
武士松茂良が十六歳のときに、首里の武士で弟子をかかえている親方が、弟子を三名連れて、那覇の本願寺の前でな、そこは墓が三つ四つあり、辻町への登り口になっていて、そこで、酒が一升二合入る椰子と、八合はいる椰子と、六合入る椰子の三つに、いっぱい酒を入れて持って、自分が教えた弟子を三名連れて、ここを通る武士らしい人と、力試しをさせていたんだ。そんな首里の人が居ってな。それを、十六歳になっていた武士松茂良は、怖くはあったが、遠くでその様子を見ていたんだ。ところが首里の武士には、武士松茂良もまた同じ武士であることがわかるんだな。歩き方を見て、武を習っているかどうかが。それで、松茂良はその首里の人につかまえられて、「お前はできそうだから私の弟子たちとやってみろ。」と言われたんで、武士松茂良は、「わかりません。」と言ったって。でも、この師匠は強い人でいらっしゃるから、これはできると、見てのことだから許してはもらえないんだ。仕方なく、武士松茂良は、今日は自分は殺されるなあ、と思いながらも、「じゃあ、やります。」と言って戦ったんだ。一人は目ん玉を手挙で突き、一人は墓に投げとばし、一人はその場にのばしたんだな。それで、この三人の弟子たちを倒して、墓の上やら、何やらを越えて、逃げたんだ。そして、辻町に飛び込んで、そこで夜を明かしてな。翌日は起きて、知らん顔で夕べ戦った所を通ってみると、まだ三人は、そこに居ったんだ。殴り倒されたまま一人は目を突かれてな、目がはれているし、一人はのびているしね、翌日の朝までそこにいたんだな。ひじょうに強者だったらしいよ、武士松茂良は。
| レコード番号 | 47O375075 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C203 |
| 決定題名 | 武士松茂良の枝勝負(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 武士松茂良 |
| 話者名 | 宜志富紹長 |
| 話者名かな | ぎしとみしょうちょう |
| 生年月日 | 18961208 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村安富祖 |
| 記録日 | 19760226 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T03A22 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 主にお年寄りや父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話 伝説編』P221 |
| キーワード | 武士松茂良,首里の武士,那覇の本願寺の前,墓,辻町への登り口,酒が一升二合入る椰子,八合はいる椰子,六合入る椰子,力試し,一人は目ん玉を手挙で突いた,一人は墓に投げとばした,一人はその場にのばした |
| 梗概(こうがい) | 武士松茂良が十六歳のときに、首里の武士で弟子をかかえている親方が、弟子を三名連れて、那覇の本願寺の前でな、そこは墓が三つ四つあり、辻町への登り口になっていて、そこで、酒が一升二合入る椰子と、八合はいる椰子と、六合入る椰子の三つに、いっぱい酒を入れて持って、自分が教えた弟子を三名連れて、ここを通る武士らしい人と、力試しをさせていたんだ。そんな首里の人が居ってな。それを、十六歳になっていた武士松茂良は、怖くはあったが、遠くでその様子を見ていたんだ。ところが首里の武士には、武士松茂良もまた同じ武士であることがわかるんだな。歩き方を見て、武を習っているかどうかが。それで、松茂良はその首里の人につかまえられて、「お前はできそうだから私の弟子たちとやってみろ。」と言われたんで、武士松茂良は、「わかりません。」と言ったって。でも、この師匠は強い人でいらっしゃるから、これはできると、見てのことだから許してはもらえないんだ。仕方なく、武士松茂良は、今日は自分は殺されるなあ、と思いながらも、「じゃあ、やります。」と言って戦ったんだ。一人は目ん玉を手挙で突き、一人は墓に投げとばし、一人はその場にのばしたんだな。それで、この三人の弟子たちを倒して、墓の上やら、何やらを越えて、逃げたんだ。そして、辻町に飛び込んで、そこで夜を明かしてな。翌日は起きて、知らん顔で夕べ戦った所を通ってみると、まだ三人は、そこに居ったんだ。殴り倒されたまま一人は目を突かれてな、目がはれているし、一人はのびているしね、翌日の朝までそこにいたんだな。ひじょうに強者だったらしいよ、武士松茂良は。 |
| 全体の記録時間数 | 2:05 |
| 物語の時間数 | 2:05 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |