
勝連人夫たちに勝連バーマが、「さあ、お前たちは行って豆腐買って食べなさい。」と言って、全員に、めいめいで豆腐を作って売るからな。そして、昼食を食べる時に芋は持っているから、おかずに豆腐を買って食べていると少したつと、勝連バーマーは勝連の大将だから、むちを持って、「お前たちはまだ食べているのか。」と、皆をたたく真似をしたそうだ。その人夫たちは、豆腐は食ったがまだお金は払ってないんだ。これも年寄りの豆腐屋を損させているんだな。本当にたたいてはいけないが、「まだか!。」と急にむちを持って、勝連人夫を全員たたいてな。たたかれるのは恐いから豆腐の代金を払わずに、彼等は逃げたんだ。これも勝連バーマーの知恵なのだそうだ。本当は、この豆腐をただで食べさせる考えでな。このしわざは、勝連バーマーはむちを持って、その人夫たちをこらしめるまねをして打つと、彼等は逃げるわけだ、痛いから。逃げて、豆腐の代金を踏み倒しているわけなんだ。銭は五十文(一厘)も使わないでおかずを食べさせているんだ。
十日月‥‥これはお城を造るときには、首里への夫役は命令で夫役に出ないといけないんだ。それで勝連バーマーの夫役たちは首里に行く時間が遅くなって、役人に、「君達は今日は遅く来たから通さないぞ。」と言われて、勝連バーマーは、「十日月の上るまで働きますから、どうぞお通しください。」と頼んだ。夫役を使う人は、勝連バーマーが月の上るまでと言ったのを、夜明けまでと、思ってそこを通したわけなんだな。だが、月は旧暦の十日には、昼にはすでに空に上っているんだ、四時ごろにはすでに上っているんだよ。それで、今度は月がのぼったので、勝連からの夫役ははやし立てて、帰りしたくをしたらしい。「君は遅く来て、こんなに早く引きあげるか。」と役人に叱られると、勝連バーマーは、「月は上っています。十日月は上っております。」と言った。十日月の上るまでということで通されているからね。P229
勝連バーマーの松の植え時‥‥宜志富紹長
昔は、夫役(ふえき)をさせたらしいよ、松を植えるにも。それで、勝連バーマーたちの所では松の枝を折ってきて、ただ押し差してあったって。別の人たちはちゃんと松の根株を掘って植えてあるわけ。そこで役人から、「お前は枝を押し込んであるだけじゃないか。」と叱られたからね、勝連バーマーは、「皆のものが生えるなら、私のも生えます。」と返答していたって。それは、その松をとってきて、植える時期ではなかったって。勝連バーマーはそれを知っていたんだってよ。それを知っていたからね、根から植えないで、ただね、松の枝を折ってきて、押し込んで植えていたというわけさ。これは、勝連バーマーが、今、松を植えても生えないという時期を知っていたんだって。勝連バーマーは、頭が切れているというわけさ、やんちゃではあるが‥‥。
発刊
| レコード番号 | 47O375070 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C203 |
| 決定題名 | 勝連バーマーのただ食い(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 勝連バーマー |
| 話者名 | 宜志富紹長 |
| 話者名かな | ぎしとみしょうちょう |
| 生年月日 | 18961208 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村安富祖 |
| 記録日 | 19760226 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T03A17 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 主にお年寄りや父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話 昔話編』P229 |
| キーワード | 勝連人夫,勝連バーマ,豆腐,、皆をたたく真似,ただ食い |
| 梗概(こうがい) | 勝連人夫たちに勝連バーマが、「さあ、お前たちは行って豆腐買って食べなさい。」と言って、全員に、めいめいで豆腐を作って売るからな。そして、昼食を食べる時に芋は持っているから、おかずに豆腐を買って食べていると少したつと、勝連バーマーは勝連の大将だから、むちを持って、「お前たちはまだ食べているのか。」と、皆をたたく真似をしたそうだ。その人夫たちは、豆腐は食ったがまだお金は払ってないんだ。これも年寄りの豆腐屋を損させているんだな。本当にたたいてはいけないが、「まだか!。」と急にむちを持って、勝連人夫を全員たたいてな。たたかれるのは恐いから豆腐の代金を払わずに、彼等は逃げたんだ。これも勝連バーマーの知恵なのだそうだ。本当は、この豆腐をただで食べさせる考えでな。このしわざは、勝連バーマーはむちを持って、その人夫たちをこらしめるまねをして打つと、彼等は逃げるわけだ、痛いから。逃げて、豆腐の代金を踏み倒しているわけなんだ。銭は五十文(一厘)も使わないでおかずを食べさせているんだ。 十日月‥‥これはお城を造るときには、首里への夫役は命令で夫役に出ないといけないんだ。それで勝連バーマーの夫役たちは首里に行く時間が遅くなって、役人に、「君達は今日は遅く来たから通さないぞ。」と言われて、勝連バーマーは、「十日月の上るまで働きますから、どうぞお通しください。」と頼んだ。夫役を使う人は、勝連バーマーが月の上るまでと言ったのを、夜明けまでと、思ってそこを通したわけなんだな。だが、月は旧暦の十日には、昼にはすでに空に上っているんだ、四時ごろにはすでに上っているんだよ。それで、今度は月がのぼったので、勝連からの夫役ははやし立てて、帰りしたくをしたらしい。「君は遅く来て、こんなに早く引きあげるか。」と役人に叱られると、勝連バーマーは、「月は上っています。十日月は上っております。」と言った。十日月の上るまでということで通されているからね。P229 勝連バーマーの松の植え時‥‥宜志富紹長 昔は、夫役(ふえき)をさせたらしいよ、松を植えるにも。それで、勝連バーマーたちの所では松の枝を折ってきて、ただ押し差してあったって。別の人たちはちゃんと松の根株を掘って植えてあるわけ。そこで役人から、「お前は枝を押し込んであるだけじゃないか。」と叱られたからね、勝連バーマーは、「皆のものが生えるなら、私のも生えます。」と返答していたって。それは、その松をとってきて、植える時期ではなかったって。勝連バーマーはそれを知っていたんだってよ。それを知っていたからね、根から植えないで、ただね、松の枝を折ってきて、押し込んで植えていたというわけさ。これは、勝連バーマーが、今、松を植えても生えないという時期を知っていたんだって。勝連バーマーは、頭が切れているというわけさ、やんちゃではあるが‥‥。 発刊 |
| 全体の記録時間数 | 1:09 |
| 物語の時間数 | 1:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |