
昔、長浜に大地主で多くの下男を使っている家があったが、人使いが荒く手間賃もないので、下男たちは稲を逆さに植えた。ところが仕事から帰るとご馳走を振舞われたので、田に引き返して稲の苗を植え直した。その後下男たちは、今後はそんな悪いことはしないと言ったそうだ。その家の長男と親父はお正月を迎えて、豚の一頭ずつを潰して正月をしていた。でも、下男たちには一緒に正月をしなさいとも言わず、田んぼに出て働くようにと言い付けた。三日、四日経っても何のご馳走もくれなかった。それで下男たちは逃げて帰ることにした。ところが主人はそれを察知して、「16日までは待ちなさい」と言う。旧暦の正月16日は大きな祭りで、酒もご馳走もいっぱい出る。主人は、「酒やご馳走、豚の肉も分けて、持って帰りなさい。もう下男は必要ないから、家へ帰ってお父さんお母さんと一緒に働いて成功しなさい」と言って帰し、下男たちは家でお祝いをした。ところが一人の子供は、「帰る家もなければ両親もいないので、どうかここにおいて下さい」とお願いして、引き続きそこで働くことになった。でもしばらくすると大地主は失敗し、長男も働こうともせず酒ばかり飲んでいた。そして父親が諌めると、それに短気を起こし、倉庫から粟の入った俵を全部取り出し、それを水田(?)に持って行って鎌で袋を破り放り捨てた。すると翌日には全部ウジムシになった。それでも下男は田んぼに鋤を担いで行って田植えの準備をした。下男は「あんたが働いたら自分は楽になる。土地持ちにもなる。これからはあんたと私の世の中になる」と歌いながら牛に聞かせた。すると、いつの間にか牛もろとも田んぼの底に落ち込み、死んで来間島の沖に流れ着いた。そして神様になって祀られるようになった。
| レコード番号 | 47O235540 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C296 |
| 決定題名 | オコキ田(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 上地敏之 |
| 話者名かな | うえちとしゆき |
| 生年月日 | 19020221 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 伊良部村字長浜 |
| 記録日 | 19760725 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 伊良部T47A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | ンキャーンドゥ(昔ね・・・) |
| 伝承事情 | 父親から |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 長浜,大地主,下男,稲を逆さに植えた,正月,旧暦の正月16日,俵,水田,ウジムシ,来間島,神様 |
| 梗概(こうがい) | 昔、長浜に大地主で多くの下男を使っている家があったが、人使いが荒く手間賃もないので、下男たちは稲を逆さに植えた。ところが仕事から帰るとご馳走を振舞われたので、田に引き返して稲の苗を植え直した。その後下男たちは、今後はそんな悪いことはしないと言ったそうだ。その家の長男と親父はお正月を迎えて、豚の一頭ずつを潰して正月をしていた。でも、下男たちには一緒に正月をしなさいとも言わず、田んぼに出て働くようにと言い付けた。三日、四日経っても何のご馳走もくれなかった。それで下男たちは逃げて帰ることにした。ところが主人はそれを察知して、「16日までは待ちなさい」と言う。旧暦の正月16日は大きな祭りで、酒もご馳走もいっぱい出る。主人は、「酒やご馳走、豚の肉も分けて、持って帰りなさい。もう下男は必要ないから、家へ帰ってお父さんお母さんと一緒に働いて成功しなさい」と言って帰し、下男たちは家でお祝いをした。ところが一人の子供は、「帰る家もなければ両親もいないので、どうかここにおいて下さい」とお願いして、引き続きそこで働くことになった。でもしばらくすると大地主は失敗し、長男も働こうともせず酒ばかり飲んでいた。そして父親が諌めると、それに短気を起こし、倉庫から粟の入った俵を全部取り出し、それを水田(?)に持って行って鎌で袋を破り放り捨てた。すると翌日には全部ウジムシになった。それでも下男は田んぼに鋤を担いで行って田植えの準備をした。下男は「あんたが働いたら自分は楽になる。土地持ちにもなる。これからはあんたと私の世の中になる」と歌いながら牛に聞かせた。すると、いつの間にか牛もろとも田んぼの底に落ち込み、死んで来間島の沖に流れ着いた。そして神様になって祀られるようになった。 |
| 全体の記録時間数 | 14:12 |
| 物語の時間数 | 14:06 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |