとお爺さん,火正月,鍋に湯,米を三つぶ,汁鍋,ばり者のお婆さんたち
梗概(こうがい) 神様が心のよいお婆さんとお爺さんの所へ降りていらっしゃった。このお婆さんとお爺さんには、子どもは産まれていらっしゃらなかったらしい。それで、「お前たちはなぜ正月だというのに、お前たちの家には、どうして何もないのか。」「はい、何もなくて、こうして火正月をしております。」と言って、なまの薪を切ってきては、ほうりこんだりして、暖まっていた。そうすると、神様が、「では、お前たちは、鍋に湯をわかしなさい。」とおっしゃって、二人に御飯をたく鍋に、米を三つぶ、ほんの三つぶだけお入れになったが、御飯がたくさんできて、また汁鍋には、湯をわかしていたのには、もう肉やら何やらいろいろな、りっぱなごちそうがたくさん作られて、置かれていたらしいよ。ところで、隣りには、欲ばり者のお婆さんたちが住んでいたそうだ。そこの家に、たとえマッチをかしてくれと言っても、マッチの一本さえもかさない。何もかさないぐらいの、ケチな悪い心を持っていたお婆さんたちが、「どうして、お前たちは、何も無い貧乏者がそんなにいっぱいごちそうを作って置いてあるんだ。どこから、このごちそうを持って来たのか。」と、聞いたので、「私たちは、貧乏者で何もないので、火正月をしようとしていたら、神が天から降りていらっしゃって、『鍋二つに湯をわかしなさい』とおっしゃったのです。それで神様の言うとおりにすると、もう赤御飯やらおいしい御飯やらができて、また汁鍋にも、いろいろな肉やら何やらさまざまなごちそうが、こうやってできあがっているんですよ、お婆さん。」と答えた。夫婦とも心の悪いお爺さん、お婆さんたちに、このごちそうを見せると、「よし、それなら、私たちも、あなたたちと同じ様にやりたい、私たちにもそのやりかたを教えてくれ。」と頼んだので、今までのことを、そのお婆さんたちに教えた。すると神様が、おりていらっしゃって、悪い爺さん、婆さんたちにも、おなじように教えたけれど、この人たちのものは、全部悪い物だけできていたそうだ。
全体の記録時間数 2:24
物語の時間数 2:24
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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