
城間ナーカも昔からの金持なんだよ。あれは昔からな、名うっての金持だ。城間ナーカというのは本当に金持の仲間だよ。ただ珍らしいのは、城間ナーカの話は誰でも知っていることなんだ。城間ナーカは豆腐作りとして、女中を頼んだんだ、この童に。この童はどこの娘かというと、浦添安波茶(あはちゃ)の人なんだ。そういうことで、この童がすることは、豆腐作りだから、いつもそこの海で潮水を汲んでいたって、豆腐を作る潮水を。そしたら、この娘はとうとう、その汲んでいる所で黄金を見つけたんだな、大きな黄金を。それでその娘が、「これが、こんな物がありましたが、どうしましょうか。」と言ったら、城間ナーカは、「これは、(神が)お前にお授けになったんだから、これはもうお前のもんだよ。」と言ったんだ。そしたら娘は「私は受け取らないよ。」と言ったんだな。(城間ナーカが)「ところで、お前は潮水を毎日そこで汲んでいたのか。」ときいたら、娘は、「はい。」と答えたんだ。それで、娘に翌日潮水を汲ませると、あまり豆腐はできなかったって。その黄金がそこにあった間は豆腐がうまくできたがね。それで(城間ナーカは)「もうその黄金を持って、家に帰りなさい。お前の身代金はいらないから。」と言って、娘を家に帰したそうだよ、この童を。家に帰したら、娘は、「実は、城間ナーカの御主人が、『この黄金を持って行って、お前は成功しなさい』と言って、もう帰され喜んだよ。」と(親に)話したんだ。親が、「ああそうか。それでこれは黄金なのか。」と聞いたら、「はい、そうだって。」と答えたって。そしたら、「お前は、これを人に見せたり、いろんなことをしたりしたら、すぐ、徳がはげてなくなるよ。徳がはげるよ。」と、親が言ったそうだ。(娘は)「それじゃあ、あなたたちで預かってください。あなたたちが預かってください。」と親に預けたんだ。貧乏者だったので、この童も人の下に落ちていたが、この黄金を手に入れてからは、夜が明けるのと同じように、他人がさえ富を豊かにしてくれたって。もう、こんなふうにしてね、何でもない人たちが来てすぐ、「これももらってくれ。お前たちで使ってくれ。」と言ってね。この童は、あそこでね、浦添安波茶で、今では、城間ナーカよりも金持になっているって。この徳は童が持っているもんだから。
| レコード番号 | 47O375161 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C207 |
| 決定題名 | 城間仲(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 城間仲 |
| 話者名 | 荻堂盛仁 |
| 話者名かな | おぎどうせいじん |
| 生年月日 | 18930702 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村太田 |
| 記録日 | 19760227 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T07A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 首里の玉城殿内のお爺が話し好きで昔話をよく聞かせてくれた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話 伝説編』P203 |
| キーワード | 城間ナーカ,金持,豆腐作り,女中,浦添安波茶,黄金 |
| 梗概(こうがい) | 城間ナーカも昔からの金持なんだよ。あれは昔からな、名うっての金持だ。城間ナーカというのは本当に金持の仲間だよ。ただ珍らしいのは、城間ナーカの話は誰でも知っていることなんだ。城間ナーカは豆腐作りとして、女中を頼んだんだ、この童に。この童はどこの娘かというと、浦添安波茶(あはちゃ)の人なんだ。そういうことで、この童がすることは、豆腐作りだから、いつもそこの海で潮水を汲んでいたって、豆腐を作る潮水を。そしたら、この娘はとうとう、その汲んでいる所で黄金を見つけたんだな、大きな黄金を。それでその娘が、「これが、こんな物がありましたが、どうしましょうか。」と言ったら、城間ナーカは、「これは、(神が)お前にお授けになったんだから、これはもうお前のもんだよ。」と言ったんだ。そしたら娘は「私は受け取らないよ。」と言ったんだな。(城間ナーカが)「ところで、お前は潮水を毎日そこで汲んでいたのか。」ときいたら、娘は、「はい。」と答えたんだ。それで、娘に翌日潮水を汲ませると、あまり豆腐はできなかったって。その黄金がそこにあった間は豆腐がうまくできたがね。それで(城間ナーカは)「もうその黄金を持って、家に帰りなさい。お前の身代金はいらないから。」と言って、娘を家に帰したそうだよ、この童を。家に帰したら、娘は、「実は、城間ナーカの御主人が、『この黄金を持って行って、お前は成功しなさい』と言って、もう帰され喜んだよ。」と(親に)話したんだ。親が、「ああそうか。それでこれは黄金なのか。」と聞いたら、「はい、そうだって。」と答えたって。そしたら、「お前は、これを人に見せたり、いろんなことをしたりしたら、すぐ、徳がはげてなくなるよ。徳がはげるよ。」と、親が言ったそうだ。(娘は)「それじゃあ、あなたたちで預かってください。あなたたちが預かってください。」と親に預けたんだ。貧乏者だったので、この童も人の下に落ちていたが、この黄金を手に入れてからは、夜が明けるのと同じように、他人がさえ富を豊かにしてくれたって。もう、こんなふうにしてね、何でもない人たちが来てすぐ、「これももらってくれ。お前たちで使ってくれ。」と言ってね。この童は、あそこでね、浦添安波茶で、今では、城間ナーカよりも金持になっているって。この徳は童が持っているもんだから。 |
| 全体の記録時間数 | 3:44 |
| 物語の時間数 | 3:44 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |