
父親は毎晩漁に出てニバリャを釣ってきた。継母は継子には魚の頭ばかりを、実子には魚の身を食べさせていた。継子が父親に、「お父が釣ってくる魚は骨ばかりだね」と言う。父親はそのことに気付き、海に包丁を持って行って、ニバリャの頭に身をつめて持ち帰る。すると翌朝、子供が、「今度の魚は肉ばかりで腹いっぱい食べた」と言った。父親はそのことを妻には黙っていた。翌日、「今日も行ってくるよ」と言って父親が海に出かけると、継母はその留守の間に継子を殺そうと企む。そして子供たちが大きな水瓶の中で寝ていると、実子を瓶から連れ出し、継子が寝ている瓶の中に熱湯を注ぎこんだ。すると継子は白鳥になって飛んでいった。父親が海から帰って、下の娘に「姉さんはどこへ行ったか」と聞く。娘は「母さんが瓶の中にお湯を入れたので、姉さんは白い鳥になって海の方に飛んで行った」と答える。父親は海へ行って、「ハイっ、私の娘よ。私はこのように祈っているから会いに来なさい」と大声で呼びかけた。すると白い鳥が目の前に飛んできて、「お父さん、私はあなたの娘だから怖がらないで。私はもう神になったんだから怖がらないで。泣かないで」と言う。父親は取ってきた魚を小さく刻んでガーナというその白い鳥に与え、「たくさん食べて大きくなりなさいよう」と言う。白い鳥が「お父さんは何が欲しいか」と聞くと、父親は、「私は海に行くときに着る着物が欲しい」と答える。娘は、「それではムムインバナ(木綿花?)を持ってきたら、私が機を織って着物を作ってあげるよ」と言う。そこで、父親は隣のお婆からムムインバナをたくさんもらい、それを袋につめて海に持って行き、「はい、持ってきたよ」と言うと、白い鳥はそれを自分の首に巻きつけて飛んでいった。そして、白いりっぱな着物作ってきて父親に与えた。父親は大変喜んで、「いつまでも、宮古が続く限り長生きして、お父さんを助けてくれ」と涙を流し、礼を言った。司ンマや坊さんが着るあの白い着物は、昔は神様が、神様になった白い鳥が機を織って作ってくれたそうだ。だから、琉球のお祈りの時はこの着物を着るそうだよ。
| レコード番号 | 47O235433 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C289 |
| 決定題名 | 白鳥になった継子(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 継子話 魚の頭・継子と白鳥・綿入れ(共通語) |
| 話者名 | 宮国カナ |
| 話者名かな | みやぐにかな |
| 生年月日 | 19110410 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 伊良部村国仲 |
| 記録日 | 19760726 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 伊良部T41A16・41B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いらぶの民話P206 |
| キーワード | 父親,漁,ニバリャ,継母,継子,魚の頭,実子,魚の身,継子を殺す,水瓶,熱湯,白鳥,神,ガーナ,ムムインバナ,司ンマ,坊さん,白い着物 |
| 梗概(こうがい) | 父親は毎晩漁に出てニバリャを釣ってきた。継母は継子には魚の頭ばかりを、実子には魚の身を食べさせていた。継子が父親に、「お父が釣ってくる魚は骨ばかりだね」と言う。父親はそのことに気付き、海に包丁を持って行って、ニバリャの頭に身をつめて持ち帰る。すると翌朝、子供が、「今度の魚は肉ばかりで腹いっぱい食べた」と言った。父親はそのことを妻には黙っていた。翌日、「今日も行ってくるよ」と言って父親が海に出かけると、継母はその留守の間に継子を殺そうと企む。そして子供たちが大きな水瓶の中で寝ていると、実子を瓶から連れ出し、継子が寝ている瓶の中に熱湯を注ぎこんだ。すると継子は白鳥になって飛んでいった。父親が海から帰って、下の娘に「姉さんはどこへ行ったか」と聞く。娘は「母さんが瓶の中にお湯を入れたので、姉さんは白い鳥になって海の方に飛んで行った」と答える。父親は海へ行って、「ハイっ、私の娘よ。私はこのように祈っているから会いに来なさい」と大声で呼びかけた。すると白い鳥が目の前に飛んできて、「お父さん、私はあなたの娘だから怖がらないで。私はもう神になったんだから怖がらないで。泣かないで」と言う。父親は取ってきた魚を小さく刻んでガーナというその白い鳥に与え、「たくさん食べて大きくなりなさいよう」と言う。白い鳥が「お父さんは何が欲しいか」と聞くと、父親は、「私は海に行くときに着る着物が欲しい」と答える。娘は、「それではムムインバナ(木綿花?)を持ってきたら、私が機を織って着物を作ってあげるよ」と言う。そこで、父親は隣のお婆からムムインバナをたくさんもらい、それを袋につめて海に持って行き、「はい、持ってきたよ」と言うと、白い鳥はそれを自分の首に巻きつけて飛んでいった。そして、白いりっぱな着物作ってきて父親に与えた。父親は大変喜んで、「いつまでも、宮古が続く限り長生きして、お父さんを助けてくれ」と涙を流し、礼を言った。司ンマや坊さんが着るあの白い着物は、昔は神様が、神様になった白い鳥が機を織って作ってくれたそうだ。だから、琉球のお祈りの時はこの着物を着るそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 9:59 |
| 物語の時間数 | 9:34 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |