
スンサーと言うのはね、あれさ、この話は、こうなんだよ。この八十歳になっても妻をもらわない、この人は、もっぱら スンクヤーだが。八十歳をすぎても妻をもたないでいたので、隣の貧乏人がよ、娘は二人いるがね、二人いるが姉の方を、金を借りるために、このスンサーという人の嫁にしようと、もう全然返事もなさらないが、「お金がいくらいくら入り用だけど、嫁をもらう気はないですか。」と言うと、「うん。」とも「もらう。」とも言わず、ただ「んん。」それで、「もらう。」とも言わず、なんとも言わずただ「んん。」と言ったが、「私の娘に二十歳になるのがいますが、あなたがよろしかったら嫁にもらってくださいませんか。」と言うと、「んん。」って。また、それも「んん。」それで「それなら明日娘を連れて来ますから、お金を 千貫ほど貸してください。」と言うと、「んん。」とお金を千貫取ってきて渡し、「いつ連れてこようか。」と言うと、「明日連れて来るから。」といって自分の方から、借りた人が自分から言っているのだから。金を借りて家で娘に相談したら、この年上の娘に、二十歳になる娘に相談するとこの二十歳になる娘は、「なぜ、私はやっかい者なのか。あんな年寄りの妻になれと言うのはどういうことか。」と言って、もう、ひねくれて逃げてしまって、年上の娘は、逃げてしまったので、また年下の娘は十八歳なわけね。年下の娘は十八歳になっていて、この年下の娘が、「どうしてお父さんはそんなに心配そうに、物思いに沈んで泣いているのか。」と言うと、「お前に言ったところで、お前が役に立つものでもない。話をしたところでどうなるものか。」と言ったが、「役に立つことなら、なぜ、私だって力になるのに、まずは話してみてください。」と言うと、「実はもう、こうこうなんだ。」と言ったので、「ああ心配なさらないでください。私が嫁に行きますよ。」と、すぐ、この十八になる娘は、二言めにはそう言ったようだ。もうその時には親もほっとして、「本当に、お前が行ってくれるか。」と言うと、「はい、行きますよ。」って。それでしたくをしてもう、翌日、スンサーの所へ連れて行った。もう、むこうはまだ、その娘の姿をみてはないでしょ、そのただ金を持たしただけで。それからこの十八になる娘は、もうむこうに座って、「ああ実はもう、家で相談したら年上の娘は逃げてしまって、年下の娘を連れてきたんだが、これはまだ十八だけど、もう、この娘でも嫁にしてくださいますか。」と言うと、「はい。」と、これだけ。それで娘に、「それで、お前は、ここに嫁いでもいいか。」と言うと、「はい。」と答えてもう、娘はスンサーの所に落ち着いて、そこにいるわけさ。それで、後は親が帰るときに、「種は年取って、苗代は若いから、二人の間に生まれる子は、大へん秀れた子が生まれるよ。」とおっしゃったって。だから、ツングンとおっしゃる人はその人たち二人の生んだ子だったって。ツングンとおっしゃる人は、その人たちの二人の子。スンサーという人はよ、スムチーなんだよ。沖縄という島を探し出したスムチー、スンサーという人は。その人が、「沖縄というのを探しに行こう。」として、台湾と八重山との間まではきたが、遠くて、そこにたどりつくことができないで帰って来た。そしたらスンサーが「ああ、お前たちが行く所に何かあったはずだよねぇ。」と言ったらしいよ。「何かあったはずだよねぇ。」って聞くと、「ずうっともっと遠いむこうまでは、遠くて行くことができなかったので帰ってきましたが、龍のように横たわっているのが、見えるようでしたがそれは、国だったんでしょうかねぇ。」と、言ったようだ。「ああ、琉球だ。」と、すぐその人が、そこは琉球だと名を付けたので、琉球なんだってここは。このスンサーという人が。そうしてよぉ、占ってもらおうとすると、スンサーは米箱をここに出して、その人はだいたい人の チーソーは、すべてわかるわけさ。大工も、ユタも、百姓もみんなそこへ占ってもらいに行くでしょう。だいたい、あっちでガサガサ、こっちでガサガサと仕事のない人はあきっぽいのでスンサーはここに米桶を出してきて、そっちでガサガサ、こっちでガサガサとそんなことをなさっていたんですよ。そこをこんなして、ガサガサしていたので、「どうしてだ、俺たちは占ってもらいにきたというのに、あなたは、おい、そんなにあっちでガサガサ、こっちでガサガサして。」するとスンサーが「例えればお前は、あんなだよ。お前の仕事はみんな、ネズミだったら一か所あけると、穴はあいていくものをお前は、こっちでガサガサ、あっちでガサガサしているから、その穴はあいていくはずないよ。」と言って、それを教えてくださったって。だから、何でも仕事というのは、忍耐には勝てないわけさ。その、スンサーは支那の人だってよ。
| レコード番号 | 47O375204 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C210 |
| 決定題名 | 易者スンサー(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 易者スンサー |
| 話者名 | 宜次富マツ |
| 話者名かな | ぎしとみまつ |
| 生年月日 | 18980518 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県名護市宮里 |
| 記録日 | 19760222 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T08B09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 若い頃父親からよく話を聞かさた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話 伝説編』P177 |
| キーワード | スンサー,八十歳をすぎても妻をもたない,隣の貧乏人,娘二人,大へん秀れた子,ツングン,スムチー |
| 梗概(こうがい) | スンサーと言うのはね、あれさ、この話は、こうなんだよ。この八十歳になっても妻をもらわない、この人は、もっぱら スンクヤーだが。八十歳をすぎても妻をもたないでいたので、隣の貧乏人がよ、娘は二人いるがね、二人いるが姉の方を、金を借りるために、このスンサーという人の嫁にしようと、もう全然返事もなさらないが、「お金がいくらいくら入り用だけど、嫁をもらう気はないですか。」と言うと、「うん。」とも「もらう。」とも言わず、ただ「んん。」それで、「もらう。」とも言わず、なんとも言わずただ「んん。」と言ったが、「私の娘に二十歳になるのがいますが、あなたがよろしかったら嫁にもらってくださいませんか。」と言うと、「んん。」って。また、それも「んん。」それで「それなら明日娘を連れて来ますから、お金を 千貫ほど貸してください。」と言うと、「んん。」とお金を千貫取ってきて渡し、「いつ連れてこようか。」と言うと、「明日連れて来るから。」といって自分の方から、借りた人が自分から言っているのだから。金を借りて家で娘に相談したら、この年上の娘に、二十歳になる娘に相談するとこの二十歳になる娘は、「なぜ、私はやっかい者なのか。あんな年寄りの妻になれと言うのはどういうことか。」と言って、もう、ひねくれて逃げてしまって、年上の娘は、逃げてしまったので、また年下の娘は十八歳なわけね。年下の娘は十八歳になっていて、この年下の娘が、「どうしてお父さんはそんなに心配そうに、物思いに沈んで泣いているのか。」と言うと、「お前に言ったところで、お前が役に立つものでもない。話をしたところでどうなるものか。」と言ったが、「役に立つことなら、なぜ、私だって力になるのに、まずは話してみてください。」と言うと、「実はもう、こうこうなんだ。」と言ったので、「ああ心配なさらないでください。私が嫁に行きますよ。」と、すぐ、この十八になる娘は、二言めにはそう言ったようだ。もうその時には親もほっとして、「本当に、お前が行ってくれるか。」と言うと、「はい、行きますよ。」って。それでしたくをしてもう、翌日、スンサーの所へ連れて行った。もう、むこうはまだ、その娘の姿をみてはないでしょ、そのただ金を持たしただけで。それからこの十八になる娘は、もうむこうに座って、「ああ実はもう、家で相談したら年上の娘は逃げてしまって、年下の娘を連れてきたんだが、これはまだ十八だけど、もう、この娘でも嫁にしてくださいますか。」と言うと、「はい。」と、これだけ。それで娘に、「それで、お前は、ここに嫁いでもいいか。」と言うと、「はい。」と答えてもう、娘はスンサーの所に落ち着いて、そこにいるわけさ。それで、後は親が帰るときに、「種は年取って、苗代は若いから、二人の間に生まれる子は、大へん秀れた子が生まれるよ。」とおっしゃったって。だから、ツングンとおっしゃる人はその人たち二人の生んだ子だったって。ツングンとおっしゃる人は、その人たちの二人の子。スンサーという人はよ、スムチーなんだよ。沖縄という島を探し出したスムチー、スンサーという人は。その人が、「沖縄というのを探しに行こう。」として、台湾と八重山との間まではきたが、遠くて、そこにたどりつくことができないで帰って来た。そしたらスンサーが「ああ、お前たちが行く所に何かあったはずだよねぇ。」と言ったらしいよ。「何かあったはずだよねぇ。」って聞くと、「ずうっともっと遠いむこうまでは、遠くて行くことができなかったので帰ってきましたが、龍のように横たわっているのが、見えるようでしたがそれは、国だったんでしょうかねぇ。」と、言ったようだ。「ああ、琉球だ。」と、すぐその人が、そこは琉球だと名を付けたので、琉球なんだってここは。このスンサーという人が。そうしてよぉ、占ってもらおうとすると、スンサーは米箱をここに出して、その人はだいたい人の チーソーは、すべてわかるわけさ。大工も、ユタも、百姓もみんなそこへ占ってもらいに行くでしょう。だいたい、あっちでガサガサ、こっちでガサガサと仕事のない人はあきっぽいのでスンサーはここに米桶を出してきて、そっちでガサガサ、こっちでガサガサとそんなことをなさっていたんですよ。そこをこんなして、ガサガサしていたので、「どうしてだ、俺たちは占ってもらいにきたというのに、あなたは、おい、そんなにあっちでガサガサ、こっちでガサガサして。」するとスンサーが「例えればお前は、あんなだよ。お前の仕事はみんな、ネズミだったら一か所あけると、穴はあいていくものをお前は、こっちでガサガサ、あっちでガサガサしているから、その穴はあいていくはずないよ。」と言って、それを教えてくださったって。だから、何でも仕事というのは、忍耐には勝てないわけさ。その、スンサーは支那の人だってよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:31 |
| 物語の時間数 | 5:31 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |